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大阪/土佐町の二拠点生活でわかったこと

2016/02/12


 

私の現在の暮らし

 

 土佐町に移住して1年が経過しました。今年で二回目の冬を迎えています。この移住でまともに一人暮らしをするのは初めてという私でしたが、それにも慣れ、また一番困った“田舎は虫多い”問題にも耐性がついてきました。

 この1年は本当にあっという間でした。生活は安定したけれど(初期の頃から安定感というか地域に守られている感はありましたが)、感覚的にはまだ移住したてな感じ。知り合いや友人も増えたけれども、地域に関してまだまだ私の知らない部分が多々あると感じています。

 

稲刈り

 農家さんの田んぼで稲刈りをさせて頂きました!

 

苗

春には地域の方と一緒に稲の苗の準備もしました!

 

 

プレ二拠点(都市→田舎)からガチ二拠点(田舎→都市)へ

 

 移住する前の8か月間、今と同じ仕事を出張ベースでしていました。大阪-土佐町を毎月行き来し、月の半分は大阪、月の半分は土佐町、という暮らしでした。大阪では実家に住まい、土佐町ではインターンシップ生と同じ施設に寝泊まりする合宿生活。本当に忙しかったけれど、新しく関わる地域&新しい生活スタイルが楽しかったし、仕事をたくさんの人と出会ったしで、ハイな状態で日々は過ぎていきました。

 

合宿生活

合宿生活を始めた頃。全部いい思い出!

 

 でもある時から「土佐町に家があったらラクかも」と思うようになり、上司に話してみたら、現地常駐スタッフとして移住することがあっという間に決まりました。

 現在の生活拠点は土佐町ですが、仕事や個人の所用で2~3か月に一回は数日間大阪に帰る機会があります。

 

 

プレ二拠点で得た気づき

 

 二拠点居住は田舎暮らしを検討中の人のファーストステップとして試してみるといいですよね。

 「週末田舎暮らし」などをしてみて初めて、その土地の風土を知っていき、徐々に自分にあう場所なのかどうかの判断がつくのだと思います。私の場合、大阪―土佐町の行き来の中で案外早い段階で“結論”が出ましたが。

 

自分がどこにいると心地がいいのか

何が欲しくて何が不要なのか

自分を包んでいる/包んでいた空気感の違い

新しい環境の中での自分の中の芽吹き

 

全部ひっくるめると、結局は

 

=身体が何を求めているか・身体が喜ぶ場所はどこか

 

だと思います。

 

 平石集落

土佐町 平石集落

 

 移住の理由として私がよく挙げているのは①気持ちのいい付き合いができる知り合いや仲間がいること②水や食の美味しさ③自然の豊かさ などですが、それらは細かなトピックに過ぎず、何よりも土佐町に帰って来たらホッとします。空気の静寂さ、大気の音、安全感、受け入れられている感覚…。それらの中にいて、自分の身体がゆったりとリラックスする感覚。そういう感じで、田舎暮らしの場所を決めるにあたり、まずは気候や立地や仕事や助成制度などの条件の情報収集をされるでしょうが、やはり最終的には身体の感覚が決めると思います。

 ちなみにこれは、自分がこれまで経験してきた他地域では感じたことはなかったので、長くいればどこでも生まれる感覚、というわけでもなさそうです。

 

 田舎の味覚

味覚も大事^^

 

 

二拠点生活の利点欠点

 

 そして今、不定期的に土佐町―大阪間を行き来していて、この生活スタイルの利点欠点が見えてきました。

 

【いいところ】

●都市と田舎、どちらにも新たな発見がある

●都市=悪、田舎=良 というものではない

●単純にリフレッシュになる

●情報に振り回されないかつ適度に情報が得られる

●自分の変化がわかる

 

【わるいところ】

●体力的にキツイ(経済的にも)

●都市と田舎、どちらに対しても客観的というか俯瞰しているような気持になることがある

 

 土佐町に籍を置いてからも、大阪に時々帰れる機会が作れることは、旅行や出張など場所の移動が好きな私にとって喜ばしいことでしたが、移住してから少し価値観が変わったようです。それは、「二拠点居住は仮の生活。ずっと続くものではないかも」ということ。おそらく土佐町の人々の暮らしを見てきた結果、新たに芽生えた感覚です。

 人間はどこへでも移動できる生物でありながら、実は草木と一緒で、一か所に落ち着いて生活することを求めているのかも知れない…と時折感じます。

 

 インターンシップ

インターンシップで先輩移住者の方と農作業

 

 地域の人はずっとそこに根付いて生活している。そこで子孫を増やしていく。そして、地域を想い、地域から視点を広げ国や世界を想う、次の世代を想う。

 少し前までは私は生まれた場所から離れて、遠くまで行ったりいろんな場所で生活できることを素晴らしいことだと思っていました。今もそう思います。でも、生まれた場所で暮らし、そこで年を取り、同じ家に住み続ける幸せには到底適わないのでは、とも思うようになりました。

 時々、土佐町にやってくるインターン生で、土佐町のことをいたく気に入りつつも、「地元で頑張ろうと改めて思った」という感想を述べていく人がいるけれど、その気持ちがよくわかります。

 

自分はこの先、どこに根を張ろうか?

 

 この先もいろんな地域を転々とする可能性はあります(※突然起こった震災で東北に行くことになったという経験をしたからこそそう思っている)。

 他方では「できれば長く土佐町に住み続けたい」とも思っています。そういう揺れがあってもいいと思っているけれど、最近改めて自分の生活拠点について自問するようになりました。

 

 早明浦ダム

土佐町 早明浦ダム

 

 

結論

 

 とりあえず、二拠点生活はオススメです。この生活スタイルから見えてくるものがたくさんあると思います。

 二拠点を通して最終的に一か所に居場所を定めたり、軸足を二か所に定めることに生活が安定するのであればとてもいいことだし、または私のように暮らし方について改めて考えさせられることがあったりと、自分の居場所について自問する機会があるのであれば、それはその人の人生にとってとても大切な問いなのだと思います。

 ただし、「週末田舎暮らし」「お試し移住」などの生活は迎え入れて下さっている地域の厚意があってこそ成り立つ生活です。それに対して感謝を返すことを忘れないようにはしたいものです。自戒の念も込めて。

 

サツマイモ畑

サツマイモ畑にて

 

 

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