お上りさん、ついでにあっちこっち~①来た波に乗ろう編~

2014/09/20

顔の写真
執筆者 黒田太士
所 属福田百貨店

 

 先日、四国4県が共同で開催する「四国暮らしフェアin東京2014」に、愛媛県のパネリストとしてお呼びがかかり参加させて貰った。「四国への移住に関心がある人」に向けて東京で開催された移住セミナーだ。

 

四国暮らしフェア

 

 1時間のパネルディスカッションで、四国4県の他の移住者の方と移住体験を話し合った。わりとバラエティに富んだ顔ぶれで、家族構成も動機も仕事もバラバラだったので、一言で「移住」といっても、人それぞれ、いろんな理由があって面白いなぁと思った。

 

四国暮らしフェア パネルディスカッション

パネルディスカッション開始前。始まる頃には満席近くになりまずまずの盛り上がり。

 

「東京での移住イベントにどれくらいの人が来るのかなぁ?」と思って見ていたけれど、会場は下の写真の通り賑わっており、移住に対する関心の高さを知ることが出来た。

 

四国暮らしフェア 盛況ぶり

 

 移住への関心の高まりを感じると共に、その恩恵を受けて東京まで呼んで頂けたわけで、僕にとっても得るものの多い移住フェアであった。

 ところで、お役目も無事に終わってあとは四国に帰るだけ…とはならないのが、僕という人間だ。四国の山奥から東京まで出てきて、それだけで帰るのはもったいない!!ということで、この機会を逃してなるものかとアレやコレやと予定をぶっこんだ。そんなわけで、元々1泊2日のはずの旅程が、結果的に5日間も滞在することになってしまった。

 

 余談だけど、5日間も東京に出張するというハードスケジュールが待ち構えているにも関わらず、その出発の前日に、なぜか人生で初めてのサーフィンをすることになり、腕立て出来ないほどクタクタになるまで波にもまれたというおまけまでついていた。というのも、福田百貨店でお客さんと話し込んでいるうちに、話の流れでサーフィンに一緒に行かないかと誘われ、元卓球部のヒョロ眼鏡くん(水泳苦手)が、柄にもなく波に乗ることになったのだ。これは田舎暮らしを通して体得した“その時自分に必要なものが必要なタイミングでやって来るからその波に乗っておこう”=【来た波に乗れの法則】を信じて、文字通り人生で初の波乗りをすることになったのである。そんなわけで、おまけも含めていろいろ目白押しの東京旅行になった。

 

サーフィン

大岐の浜でサーフィンデビュー!予想外に1発目から立てて、本人も含めてみんなビックリ!

 

 さて話をフェアの日に戻そう。出番が終わって会場を後にし、友達と合流したらその日は友人のガイドに任せて東京観光…の予定だったのだけれど、前日に思いがけない予定が入ったので友人も巻き込んでまずはそちらの用事を済ますことになった。その予定外の予定が入った経緯がちょっと面白い。

 

 フェアの前日、関係者の打合せ後に交流会があった。普段、良く言えば慎ましい生活、率直に言えば清貧な生活(赤貧かも(笑))をしているので、5000円という参加費に参加を思い悩んだ情けないワタクシ。だけど、「まぁそこはやっぱり出とかなきゃね」と思い出席した。

 で、その交流会で偶然前に座ったおばちゃんが、何とも勢いのあるおばちゃんで、やや身構えてしまうほどの豪快さがあるおばちゃんで、話をすると…やっぱり勢いに圧倒されてしまうおばちゃんなのだけど、よくよく話を聞いていると、実に本質を捉えた話をしている。「このおばちゃんはただのおばちゃんじゃないなぁ。」と色んな意味で思っていると、話を聞けば聞くほど面白い。さらに色々話を聞いていると、まだ地域の誰も将来を危惧していなかった30年前から、自分の地域の人口減少と衰退の兆候を見抜いていて、移住者を増やすための策を個人的に実践してきたのだという。しかもこの人なら移住しても大丈夫という人を見抜いて個人的にスカウトし、移住後も世話役として見守り、驚異の定住率100%を誇るという敏腕おばちゃん…もとい、敏腕プロデューサーだったのである。話を聞いていたら、いま日本各地の田舎が手探りしている移住に必要なノウハウは、このおばちゃんが全部持っているじゃないかとすら思ってしまった。それくらいのアイデアと経験と説得力(と迫力)があるおばちゃんだったのだ。

