田舎って意外と歩かない?

2012/07/06

都会から田舎に来て1つ気付いたことがある。

 

「歩くことが少ないなぁ。」

 

大阪に住んでいたころは田舎の方が健康的だと思っていたけれど、
「歩く」ということに関しては、どうもちょっと違うらしい。

 

なぜかというと、
田舎での移動の手段は”車”がメインだから。
買い物に行くのも”車”。
公民館の寄合いに行くにも”車”。
どこに行くにしても車で移動してしまう。

 

公共交通が整備されている都会では、
電車やバスで移動すると、
気付かないうちに結構歩くことになる。

 

僕も学生時代、朝の通学の時には、
電車の乗換でダッシュして、
ちょっとした運動会みたい朝を過ごすこともしばしばだった。
(まあ、もっと時間に余裕を持って出かければよかったんだけど。。。)

 

それに都会の場合は何かと車で移動する方が面倒くさかったりする。

 

田舎では公共交通も整備されていないし、
ちょっと買い物に出かけるにも徒歩圏内にお店がなかったりするので、
必然的に車を使うことになる。
まあバスもなくはないけど、
いくら田舎がのんびりしているとはいえ、
1日数本のコミュニティバスを悠々と待ってはいられない。

 

田舎って意外と歩かない?

 

ということで、
都会にいた時より足が萎えてしまうという悲しい現実。
だから田舎人こそ意識して歩かないといけないと思うわけだ。

 

大人が歩くことが少なくなっているくらいだから、
子供も歩くことは少なくなっているだろう。

 

僕が子供の頃ですら、
どこに行くと言っても歩いて行ったものだった。
母親は免許を持っていなかったし、
我が家で唯一免許を持っている親父は、
車の運転が嫌いだから全然車を出してくれない。
しょうがないからどこに行くのも徒歩や自転車だった。
子供だけじゃなくて母親もそうだった。

 

そう考えると、
いまの田舎のお母さんたちや子供たちはずいぶん恵まれている。
・・・いや、恵まれているのかどうか考え物なのだが、
どこに行くにしたって、
玄関から駐車場まで歩いて、
あとは車に乗るだけ。
ドアtoドアで用事を済ませたら、
また車に乗って帰るだけだから、
外なんてほとんど歩いていないだろう。

 

さて、
なんでこんなことを書いたかというと、
先日、みまき自然の学校の活動で、
久々に長い距離を歩いたからだ。

 

みまき自然の学校をご存じない方のために、
…というかほとんどの方がご存じないと思うので、
ここで少しみまき自然の学校の活動を紹介させて頂きたい。

 

みまき自然の学校は、
僕が住む愛媛県宇和島市の御槇(みまき)地区の自然の中で、
子供たちに自然の中で遊び、学んで欲しいと思い、
おおむね月に一回、幼稚園くらいの年齢の子供を対象に開催している。
分かりやすく言うと「森のようちえん」のような活動だ。

 

田舎って意外と歩かない?

 

ただし、「自然の学校」といっても、
あれこれ大人が教えるというわけではなく、
子供が自然の中から感じる感性や好奇心・自主性を大事にし、
なるべく口や手を出さずに、
「見守る保育」を目指している。

 

田舎って意外と歩かない?

 

話を元に戻すと、
先日、みまき自然の学校の活動で、
槙川という川で子供たちを遊ばせたあと、
お母さんたちが待っている源池(げんち)公園まで、
昔の人たちが使っていた農道や未舗装の山道を越えて、
2時間ほど歩いた。

 

田舎って意外と歩かない?

 

子供たちと一緒に歩いて帰ったので、
かなりゆっくりだったことは間違いないけれど、
それでも普段歩くことのない長い道のりだった。

 

田舎って意外と歩かない?

 

上は小学2年生から、下は1歳11か月の子供まで。
よくぞあの山道を歩いたものだと思う。
2歳や3歳の子供たちが山道を歩いている姿を見るのは、
ちょっと感動すら覚えるくらいだった。

 

田舎って意外と歩かない?

 

そういうわけで、
2時間もこどものペースに合わせてのんびりのんびり歩いていたら、
ふと、

 

「最近はあまり歩いてなかったなぁ。」

と、今回の話題に思い至ったわけだ。

 

子供たちにとっても、
2時間も歩くというのはなかなかない体験だったことだろう。

 

ずっと昔の子供たちは1時間ほど歩いて学校に通うのはざらだったというが、
今はそんなに歩いて学校に行く子供はきっと稀だと思う。
親の通勤のついでに車で送って貰う子供などは、
ほとんど通学に歩かなくてよい。

 

昔の子供たちと比べて、
いまの子供たちの足腰はずいぶん貧弱になっていることだろう。
毎日ルーティンで足腰を鍛えていた昔の子供たちにかなうわけがない。

 

さて、
今さら僕が言わなくても、歩くことは健康の基本だ。
生き物の基本と言ってもいいかもしれない。

 

現代のように、
幼い子供のうちから歩く体験を取り上げてしまうと、
子供が貧弱になること間違いないだろう。

 

冒頭にも述べたが、
子供が歩かなくなっているのは、
都会も田舎も関係なさそうだ。
場合によっては田舎の子の方が歩いていないという可能性もある。

 

昔はほっといても歩くしかなかったわけだけど、
今のこのご時世、
子供たちの日常生活に「歩く」仕掛けを用意しておかないと、
「歩く」ということが特別なことになってしまうかもしれない。

 

そういえば、
車に日常的に乗るようになってからは、
雨の日に傘をさして外を歩くことも減ったような気がする。
「雨だから車で送ってあげる」
というのが当たり前になってしまった。

 

雨の日に傘をさして外を歩くという、
必ずしも快適ではない経験も、
歩くことでしか体験できないのだ。

 

人間の幅は経験の数だともいうし、
不快な経験も成長には必要なことだ。

 

そんなわけで、
わが子をはじめ、
みまき自然の学校に来ている子供たちにも、
「歩く」体験をいっぱいさせてあげたいと思う。

 

田舎って意外と歩かない?

 

まあ偉そうなことを言う前に、
まずは徒歩5分の公民館に車で行ってしまう自分の行動を、
悔い改めることから始めなくてはいけないに違いない。

 

そんな父親の自戒の念を鋭く察知したのか、
6月末に弟が生まれて”ヤキモチ焼きのグズグズお姉ちゃん”になった娘が、
執拗に「だっこ!」と「さんぽ!」を求めてくる。

 

おかげでここのところ毎日、
約10kgの重しを抱えての「筋トレ散歩」が、
僕の足を順調に鍛えてくれるのである。
「実に父ちゃん思いのわが子だなぁ。」と思う今日この頃であった。

 

(娘よ、あんたも歩きなさい・・・。)

 

 

▼みまき自然の学校のホームページはこちら

https://inaka-pipe.net/mimaki_natural_school/

 

 

 

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