“人を育てる”ということ

2012/11/01

 

いなかマガジンをご覧のみなさまはじめまして。

株式会社リレイションの山口と申します。

以後、お見知りおきを。

 

さて小生、株式会社リレイション社員であると共に、

徳島県神山町のNPOグリーンバレーの一員でもあります。

「おまはん、どっちやねん?」と問われれば、

「どっちも」ということになるわけで。

 

まあ、その辺のややこいことは置いておいて、

とりあえず、「神山で生きて、暮らして、働いている」、

そういう手合いなので、最近の神山のことでも徒然と書いていきます。

 

NPO法人グリーンバレーでは、

「神山塾」という人材育成プログラムを実施しております。

いなかマガジンに投稿をしている下野君はその第3期生で、

僕はその事務・運営を務めております。

 

厳密に話を進めると、求職者支援訓練がどうたらこうたらと、

幾分と面倒な話になってしまうのですが、そこは割愛して、

神山塾ってのがどんな場なのかというあたりを、

10月15日(月)を以て無事に終了した第3期をふり返りつつ。

 

神山塾

 

まずは「神山塾のそもそも」みたいな話から入ると、

神山塾は一種の職業訓練ではあるのですが、

技術や能力を身に付ける場というよりも、

次に進んでもらうきっかけの場、というのが正しいんじゃないかと。

 

その舞台が神山という地域で、

半年間という長いようで実に短い期間を過ごす中で、

様々なこと・人に触れつつ、

自己・暮らし・仕事・地域・社会について真っ向から向き合い、

自ら学び・考え・行動し、次へと繋げていってほしいなあ、

とか考えていたりします。

 

運営としてその気付きのキッカケを提供する。

カッコつけて言えば、そんなことをしています。

例えばそれは、グリーンバレーの事業・活動に触れてもらうこと。

 

神山塾の様子

 

自分たちでイベントを手掛けてもらうこと。

神山塾でのイベントの様子

 

塾生同士での共同生活を過ごしてもらうこと。

塾生同士での共同生活

 

ときに真面目に講義を受けてもらうこと。

神山塾 講義の様子

 

地域の人たちと交流したり、一緒に暮らしてもらうこと

地域の人たちと交流

 

 

神山で過ごす時間、

その全てが学びの時間に相応しいんじゃないか、

むしろ、神山塾の講義として構えていることよりも、

それ以外の時間の方がいろんな気付きや学びが凝縮されている、

とすら思っております。

 

じゃあ、講義の時間は何もしてないのか、

というわけではないのです。

第3期の塾生たちには、

2つの大きなイベントを実践してもらいました。

ひとつは、「神山こども自然塾」。

 

神山こども自然塾

 

「神山こども自然塾」とは、

塾生の塾生による子どもたちのためのプログラム。

企画から集客、運営に至るすべてを塾生たちの手でやり遂げています。

神山塾での恒例イベントでもあるのですが、

今回のテーマは「わくわく! どきどき! かみやま こども ひみつきち」でした。

 

上の写真は遊びに来てくれたこども達やその親御さん、

そして塾生たちとで撮った集合写真。

こども達やその親御さんの笑顔だけでなく、

自分達も笑顔になったイベントでした。

 

詳しくは下野君もこのマガジンで紹介してくれています。

https://inaka-pipe.net/20120827/

 

そしてもうひとつが、

「Work Shopping ~買い物するようにワークショップをしてみよう~」

このイベントはこちらのマガジンでも宣伝させていただきました。

https://inaka-pipe.net/event20120927/

Work Shopping ~買い物するようにワークショップをしてみよう~チラシ

 

神山での半年あまり、

様々なことを経験し学んできた彼らが、

自分達の今できることややりたいことを

ワークショップという形で表現し、

それを一堂に介してイベントにしちゃおう、というものでした。

 

Work Shopping ~買い物するようにワークショップをしてみよう~チラシ

 

ざっとタイトルだけ見てもなんかワクワクしませんか?

このイベントに際して、各々のワークショップを組み立て練磨する行程、

それらを統合しイベントとして運営していく行程は、

自身のこれまでをアウトプットする作業だったのではないかと思っています。

 

当日は「お客さん来るのかな?」という、

不安をはらみつつも、これが取り越し苦労だったようで、

まさに集大成と呼ぶにふさわしい盛況のうちに、

幕を閉じることができました。

 

 

「神山塾」を至極ざっと紹介すればこんな感じです。

まあ、ここまで散々ああだこうだと言ってまいりましたが、

第3期生の彼らにとって、神山塾って、神山で過ごした半年間って、

どんなものだったのか、それは塾生たちが卒塾記念に作った、

この映像を見てもらえれば伝わるんじゃないかなと。

 

 

http://vimeo.com/51459042

 

みんな、いい顔しています。

でも、そのいい顔が出来るようになるまでは、

楽しいことばかりじゃなかったでしょう。

苦悩もあったでしょう、葛藤もあったでしょう。

きっと彼らは、自分達でいろんなことを乗り越えてきたから、

創りあげてきたから、こんな表情ができるんだと思っています。

 

神山の景色

 

さて、神山ってのは不思議なところで、

パッと通り過ぎてしまえばよくある田舎、

でもそこにはいろんな人が集まってきます。

それを仕掛けているのがグリーンバレーで、

神山塾事務・運営としてその一端を担えたら、

とか思っています。

 

でも、“人材育成”=“人を育てる”

なんて偉そうで大仰なこと謳っていますが、

僕に出来ることなんてほんのわずかで、

むしろ僕が学ばせてもらっているんです。

“人材育成”なのに、人に育ててもらっています。

 

ただ、この神山という地域、そこに住まう人、

そこに集まる人、そこで起こる出来事、

それらに触れてもらうことが何よりの学びなんだろう、と。

だから、“人を育てる”のではなくて、

“人が育つ場をつなげていく”。

これが僕の仕事です。

 

第3期も終わって間もない今、

神山塾での半年間を終えた第3期生たちは、

次に向かって歩き出そうとしています。

神山に残る人もいます、神山を離れる人もいます。

でも、きっとまたいつかどこかで出逢う気がするし、

その時にまた笑いあえればいいんじゃないかな、とか思っています。

 

そして、そんな感傷に浸る間もなく、

11月19日(月)より第4期神山塾が始まります。

今はその準備や事前業務に追われる日々。

 

新たな人と人との出会いに、

新たな人と神山との出会いに、

思いを馳せる、今日このごろです。

 

 

 

 

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