鍛冶屋さん、後継者できました!!

2014/11/25

 かつての日本の文化を残そうと動いている自分にとっては、とても嬉しいニュースがあります。今動いている和歌山のことではありませんが、高知で私が鍛冶について教わっていた師匠のところを2年前に訪問した際は、「もうあと5年で体力の限界だ、やめる」と言われていましたが、この間訪問したら、息子さんが会社を辞めて、後を継がれるとのこと。

 

 黒鳥鍛造工場

 

何とか継承が間に合った!! とても嬉しい!!

 

 この鍛冶の師匠は日本刀を作る「刀鍛冶」では無く、かつての農山村の集落に1軒はあった1次産業に関わる刃物を鍛造する「野鍛冶」です。ナタ、斧、鎌、クワ、剪定ばさみ等、主に山の仕事で使う刃物を何でも作っていました。

 

野鍛冶

 

 刀鍛冶は日本刀を作るので伝統文化の担い手として認識されてある程度守られていますが、野鍛冶の作る刃物は今やホームセンターで似たようなもの(ただし質は全く異なる)が売っているので、あまり重要視されておらず、そのために日本中で野鍛冶がどんどん絶滅に向っています。そんな野鍛冶の中でも、師匠は人間国宝になれるんじゃないかと思うくらいスゴい人です。

 それぞれの使い手に合わせた山林用刃物のみならず、包丁も作れるし(ここまでは既存の野鍛冶でも作れる)、自分でたたら製鉄をして玉鋼(日本刀に使う最高級のハガネ)まで作り出し、日本刀まで打てる上に、どんな刃物でも砥ぎ直すことができるスーパー鍛冶屋です。さらには、刃物文化を残すために実用可能なヤイバの付いた各種刃物のミニチュアサイズのものまで作っていました。この鍛冶屋さんのスゴさの詳細や写真は話すと長くなるので過去に私が書いた記事(最後の炎: https://inaka-pipe.net/20121226/ )を是非ご覧ください。

 

うなぎバサミ

 

 このギリギリになって次の世代へと奇跡的に紡がれた細い糸を、確実な太い糸にして技術継承してもらうためにも、息子さんには様々な土地の、様々な刃物に触れてもらいたいと思います。(昔からの道具は、各地で土壌、風土、使い手に合わせて一つと同じものがありません)

 そこで、この記事を見て頂いているみなさん、或いはお知り合いの方で、大切にしている刃物や眠っている刃物で欠けたり、サビたり、柄が壊れたりして、使えなくなっているものがあれば、この鍛冶屋さんのところで砥ぎ直してみませんか?どんな刃物でも(ハサミでも!)、どんなサイズでも、どんなオーダーでもこの人は治してくれます。その仕事に取り組む職人の姿をなるべく数多く後継者の息子さんに間近で見て触れて学んでもらえたらいいなぁと思っています。

 

鍛冶工場

 

 ちなみに、師匠の趣味の一つは、土佐寒蘭の栽培で、一つとない姿が良いらしいです。日々非常に集中してモノ作りを行って神経をすり減らしている部分を。寒蘭のミドリが癒してくれているのかもしれないなぁ。

 

 土佐寒蘭

 

黒鳥鍛造工場 くろとりたんぞうこうじよう

住所 〒786-0043

高知県高岡郡四万十町本堂430

電話番号 0880-24-0291

(機械音がうるさいのでちょっと話辛かったり、土佐弁で声が理解しづらいかもしれませんが、ご容赦下さい)

 

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