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帝王切開~痛みの考察~

2015/08/03


 

 今回は、前回綴った出産前夜に引き続き、私が経験した帝王切開のお話です。出産される方はぜひ参考にしてくださいね。

 わたしは、2015年4月7日 高知日本赤十字病院で帝王切開にて出産しました。

 

帝王切開

 

帝王切開

 

 まず知っておいて欲しいことは、帝王切開で出産する人は「多い」ということです。アメリカでは2000年の22.9%から2013年の32.7%と急増。日本でも今や20%の妊婦が帝王切開で出産しています。出産高齢化による早産や肥満、不妊治療による多児妊娠の増加という事情(双子以上を出産する場合は帝王切開になる)もあるとはいえ、とにかく主流になっているのは間違いないようで、とにかく帝王切開になったからと言って自分を卑下することはないと最初に言っておきます。

 ちなみに私の場合は予定日を過ぎてもなかなか陣痛がおこらず、前から腰痛もちだったため胎児が十分大きくなったのを確認した後にレントゲンを撮影しました。すると骨盤の形が普通の人より随分と反っていることが分かり、胎児が途中でひっかかり自力で押し出すことが困難だろうと診断されました。普通分娩に挑戦することもできたのですが、超難産のうえ帝王切開に切り替える可能性が高いとも伝えられたので、それならばと最初から帝王切開の道を選択しました。(ただし最初から計画的に帝王切開を希望しても日赤では断られます)。ちなみに、無痛分娩にいたってはアメリカでは70~80%の妊婦が利用しているそうですが、日本での普及率は2.6%と随分遅れています。

 

 そして、帝王切開と一口にいっても、施設や医師の考え方で微妙に異なりますので、お産する病院を選ぶ際に気にして欲しい部分です。私は出産場所を選ぶ時に4カ所の病院をまわったんですが、とある産院では帝王切開になかなか踏み切らずひたすら陣痛にたえるという病院でした。その反対に、要望があれば、あるいは医師の都合で帝王切開に切り替える個人病院もありました。

 帝王切開の面以外でも、

 

 ●出産方法

 ●処置方法(抜糸があるか、カテーテルを入れるかなど)

 ●料金

 ●病院までの距離

 ●個室か相部屋か

 ●検診の予約ができるか

 ●立ち会いできるか

 ●母乳育児に力を入れているか

 ●4Dエコー対応か

 ●食事内容

 ●サービス

 ●病院の雰囲気

 ●看護士や医師の対応

 

などなど、各院によって異なります。

 例えば妊娠4週目でも分娩室の予約がとれない人気の産院もありましたし、子どもの性別を出産するまでは教えてくれない病院もあります。また、助産院は高知には1カ所しかありませんでしたし、無痛分娩が可能な産院も1カ所のみでした。他にも違いがありすぎて、どこの病院で出産したら良いのか分からなくなります。しかもこういう内容はHPを見ても記載されていないので、まずは自分の条件をあらいだし、それから経験者に病院の対応を聞くのが一番です。とにかく妊娠前から病院を絞っておくのがベスト!

 わたしの場合は「総合病院で、近くて、検診の予約ができて、個室があって、安くて、立ち会えて、母乳育児に力を入れている」高知日本赤十字病院を選びました。総合を選んだ理由は、腰痛もちだったので整形外科と一緒に診てもらいたかったのと、身内や友人の多くが流産しているので緊急時にすぐ対応してもらいたかったからです。案の定、レントゲンで普通分娩が困難極まりない体つきだということが判明し、苦しみを感じることなくわずか40分ですんなり出産することができました。これが普通分娩を推奨する個人病院で出産していたら、レントゲンを撮影せずに陣痛促進剤を打ち、丸2日ほど陣痛と戦うはめになったあげくの帝王切開、なーんてことになっていたかもしれません。とはいえ、総合病院ゆえの説明不足感と流れ作業感が否めませんでしたので、しっかり選んでくださいね。

 

手術

手術へ向かう私

 

 さて、本題に戻します。帝王切開の手順はこうでした。看護士さんからも説明はあるのですが、初産だといまいちイメージが湧かないし、具体的なところや要望はあまり意見交換できなかったので、紹介したいと思います。

 まずはタイムスケジュールです。

 

前日13:00 入院

前日21:00 ①絶食

 8:00 ②水分補給(水とポカリのみ)

11:00 ③毛ぞり(全剃りではなく上部のみ)

11:10 ④浣腸(看護士さんが入れてくれます)

11:30 ⑤シャワー、着替え

11:45 ⑥むくみ防止用のストッキングをはく

13:00 ⑦点滴

14:40 ⑧手術室へ移動、手術開始

    ⑨脊椎(脊髄くも膜下腔)に注射(下半身麻酔)

    ⑩カテーテル挿入

    ⑪脊椎(硬膜外腔)に管を通す(術後用麻酔)

    ⑫切開(縦切り)

15:03 ⑬赤ちゃん誕生

    ⑭縫合

16:00 ⑮入院室に戻ってカンガルー抱っこ

 

 

 次に、多くの女子が最も気になるであろう帝王切開の「痛さ」についてです。結論から言うと、帝王切開は「無痛」でした。しかも何が一番痛かったって、まさかの⑦点滴!!

