岩手の移住生活体験ツアー実施中!

2016/01/20

 

 新春の岩手よりこんにちは。暖冬と言われていた今冬でしたが、1月中旬をすぎて岩手のお天気は大荒れ。釜石では1日のうちに、雪と雨と雷、強風がいりまじってすさまじいことになりました。

 さて、わたしたち「岩手移住計画」は、岩手県の「いわて定住交流体験ツアー」を受託し、ツアー実施の真っ最中です。同種のツアーは全国の自治体が取り組んでいるので、移住を検討中の方の中には参加してみた方もいるかもしれないですね。

 岩手県の場合、

●2泊3日のツアーを2015年10月~2016年2月までに4回

●定員は各回15人

●地域バランスを考えて

等々の仕様は決められた上でプロポーザルが行われました。「岩手県北観光」率いるわたしたちのチーム、別のもう1チームの計2案の応募があり、わたしたちが選ばれて実施することになりました。

 

岩手移住体験ツアー

 

 

ツアー運営チーム発足!

 

 「県北バスチーム」は、「岩手県北バス株式会社」と、岩手へのUIターン者の定住のサポートに取り組んでいるわたしたち「岩手移住計画」、東京を拠点に岩手とのつながりを深めようという活動をしている「岩手×東京会議」、復興ツーリズムに取り組む「パソナ東北創生」の4者です。

 「岩手移住計画」と「岩手×東京会議」はこれまでもいっしょにイベント運営などをしてきて、「岩手×東京会議」の細江絵梨さんとわたしとで「岩手の暮らしを体験できるツアーをやりたいねー」という妄想を繰りひろげていました。そんなおりに、岩手県から「いわて定住交流体験ツアー」のプロポーザルが出ることになったため、渡りに船!ということで、応募にむけて、知恵を絞りました。

 

 ツアーに関しては素人である私たちがこの事業を実施するにはどうしたらいいのか……。そこで、おもいついたのが、わたしの職場である釜石地方森林組合の事業(首都圏の企業の林業体験の受入れ)をつうじてお世話になっている岩手県北バスさんでした。県北バスは、東京から岩手県沿岸の津波被災地へのボランティアツアーを多数運行した実績がありますし、当然のことながら、たくさんのバスを保有している観光ツアーのプロでもあります。

 同社の宮城和朋さんにご相談したところ、予想外にあっさり、社内で話をしてくれることになり、社内で検討の結果、いっしょにプロポーザルに出してくれることになりました。宮城さん自身、沿岸の宮古市の出身で、震災後に「もっと岩手に人を呼びこみ、岩手を元気にしたい」との思いで旅行業に転身した方なので、私たちの思いに共感してくれたのだとおもいます。そこに、釜石での復興ツーリズムを通じて、わたしと宮城さんと面識のあったパソナ東北創生も加わることになりました。

 

 

移住施策も必要だけれど……

 

 わたしたちが、このツアーでやりたかったのは、岩手への移住を検討している人たちに、「すてきな移住者に出会ってもらいたい!」 ということでした。というのも、わたしたちがかかわっている岩手LOVEな人たちのなかにも実際に岩手に移住(地域おこし協力隊なども含む)した人もいるのですが、彼らの背中を押したのは、交流する中で築いた岩手の人たちとのつながりや岩手で出会った人たちの生き方への共感だったように思うからです。もちろん、住宅の補助など自治体の移住促進施策も大事ではありますが。

 移住者とツアー参加者との出会う機会を多くするため、ツアーで訪問する各地で、UIターン者を中心にした「現地コーディネーター」をお願いし、参加者と彼らが交流する時間を充実させるようにしました。

 この写真は、第1回の「県央ツアー」の盛岡での交流会の様子。町家を会場に、コーディネーターや地元からのゲストや市の移住施策担当職員と参加者とがお酒を飲みながら、盛岡のまちや暮らしについて話をしました。

 

ツアー宴会

 

 

移住女子まゆみさんのお話に感激

 

 すでに県央(盛岡―紫波―遠野)ツアーと沿岸(釜石―大船渡―陸前高田)ツアーは実施済みで、それぞれおふたりずつの現地コーディネーターのもとを訪問しました。

 遠野市で夫と長男と暮らす伊勢崎まゆみさんは、知人に会うために訪れた遠野で、同市出身の夫・克彦さんと知り合い、結婚を機に移住しました。現在は「風土農園」という名前で、ご夫婦で有機農園を営んでいるほか、克彦さんは馬の力を利用した馬搬による林業も行っています。代官山でアパレルの世界に身を置いていたまゆみさんは、初めて遠野を訪れた時の印象や克彦さんとの出会い、遠野の暮らしの魅力と現実について、飾らない言葉で語ってくれる方です。代々続く農家の長男に嫁いだ女性ならではの戸惑いや、どうやって集落のおばあちゃんたちにかわいがられるようになったのか、といった実体験にもとづく生活感あふれた経験談も参加者の興味や共感を呼んだ様子でした。

 

移住女子まゆみさん

 

伊勢崎さんご夫妻には、ツアー参加者との交流会に参加していただいたほか、ゲストハウスとしてよみがえらせるために改修を進めている古い民家や集落を案内してもらいました。また、伊勢崎さんを信頼してIターンを決意した菊池さんご夫妻とお話する時間も持てたため、Uターンだけでなく、Iターンの経験談を聞けたことも有意義でした。

 

 ツアー集合写真

 

 

ツアーの課題、移住の課題

 

 狙い通り、というべきか、ツアー実施後の参加者へのアンケートでも、現地コーディネーターやその他地元の方々との交流が印象に残った、またはこういう人たちと暮らしたい、といった声が多く寄せられました。一方で、「人」に焦点を絞りすぎたことによるツアーの課題や、岩手県内の自治体の移住促進の取り組みの課題も見えてきました。

 今回のツアーでは、毎晩実施した移住者との交流会とセットで、自治体職員の方からの説明会を実施したのですが、全国の移住促進の取り組みを調べている参加者のなかには、岩手県内の自治体はあまり移住促進に力を入れていないようにとらえた方もいたようでした。実際問題、東日本大震災で大きな被害を受けた地域では、被災からまもなく5年がたつ現在も、被災した住民の生活再建が最大の課題で、外からの移住者を受け入れるための施策を進める人的、予算的余裕がないのが現実です。一方、内陸の自治体の中では、2014年ごろからの地方創生や地方移住の盛り上がりの前から、空き家バンクの制度づくりなどに力を入れてきた自治体もあれば、地方創生の流れの中でにわかに取り組みを始めた自治体もあります。

 さらに、「人」に焦点を当てることにこだわったあまり、生活を成り立たせる「職」=仕事の情報提供が不十分になってしまったという反省もあります。ツアーはまだ2本あるので、こういった点を改善しながら進めていきたいとおもいます。

 

 

最後に……ツアーのPR!

 

 つらつらと書いてきましたが、どんなツアーなのか興味を持っていただけたでしょうか。じつは、最後のツアーは現在、参加者を募集中です。岩手県の内陸南部に位置する西和賀町や花巻市、奥州市を訪ねる2月5~7日(2泊3日)。募集は1月22日までです。。内陸南部は、首都圏からのアクセスもよく、Uターンの若い世代が活躍している地域でもあります。興味のある方は

Facebookページ https://www.facebook.com/iwatetour/

サイト http://www.iwatextokyo.net/#!tour001/t4ll8

をご覧くださいね。

 すでに定員には達していますが、先着順ではなく、応募時に書いていただく「参加動機」で参加者を決定させていただきますので、「われこそは!」という意欲ある方のお申し込みをお待ちしています。

 

 

 

 

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