手前味噌って、素晴らしいと思います!

2017/02/20

 

 「自分で自分のことを誇ること、自慢すること」

 

 辞書を引くと、そういう意味を書いてある言葉は何かといえば「手前味噌」です。もともと、味噌は各人で作り、その美味しさを謙遜しながらも自慢しあったことから、生まれたそうです。

 手前味噌、という言葉が生まれてしまうくらい、といえば想像してもらえるような気がしますが、やっぱり味噌というものは、家で作るものが一番おいしい、というのは、味噌を作ったことがある人なら全員一度は言ったことがある、聞いたことがある、ように思います。

 僕もそう思います。名古屋生まれの私にとって、味噌はなくてはならないもので、ここ最近、自分で味噌を作っています。そして、この冬の時期こそ、味噌の仕込みに最適なのです。

 てことで、今回は味噌の物語を。まずは味噌がどうやって作られるか、を簡単に。

 

自分で育てた

 

 味噌に限らず、畑や田んぼで育てた野菜や米がおいしいと感じるのは、自分で育てたから、ということはあると思います。僕が作る味噌でも、畑を借りて大豆を育てるところから始まります。

 いろんな豆が世の中にはあって、黒豆で作る味噌がうまいとか、いろんなことが言われていますが、要はうまけりゃなんでもいいじゃん、というのが僕の意見でもあります。

 この豆を、種としてまくのが6月頃。じゃあその豆を味噌にするために。まずは、その豆を水に一晩漬けます。そうすると、倍くらいには膨らみますね。

 

水に一晩漬けます

 

 以前、水に漬け忘れて味噌づくりの日を迎え、まあ漬けなくても長く煮れば良いだろう、なんて味噌を作ったら、痛い目にあったので、漬けることは大事だと確信しています。

 小菅村の場合、ダムの上に村があるからこそ、このときに自然水で漬けると、その自然の恵みを思い切り吸って、おいしくなっている気がします。

 

薪で炊くのがポイント

 

 お次は、煮ていきます。見ての通り、薪で炊くのがポイントで、これもまた、ある年は、いい薪が手に入らず、ガスでやったら結果的に失敗でした。ガス代がめちゃくちゃかかるうえ、火の通りが思うより悪く、味も悪い。やはり自然の火を使う方が良いのだなと、あのときも確信しました。

 この時点で豆を食べると甘みを感じられます。

 

煮ただけで食べる

 

 というのも、大豆って、煮ただけで食べることはあんまりないと思うので、大豆の本来の甘味ってどんなもんなんだろうと思うと、この煮ただけの段階で食べてみると、それがわかる気がします。そして面白いことに、豆によって、その味や甘みが違うことがわかります。

 そしてまた、イベントで味噌づくりをやるときには、この段階で食べてもらうことは絶対やっています。この段階で食べたことないですよね~ということと、これがやがて味噌になるんですよっていう想像してもらうためです。

 さあ、そうすると次は大豆のクラッシュです。真ん中にあるミンチ機に、煮た豆を入れて、クルクル回すと、ひき肉のような状態で大豆がすりつぶされて出てきます。

 

ミンチ機

 

 着ているものから判断してもらうに、すさまじく寒い日にやることが多いのが小菅の味噌づくりです。でもその寒さが重要なんですね。

 

大豆、麹、塩

 

 味噌が何でできているか。大豆、麹、塩。

 大豆はミンチにできたなら、その一方で、麹と塩を混ぜておきます。そして、混ざったところに、ミンチ上の大豆を投入して、ひたすら混ぜていきます。

 

コネコネ作業

 

 この作業は、柔らかい触感とコネコネ作業が、子どもにも人気で、やりたがるんですね。子どもと一緒にできるというのも、味噌づくりの面白さの一つなのかもしれません。

 

 さあ、そうすれば、樽に寝かせて、味噌の完成。この仕込んだ味噌が出来上がるのは、11月頃です。6月に種として豆をまき、11月にその豆を収穫し、年明け1月か2月に味噌の仕込みをして、食べられるのは11月。種まきから数えると実に1年半くらいですね。

 毎年この時期に、一年分を仕込んで、また11月に新味噌ができて1年食べる、この繰り返しです。小菅の味噌と、名古屋出身の僕が好む味噌の違いは麹です。

 今回示した、麹と塩を混ぜる写真のものは米麹です。小菅の味噌は基本的には米麹+(麦麹)。一方で、僕が最近作っているのは、米麹+豆麹。

 原材料として大豆を使っておきながら、麹でもさらに大豆を使う。おいおい、どんだけ豆が好きやねん、という感じですが、名古屋生まれの僕には、味噌といえば赤味噌がやっぱり落ち着くわけです。これが赤味噌の作り方です。

 

 手前味噌って言葉は、味噌を作ったことがある人ならだれでも言うと思う、と最初に言ったのにはわけがあって、AさんとBさんが、同じ豆で、同じ釜で煮て、同じ麹を使ってこねて、ABそれぞれの家で保管していると、出来上がると違う味の味噌が出来上がるんです。料理なら、同じ材料で作れば同じ味になっていきそうだけど、味噌はそうじゃない。

 それには材料に加えて、菌のチカラが大きいのだとは思いますが、それって目に見えないからこそ、おもしろいですね。その人の持つ、その家の持つ菌によって醸成され、そうやって違う味に出来上がれば、そりゃあ、自分の味噌が一番うまい!ってなるような気がします。

 味噌って、おもしろいな、って毎年思うこの季節です。

 

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