 

点滴

 

 私より先に、隣のベッドにいた外国人妊婦さんが点滴を打たれていたのですが、その一部始終が悲惨すぎて震えました。「うー血管がグニョグニョ動いてすぐ抜けますねー」「アー ナンカイタイヨ~ モウイイイヨ~」と、2度も失敗。その後ベテランの先輩看護士に代わってようやく成功。次は私の番になり、失敗していた新米看護士が何事もなかったかのように挨拶に。嫌な予感がしたものの、さすがにもう失敗しないだろうと信じて見守るも、またもや2度失敗。痛い… とてつもなく痛い… 針を真上からブスッと刺して注射器がビヨヨヨーンと左右に揺れているような感じ。「こんな男みたいな太っとい血管があるのに、なんで打てんが!!」とベテラン看護士も激おこ。術後も青くなって腕を曲げるたびに痛かったので、若い看護士が点滴を担当することになったら、勇気をもって「チェンジ!」と伝えましょう。

 

 その次に痛かったのは②の浣腸です。小学校ぶりの浣腸は絶大なる効果を発揮し、看護士さんが投入してわずか1分弱で声がでるほどの腹痛に襲われました。これはいささか盲点でした。「浣腸したらすぐもよおす」なんて前情報がなかったので、余裕をぶっこいて部屋に戻りながら電話をかけていたんです。そしたらお腹がキュゥ~~っとねじれはじめ会話どころではなくり、携帯をブチ切って慌ててトイレへ。でも「すぐに出してはいけない」とナースに言われていたので、お腹の中で1分ほどキープ… できるはずもなく、鳥肌と冷や汗をかきながら激しく震えることたった10秒でフィニッシュしました。あぁ、あと10秒遅れていたらと思うと… くれぐれもお気をつけください。

 

 ちなみに、私が看護士さんに散々訴えてきた⑨のカテーテルの挿入は、下半身麻酔が効いた後に処置してもらったのでその痛さが分かりませんでした。カテーテルとは、尿道に通す管のことで、術後トイレに行けない人に挿入します。いわば、尿道にストローを突っ込んでいくようなホラーものです。普通は麻酔が効く前、つまり胎児にも麻酔が浸透し胎児の心拍数が下がる前に挿入するようですが、私はどうしてもこれに抵抗心と恐怖心を抱いていたので、執刀医にも麻酔後に挿入するよう激しく要求しました。前職の上司もこれに恐怖心をおぼえ、オムツで対応してもらったとか。とにかくカテーテルを麻酔無しで挿入していたら、点滴より痛かったかもしれません。恐怖心がある方は、手術の説明の時にでも執刀医に要求しておきましょう。頑固なドクターも多いので、そこは激しく訴えてみてください。ちなみに普通分娩ではカテーテルを行わない医院が多いと思います。

 

 そして山場だと思っていた⑩脊椎へ注射⑫脊椎に管を通す処置についてですが、意外や意外、全く痛みを感じませんでした。コツは、ベッドに横向きに寝て、とにかく背中を丸めること! お腹がつっかえるけどとにかく丸めた方が痛くないそうです。その後の管を入れる処置も、最初の麻酔が効いていればなんのその。グググと10秒くらい背中を押される(挿入される)感じがするだけで無痛です。そもそもなぜ脊椎への麻酔が必要かというと、ようは下半身麻酔なので、これをしないとお腹と子宮を切る行為が切腹そのものになってしまいます。脊椎へ管を通すのは、術後の麻酔を脊椎へ投入するためであって、これをしないと術後の痛みが激しく襲ってきます。なので麻酔ってとーーーっても大事。

 

 そうこうしていたら、あれよあれよと麻酔が効いて首のあたりまで感覚がなくなります。そして頭もボヤボヤ~としてきてむしろ気持ちよくなっていきます。麻酔が効きやすい体質なのか、私は完璧にキマっていました。とはいえ、この極めて重要な麻酔には、実は相性みたいなもんがあるようで、隣の外国人妊婦さんは同じ帝王切開だったにも関わらず麻酔の効きが遅く、恐ろしいことにお腹を切る時に痛みを感じ、術後に麻酔が効いてきたそうです。とある友人は麻酔が途中できれてお腹の痛みを感じたとか。もう一人の友人は、手術室にある色々な器具に興味が尽きずキョロキョロ頭をふってしまったために、術後強烈な頭痛に襲われ眠れなかったとか(麻酔後には頭をふらないでと医師から伝えられます)。とまぁ、麻酔の効果症状は色々あるようなので一概には言えませんが、目安として鎖骨まで麻酔が効いていなかったら麻酔を追加してもらった方が無難かもしれません。

 

 

さぁ、麻酔が効いてテンションアゲアゲです。お次はいよいよ切腹!

生と死のはざまへ、宇宙へ、いざっ!!!!!

大分ひっぱりますが、次回は帝王切開~切腹篇~です。

 

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    • 前田真希