【移住を考えていている方へ】山での暮らし(移住費用・生活費編)

 

皆さん、こんにちは。佐賀市三瀬村地域おこし協力隊の門脇 享平(かどわき きょうへい)です。

詳細な自己紹介はこちら。地域の直売所運営をやりながら、地域活性のお手伝いをしています。

 

 第1回目の【山での暮らし(普段の生活リズム編)】に続き、今回は田舎暮らしをはじめるまでにかかった初期投資や生活費について書いてみようかと思います。

 ちなみに1回目の記事はこちら → https://inaka-pipe.net/20150601/

 

あくまで私の経験によるものですので、必ずしも移住に際して同程度の金額がかかるとは限りません。削れるところもあれば、却って必要になるところも出てくるでしょうから、その点はご注意くださいませ。前提として、引っ越すまでは1人暮らしをしていた点と、引っ越した後は結婚し、妻と2人で暮らしているので、それに応じた費用となっています。

 

 

○移住先を見つけるまで

 

私は昨年の9月に地域おこし協力隊として、千葉県市川市から佐賀県佐賀市三瀬村に移住することを決めました。行ったことのない土地に移住するわけですから、最低でも1回、行ってから家を探したりする場合には少なくとも3回程度は現地に行く必要があると思います。

 

 佐賀県三瀬村 農家民宿

(田舎のことを知るために面接時は農家民宿に宿泊し、地域の方と交流しました!)

 

私の場合、行政が家を手配してくださったので、協力隊の面接の際に1回三瀬村に行くだけで済みました。(飛行機代2万円、宿泊費5千円)

 

移住が決まると、家を引き払う必要があるので、住んでいる家の退去手続きをする必要がありました。契約期間外での退去に違約金がかかる賃貸契約だったため、退去する際に廃品処理のほか違約金もかかってしまいました。(廃品処理1万円、違約金6万円)

 

いざ移住するとなると家具・衣類などを輸送する必要が出てきます。一人暮らしでそこまで荷物の多くなかった私は全国各地を見て回りたいということもあり、単身パックに入る分の荷物を宅急便で送り、残りは車に乗せて4泊5日かけて千葉→佐賀を横断しました。(配送4万円、宿泊・燃料・高速など併せて10万円くらい)

 

出雲大社

 

(ご存知かと思いますが、中国・四国地方は地域おこしが盛んだと言われています。あくまで比較ですが、中国地方は行政主導、四国地方は民間主導の動きが多いと聞きました。そういった所の活動を見てみると、自分のスキルが生かせるかもチェックできるかもです。)

 

移住先選定~引越しまでの合計金額:約23万円

 

 

○移住してから

 

 さて、晴れて佐賀市三瀬村に移住することが出来ました。しかし、田舎に移住をするということは、今までと生活様式が大いに変わってしまうことを意味します。

 まず、一番大きな出費は「車」でしょう。都会に住んでいる際は1台も必要なかった車ですが、山奥に住む場合、一家に1台どころではなく、一人1台必要となります。私の場合、東京にいるときに10万円で普通車を仕入れ、引っ越した後に地元の車やさんが軽自動車を10万円で探してくれました。(2台で20万円)

 運よく快適な車を格安で手に入れることが出来ましたが、一般的には1台あたり30万円くらいは覚悟しておいたほうが良いのではないでしょうか。

 

 田舎暮らしといえば「畑仕事」ではないでしょうか。耕運機といった機械類は地域の方ときちんと仲良くしておけば貸してくれることが多いです。ただ、「鍬(くわ)」や「鎌」、「軍手」、「長靴」、「作業着」、「帽子」といった身に着けるものは自分で手に入れたほうがいいと思われます。(全部併せて1万円くらい)

 

 佐賀県三瀬村 畑仕事 道具

(ご近所さんに借りた鍬。越中鍬といって短めの鍬なので、普通の金属部分が長い鍬を買う予定です。)

 

 また、私は地域になじんでいくために月に1回、自宅で飲み会を開催しています。当然1人暮らし分の食器類しかなかったため、大人数の食事・飲みに対応できるように大量に買い足しました。ご近所さんに頼むと譲って頂ける場合が多いのですが、やはり統一感を出したかったので、購入しました。(1万円くらい)

  田舎では都会と違って、居酒屋に飲みに行くよりも誰かの家で飲み会を開くことのほうが多くなると思います。自宅にみなさんを招くことは抵抗もありますが、ご近所さんとの距離を近づける一つの方法になるはずです。

