柳川暮らしが楽しすぎて困ります ~日替わりカフェの巻~

2017/05/25

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執筆者 阿部昭彦
所 属NPO KATARO PROJECT

 福岡県の最南部、佐賀県と熊本県に挟まれ、有明海に面した柳川市からこんにちは。地域おこし人アベアキヒコです。元・柳川市地域おこし協力隊、最近では「NPO団体KATARO PROJECT」の代表(と言ってもメンバーは私一人)としても活動しています。

 

日替わりカフェ

 

 2015年12月26日に柳川市京町の空き店舗をリノベーションしたコラボレーションスペース「KATARO base 32」が誕生しました。KATARO base 32誕生の経緯はこちらの記事をご覧ください。

 

KATARO base 32

 

 それから1年、KATARO base 32ではたくさんの出会いがあり、そこに化学反応が起きて、柳川のまちに新しい魅力が生まれています。以前、投稿した「KATARO PROJECT第2弾Le rond point」も、KATARO base 32での出会いがきっかけとなって、実店舗という形で実を結びました。(詳しくはこちら
 また、毎月第4土曜日には「柳川マチアソビ会議」を開催。自分のやりたいことを具体的にアクションすることにこだわった仲間の輪が広がっています。(こちらも別記事で紹介予定です)

 

取り組みの1つ

 

 今日は、こうしたKATARO base 32での取り組みの1つ「日替わりカフェ」についてご報告しましょう。
 日替わりカフェとは、文字通りに毎日店主さんが交替するカフェのことです。KATARO base 32では、平日は毎週決まった曜日ごとに趣味やスキルを生かしたカフェをオープン。固定的に来店してくれるファンを増やしたり、メニューのブラッシュアップをするなどして、実際に開業するまでの下地づくりをしてもらいます。
 一種のチャレンジショップのようなものだと考えていただければイメージしやすいのではないでしょうか。もともとこのKATARO base 32は起業支援(インキュベーション)の役割を持つ場所として開設されました。

 

始まったのは昨年7月

 

 日替わりカフェが始まったのは昨年7月。最初は週に3日しか利用がありませんでしたが、10月からは月曜から金曜まで毎日利用されるようになりました。
 その後、日替わりカフェを卒業される方が何人かいましたが、空いた曜日にはすぐに次の利用者が入り、これまで100%の稼働率となっています。

 

100%の稼働率

 

 KATARO base 32が立地している柳川商店街は、地方の商店街に典型的な疲弊した商店街です。商店街の一角にあったスーパーマーケットが撤退した後は生鮮食品を扱う店舗がほとんどなく、地元の方は車に乗って大型店舗まで野菜を買いに行くようになりました。
 現在、一生懸命にがんばってシャッターを開けているお店も、お子さんの代の人たちは都会へ流出して、自分の代でこの店は閉めるというところが少なくありません。

 

店舗の奥が住居

 

 また、店舗の奥が住居となっているため、商売を辞めた後もそこに住み続けることが多く、店舗部分だけを他人に貸し出すことが難しいという問題もあります。いわゆるシャッター商店街になっている柳川商店街。

 でも、そんな商店街が私は好きなんです! だって、そこには素敵な人がたくさんいるから。

 

人を呼び戻したい

 

 なんとかしてこの場所に人を呼び戻したい。これが協力隊として私が商店街に関わるようになった根っこの思いです。でも、それは簡単ではない。いったいどうすればいいんだろう?
 いろいろな事例を研究したり、たくさんの人の話を聞いたりしました。その結果にたどりついたのが「ここに来なければいけない理由をつくる」というもの。とても単純ですが、これが一番大事なんだなと。

 

ここに来なければいけない理由

 

 ここに来なければいけない理由でもっとも分かりやすいのは、そこに行かなければ手に入れられないものがあるということですが、その典型的な例が「食」です。
 美味しい店には自然と人が集まります。車でしか行けない不便な立地でも、美味しい店の駐車場はいつも満杯です。特に女性は、美味しいという評判を聞けば、多少遠くても出かけます。
 この流れを呼び込むために、毎日違うランチが食べられる日替わりカフェという仕組みを思いつきました。

 

「人」というキーワード

 

 次に挙げられるのが「人」というキーワード。
 これだけネット社会が発展した中では、物販では実店舗を構える必要がないネットショップにかなう店はないでしょう。値段や品揃えで店を選ぶ人は、今よりも安い店、品揃えの豊富な店があればそちらに移ります。
 では、物販で固定客をしっかりとつかむにはどうすればよいか。答えは人です。買い物の目的が「モノ」ではなく「人」であること、つまり何を買うかではなく、誰から買うかを大切にするということです。

 

まちゼミ

 

 これを進めるために、いま柳川商店街で取り組んでいるのが「まちゼミ」。愛知県岡崎市で始まった取り組みで、店主が講師となってプロの技やコツを無料でお客さんに教えます。
 まちゼミをきっかけにこれまで入ったことのない店に行く人が増え、その何割かが固定客として定着して行く。なぜ固定客になるのか、それは店主のファンになったからです。
 KATARO base 32は、このまちゼミ会場としても積極的に利用されています。

 

柳川商店街

 

 柳川商店街に「食」と「人」という新しい魅力を創り出すための日替わりカフェですが、その「食」と「人」に惹かれて人がここに集まり、最近では新しいコミュニティがたくさん自然発生しています。意図的に組まれたコミュニティではなく、自然に生まれたコミュニティ。これはとてもすごいことです。
 そしてそのコミュニティからまた新しい魅力が発信されて、柳川のまちに活気の芽がいくつも生まれています。まだまだ商店街の再生というには遠いですが、確実に歩みが前に進んでいる実感があります。

 ぜひみなさんも、私たちKATARO base 32の仲間になって一緒に面白いことをしませんか?

 

地域おこし人アベアキヒコ
http://abeakihiko.strikingly.com/
KATARO PROJECT webサイト
http://kataroproject.jp/
KATARO base 32 facebookページ
https://www.facebook.com/katarobase32/
柳川市地域おこし協力隊facebookページ
https://www.facebook.com/yanagawachiikiokoshi/

 

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