木を中心とした文化を作る

2012/07/13

皆様はじめまして。

 

高知県の北部の嶺北地域の本山町のばうむ合同会社という木工会社に勤めています井上将太と申します。

 

もともと高知県の安芸市という所の出身だった私が本山町に移住をして今年で3年目となりました。

 

そもそもの始まりは、大学1年生の時に参加した、地域の木材加工会社でのインターンシップでした。このインターンシップでは地域の木材のブランディングの一角を担う森林認証という持続可能な森林を管理した森にだけ与えられるお墨付きを取得するような仕事をしておりました。この時に林業から木材加工になるまでの基本的な流れを学んでいくことになります。

 

インターンシップ

▲インターンシップにて

 

インターンシップ終了後に「森の未来に出会う旅」という木造建築の担い手を育成する人材育成の事業を地域の企業と一緒に立ち上げました。

 

6年ほど前には日本の建築学科では木造建築に関するカリキュラムがほとんど体系化されていなく、建築学科で木造建築や木材のことを学ぶ機会は少なかったのです。このような現状では将来こだわりの木の家づくりを担う方は育たないのではないか。私たち若者から発信をして、若手の設計士や建築学科の学生に木造建築を学ぶ上でのスキルやマインドを現場で伝えていく。このような考え方で人材育成を行いました。今は学生団体FANという組織ができて、後輩が同じように事業を継続してくれています。基本的には4泊以上のセミナーなのですが、今までで40大学のべ120人を越える参加者がいます。

 

森の未来に出会う旅森の未来に出会う旅

森の未来に出会う旅
▲森の未来に出会う旅にて

 

この後、大きな転機は2年前でした。

 

それまで嶺北地域からは車で50分ほどの町に住んでおりましたが、外部から活動することの疑問を持っていました。どうせやるなら中に入って林業に関する活動をしていきたいと思い、モヤモヤしている時期がありました。その時に、たまたま嶺北地域で開催された森に関するセミナーに参加しました。

 

その日の夜は講師の方と知り合いだったこともあり、近くの居酒屋に。

 

 

そこで近くにいたおんちゃんが、お酒を進めてきたので帰れなくなると、断っていましたが家に泊めてくれるということで、しぶしぶお酒を飲みながら、話をしていました。

 

そのおんちゃんの家に帰り、色々と話をしているととても町のことを考えてらっしゃる方だと感動をしておりました。

 

一時間ほど家でお酒を飲み、ほど良く酔っ払うっていて、ふとこのおんちゃんの職業は何だろうと思い、聞いてみました。

 

帰ってきた答えは「ちょうちょう」

 

「ちょうちょう」とはつまり「町長」でした。笑

 

これが本山町の今西町長との出会いです。

余談ですが、今西町長宅への民泊は私が第一号のようです。

 

このようなご縁もあり、これは何かに導かれている。

それならば思い切って移住をしてみようと決心をしました。

 

移住をする際に、困るのは住居です。

 

そしてそのご縁から1週間後に私がたまたま嶺北地域のシンポジウムにてパネラーで呼ばれて登壇する機会がありました。

 

この時パネラーなのですが、皆さんの前で

 

「移住をしたいのですが、空き家はありませんか?」

 

としゃべっておりました。

 

そうしたら、同じパネラーとして登壇していたばうむ合同会社の藤川社長が

 

「うちに空き家がある」と言ってくださりました。

 

日本初のシンポジウムの登壇者内での移住相談でした。笑

 

その後、シンポジウム会場から住宅を見に行き、即決をしました。

 

そして、移住をしたのだから、現場でのアルバイトが欲しいと思い、探しておりました。

そこで目をつけたのは、ばうむ合同会社でした。笑

 

パネラーだったので、会社の内容は知っておりましたし、木工製品を扱う会社であり、私の木材の専門性ともぴったりと合う会社でした。

 

ただアルバイトという訳にもいけませんので、新規事業の企画書を書いて、藤川社長に見せ、この事業をやりたいので、私を雇ってほしいと言いました。

 

今、考えれば、ずうずうしいですね。笑

 

その後、企画も認めてもらい、ばうむ合同会社にて働くこととなります。

 

ばうむ合同会社は本山町の商工会の青年部が地域にある資源を活かしたビジネスを作ろうと起業した会社で、民間なのですが、公的な意味合いもある会社です。

 

設立当時は、事務員の方が1名と上司の社員1名とアルバイトの私が1名の3名体制。

 

一から商品を作り、営業をしていくこと。

 

小さな会社だけに、商品企画から実際に売るところまでを全て間近に見ることができ、とても勉強になりました。

 

そして、ばうむではまちづくりとして人材育成の事業も実施しております。

小学生に対する環境教育なども年間10回以上は実施をしております。

 

自社製品
▲ばうむ合同会社製品
環境教育講師
▲環境教育講師
ばうむ合同会社
▲ばうむ合同会社

 

 

 

また実は私は今も現役の高知大学の大学院生でもあります。

 

大学では木材の流通についての研究をしており、実学と理論を一緒に学びながら自らの力を磨いている所であります。

 

また嶺北に移住をしてから、全国の林業・木材産業に関わる若手の方を集めてネットワークを作ろうと「若手林業ビジネスサミット」という企画を仲間と共に立ち上げました。この企画によりfacebookなどで新たなコミュニティができ、意見交換をしております。

そしてこのようなきっかけがあり、全国の木材の産地とも関わる機会が増えてまいりました。今も様々な地域の方と一緒に勉強をしております。

 

若手林業ビジネスサミット

▲若手林業ビジネスサミット

 

私の将来やりたいこと。

 

それは

 

「先人の残していただいた日本の木という文化を時流に合ったサービスとして顧客に提供して、次の世代に継承していくこと。」

 

具体的には木造建築でしょうし、木製品でしょうし、家具でしょうし、グリーンツーリズムなども含まれると思います。

 

そして嶺北地域という地域だけでなく、色々な産地と一緒にこのようなことができれば良いと思っております。

 

森の国である日本をもう一度、取り戻すため、これからも私は色々な立場で挑戦し、そして未来を担う一人として動いていきたいと思います。

 

皆様、今後ともよろしくお願いします。

 

大好きな森

日本酒

ばうむ合同会社 井上将太

 

 

 

 

 

記事の感想送ると100ポイント進呈!
ポイント貯めてプレゼントGETしよう

いなかマガジンを読んだら「いなかパイプアプリ」へ感想をぜひお送りください。
アプリを下記からダウンロード→「お問い合わせ」へ感想を送信でOK!
ポイントを集めるとプレゼントがもらえます!

FacebookTwitterLine