 後は、まだ購入できていないのですが、恐らく必要となってくるのが「草刈り機」自宅周辺の草刈りはもちろんのこと、区役(自治会での共同作業)でも使用するのであった方がいいと思います。(1万円~2万円)

 

移住~生活開始・生活中までの合計金額:約23万円

 

 

○現在の生活費(ランニングコスト)

 

田舎暮らしに興味のある方にとっては、もうわかっているよ!という内容かもしれませんが、都会で生きていくのと、田舎で生きていくのでは、お金のかかる費目が結構変わります。私の場合の生活費も金額の多い順から記載しようと思います。前提として、現在は妻と二人暮らしをしています。

 

●車リース料:2万5千円(普通車の維持管理費がばかにならなかったので、軽自動車2台に乗り換えました。1台は移住の際に格安で譲ってもらったもので、1台は今年の4月に新たにリースで契約しました。)

 

●奨学金返済:3万5千円(都会にいるときは割りと気にならずに返済していたのですが、田舎暮らしを始めると収支ともに下がることが多いので、返済金のシェアが高まります。)

 

●ガソリン代:1万5千円(自宅と職場の距離は15km。2台合計で1,200km/月くらい走行します。)

 

●自動車保険:1万1千円

 

●食費:2万円(幸いなことに、田舎ではお米や野菜を譲って頂くことが多く食費は少なくなることが多いです。)

 

●ネット代:1万円(モバイル通信Wimaxとケーブルテレビからつなぐインターネット)

 

●生命保険:1万2千円

 

●携帯電話代:1万円(二人とも通話し放題に加入。田舎はメールの使用量がほぼゼロに近くなる一方、電話の使用頻度が異常に増えます。また山奥なので3キャリアのかけ放題が安心です。)

 

●消耗品費:1万円(雑貨やその他もろもろ)

 

●酒代:6千円(三瀬村では飲み方がある場合、1升瓶を会費代わりに1本携えることが通例です。)

 

●電気料金:4千円

 

●ガス料金:4千円(山奥で雪が積もるくらい寒いので冬季は灯油代が月に1万円弱かかります)

 

●ケーブルテレビ利用料:2千円

 

●自治会費:1千円

 

●家賃:0円(行政の方の調整で、家賃は協力隊の活動費から捻出して頂いています。一般的には2万~3万円程度でしょうか。)

 

●水道代:0円(三瀬村の場合、全世帯が井戸水で賄われています。市営住宅の場合、維持管理費もかかりません。)

 

と、いうわけで現在の私たち夫婦2人の生活費は約14万円ということになります。あくまで最低限の生活費なので、その他入用なものを加えるとこれ以上の生活費がかかっていることになります。もちろん、服飾費や交際費等も変動しやすい項目なので除いています。

 

 

○田舎暮らしの際のお金に関わるまとめ

 

 振り返ってみると、だいぶ格安で一足飛びに移住できたにもかかわらず、初期投資で50万円近くかかりました。また、私たちの生活費を見て、意外とお金かかるなと思う方もいれば、そうでない方もいると思います。

 私の感想としては、確かに交際費や家賃、食費などは都会にいるときよりも確実に減ったと感じますが、それ相応に収入も減ってしまっているので、現在の暮らしは以前のそれより窮屈になったと思います。(あくまでお金の観点から見た時の感想です。)

 しかし、移住以前よりは時間に余裕が出てきたこともあり、今後副業を考えたり、畑を作ったり、林業の作業を覚えたりすることによって、時間的にも金銭的にも以前より余裕ある暮らしができるのではないかと考えています。

 

 皆さんに知ってもらいたかったのは、主に「初期費用」の部分です。移住に関わる制度やサービスが充実してきたとはいえ、田舎に引っ越すというのは割とお金がかかる、ということを踏まえたうえで、ぜひ移住を考えていただければなと思います。

 ブログやフェイスブックでは田舎暮らしの様子だけでなく、イベントのレポート(苦労話や反省を含む)や地域おこしのノウハウ(研修での学び)などもアップしています。よろしければそちらもご覧くださいませ。最後までご覧頂きありがとうございます。

 

おまけ

佐賀県 三瀬村 棚田

(我が家から車で数分行ったところからの眺めです。)

佐賀市三瀬村地域おこし協力隊 門脇 享平(かどわき きょうへい)

ブログ:http://chikioksohi-mt.hatenablog.com/

フェイスブック:https://www.facebook.com/mitsusezibasan

 

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