農業後継者育成のためのクラウドファンディングを開始しました!

 

改めてなのですが、私達十日町市地域おこし実行委員会では現在、以下の5つの事業を行っています。

 

①農産物直販事業
②体験交流事業
③移住促進事業
④情報発信・農山漁村応援事業
⑤地域復興支援員設置事業

 

10月は①の農産物直販事業においては稲刈りと新米の出荷が忙しい時期です。

 

稲刈り

稲刈り

 

籾摺り

 

籾摺り

籾摺り

 

検査積み込み

 

検査積み込み

検査・お米の積み込み

 

等々一袋30kgの米袋を700袋程扱っており、結構な重労働です。しかも、集落に元々住んでいる方々は皆70代半ばから後半に差し掛かっており、さすがに「この作業はきつい」という事で若い人が頑張らなければならない状況です。(とは言っても、一部の方は78歳にして米袋を積極的に運ぶ方もいらっしゃり、改めて田舎のお年寄りの体力はすごいと思います。)

 私達は特別栽培米という事で50%減農薬、減化学肥料の栽培を中心にしていますが、一部の田んぼでは全く農薬も化学肥料も不使用のはざかけ米を作ってもいます。

 こちらがその様子です。コンバインでの稲刈りはせず、手刈りまたはバインダーで稲刈りをし、

 

無農薬

 

無農薬稲刈り

 

無農薬 はって

 

はってにかけます。

 

 こういった形で米作りをしつつ、直接販売も行っており、今のところ販売量は順調に伸びています。販売量は伸びているのですが、次の課題としては、需要に対応する生産体制を維持していく事となっています。というのは、集落で昔から米作りをしている方々はほとんどが70代でよく「俺たちもいつまで米作りが出来るかわからない。だから早く後継者が組織的に営農する受け皿を作ってほしい」と言われております。ただ、私が住んでいる池谷集落には空き家がなく、後継者を受け入れていく事がなかなか困難であるという状況があります。

 

 実は今回のような課題は私たちの住む池谷集落の課題と言うだけでなく、全国各地の過疎の集落で同様の課題があるというのが実情です。というのは、全国的に農業の後継者は不足してはいるのですが、多くの過疎地ではたとえ空き家があったとしても、「家財を片づける手間が惜しい」「時々は帰ってくる別荘にしたい」などの理由で家主が貸したがらないことも多く、全国的に移住希望者が住まいを確保する事は難しいという課題があります。

 

 そして、農業の後継者が不足するという事は農村の課題であるというだけではなく、実は都会に住む人にとっても重要な課題だと私は考えています。何故かというと、将来的には世界の人口はどんどん増えていき、2050年には90億人を超えると言われており、そうなると食料が不足する時代がくる可能性があるからです。また、日本の人口はそれに対して減っていくわけで、GDPは人口に相関して上下しますので日本がいつまでも海外から安い食料を購入できるとは限らないです。都会の人達が食べ物を安定的に手に入れられる体制を継続させるためには国内で自給できる体制を作っておかないと自分の子供や孫の代にとても大変な社会になってしまう可能性があります。

 

 農業技術を習得して一人前になるには10年かかると言われています。理由は全部一通り経験出来るのに1年かかるので、PDCAサイクルを回して改善出来るスピードに限界があるからだと思います。また天候も毎年違うので今年上手くいったことが来年も上手くいくとは限らないという難しさもあります。ですので、ここ数年で農業の後継者を育てていく事は日本全国どこに住む人にとってもとても重要な問題であると思います。

 それに対して自分達でできる事として、冒頭の③の移住促進事業にも力を入れております。その取り組みの一環で現在、私たちは池谷集落の中に農業の後継者を育成するための住宅を建設しております。自己資金や寄附金、助成金などを活用し、一部ワークショップ形式で自前で作る事でコストも抑えた形での家づくりに取り組んでいます。

 

住宅建設

 

住宅建設

 

 ただ、そうはいっても予定よりも予算がオーバーしてしまい、これをどう賄っていくかという事が現在相当の課題なっています。そこで、9月29日から11月28日までの2カ月間、クラウドファンディングを活用する事にしました。

 

クラウドファンディングのページはこちらになっております。

https://readyfor.jp/projects/mebuki

 

 こうした受け皿の体制を作りつつ、移住希望者を誘致するための取組として移住相談会やインターンシップの受入やコーディネート等も行っています。

 

移住相談会

 

移住相談会

10月19日出展した移住相談会の様子

 

インターンシップ

 

インターンシップ

インターンシップの受入として、半年間池谷集落で米作りを体験したIさんが10月20日に終了しました。

 

 インターンシップのコーディネートとして、池谷集落以外の集落にインターンシップ希望者の受入調整をしたりもしています。写真は十日町市松之山地域浦田地区の中立山集落というところにインターン生を受け入れて頂いて囲炉裏を囲んで打合せしている様子です。

 

インターンシップ

 

 住むところを作り、移住者を誘致するだけではなく、住む人が生計を立てるための収入を得られるためにもお米の直販等のような経済活動も重要です。

 そこで冒頭の④情報発信・農山漁村応援事業の事業の一環として田舎暮らしをしながら自ら収入を作っていくような知識を身に着けて頂くために「6次化起業支援研修」も10月25日~11月29日の週末に行います。私達十日町市地域おこし実行委員会では北陸ブロックの地域パートナーとしてふるさと回帰支援センターと一緒にこの研修の運営を行います。

 

6次化起業支援研修のサイトはこちら
http://www.furusatokigyo.net/6jika-suisinn/

 

 「地域おこし」と一言で言っても色々な形があると思います。私は人が長い世代にわたって継続して生活ができる状態を作っていく事こそが本質的な「地域おこし」だと考えています。

 農山村の現場にはこれからの日本の社会を再生していくために必要な事が山のようにあります。だからこそ安倍政権も「地方創生」を掲げたのだと思います。こういう取組があるという事を是非色んな方に知って頂ければと思いますし、今後田舎に住みたいという方は是非現場から日本の社会を良くしていくという事を全国各地いろんな場所で取り組んでいただければと思います。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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