 

 そんなおばちゃんの勢いのある話を聞いていたら、「ところであんたは田舎で何やってんのん!?」と話を振られ、(ひいっ!とたじろぎながら)福田百貨店の話を写真など交えながら説明すると、思いのほかおばちゃんに気に入って貰えた。そして、ズバっと一言アドバイスが飛び出す。

 

「あんたこれは良いお店やな~!このお店をやっているなら、絶対日暮里にある松野屋というお店に行きなさい!」

 

 おばちゃん曰く、福田百貨店のお店の雰囲気ならその松野屋さんというお店で扱っている商品を置くべきだとのこと。日本の伝統的な職人の手仕事の商品を扱っていて、そこは卸売りもやっているから、ぜひ行って交渉してみなさいとのことだった。さすが敏腕プロデューサーである。そしてこれぞまさに【来た波に乗れの法則】発動の瞬間である。「なるほど、今日の交流会はこのおばちゃんと出会うためだったんだなぁ~」と5000円をケチらなくて良かったと一人頷き、この敏腕プロデューサーの言うとおり、友人との観光を削って日暮里へと向かうことに決めたのだった…(日暮里がどの辺にあるのか全く分からないけれど…)。

 

 友人のガイドで無事に日暮里までたどり着き、駅からしばらく歩くと、おばちゃんが勧めてくれたお店はすぐに見つかった。一見して雰囲気の良さそうなお店である。「これは期待できる!」と店構えを見た瞬間にワクワクした。

 

谷中 松野屋

 

『谷中 松野屋』というこのお店は、日本全国や海外の伝統的な手仕事の道具を扱っているお店だ。店内の商品を見ると、ちゃんと作られた『本物』が醸し出す良い雰囲気があった。

 

松野屋 商品

 

 お店の方とお話をさせて頂き、後日いくらかのやり取りを経て、結果的に商品を卸して頂けることとなった。やはり来た波には乗ってみるものである。福田百貨店にもこの松野屋さんのような雰囲気を持った売場が少しだけれど出来ることになりそうだ。これでまた一つ福田百貨店に新たな魅力が加わることになる。おばちゃんありがとう!!

 

松野屋 ほうき

 

 そんな感じでおばちゃんからのミッションをクリアし、肩の荷も下りて、あとは友人にお任せして東京を観光することに。友人オススメの都庁の無料展望台から東京を俯瞰してみる。

 

東京

 

いなかパイプの記事に東京の街並みを載せて需要があるのか?とか思いながら、載せてみる。

いつも見ている御槇の風景とのギャップは凄い。

 

御槙

 

 この日はその後、カフェでコーヒーを飲みながら友人と熱い議論を交わし、晩飯を食べながら熱い議論を交わし、銭湯での熱い湯船に浸かりながら熱い議論を交わし、友人宅で布団に入りながら熱い議論を交わし、3時くらいまで熱い議論を交わしてようやく寝た。(冗談ではなく、この二人が顔を合わせると本当にずっと議論してる(笑))

 この友人N君は、僕と真逆の生き方をしているのだけれど、たまに会って社会や時事の話をすると、見事に同じような結論を持ち寄るというお互いに面白い仲なのである。本当に色んな面において正反対なのに出てくる結論が一緒というのは実に興味深くて面白い。いずれN君との話だけで1本記事を書きたいなと思うくらいである。

 

 そんなこんなの東京旅行、前篇はこの辺でおしまい。ただの日記ブログみたいな感じなので需要があるのか分からないけれど、この調子で続編も続いちゃいます。とりあえず、みんな来た波には乗って行こう!

 

波乗り

 

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