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ちょっと変わった田舎のおしごと

2017/07/20

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執筆者: 南紀恵


「田舎には仕事がない」

というのは、全国の田舎事情としてよく耳にする言葉ですが、そう一概に言えないと私は思っています。
 確かに田舎は都会に比べて選択の幅は少ない。田舎ではネットで求人を検索して何百件何千件もヒットするなんてことはありません。
 しかし、若手が少ない田舎では、局所的に人手が欲しい、どうしても労働力が足りないという場面が多々あり、働き手への切望度はとても高いのです。私自身も

「働きにこんかえ?」

と実際に声を掛けられたことが何度もあります。
 そのすべてをお受けしたわけではありませんが、今回はこれまで私が聞いたり実際にやってみた田舎のお仕事(単発、短期)について少しだけご紹介します。

 

1.季節の農業バイト

 
 以前記事ではゆずの収穫バイトについて書かせて頂きました。田舎(農業が盛んな地域)では季節限定のアルバイトがたくさんあります。

 高知県れいほく地域に関して言うと、ゆず(10月末~11月)、生姜(同)が多い。変わりダネだとゼンマイの収穫に誘われたこともあります(4月頃)。また、お隣の愛媛県では、みかんの収穫や集荷場での袋詰めバイトなんかもたくさんあるみたいですね。
 農家さんにとって、その時期だけ手が空いている人を確保するというのはなかなか難しく、また収穫期はいくら手があっても足りないくらい作業に追われるため、困っている農家さんは多いようです。一度お手伝いに行くと、また手伝いに来ないかと何度もお声が掛かります。

 

袋詰めバイト

 

 作業内容としては、ただひたすら収穫したり、袋詰めしたりと単純作業ではありますが、とにかく量をこなすことを要されるので、スピード・手間・体力がそれなりに必要。まるでスポーツです。
 あとゼンマイは、ものすごーくわかりにくいですが「地面で踏んでもいいところ・踏んではいけないところ」が実はあったり、生姜は「とにかく速く作業をこなすこと(注:生姜は20人くらいで一斉に掘っていきます。団体競技ですね)」が必要とされたりと、ちょっと難易度の高いお仕事もあります。

 でも、こうした作業を通して地域の人と仲良くなれるし、頑張りを認めてもらえるので、簡単なものからぜひ一度やってみるといいかと思います。田舎の醍醐味です。

 

生姜

 

【収入額例】
・ゆず 朝8時~16時 日当7000円
・生姜 時給1000円
・ゼンマイ 時給1000円

だいたいは個人農家さんでのお手伝いなので、農家さんによってかなり額は異なります。豪華なお昼ご飯が出たり、野菜を頂いたりも。

 

2.林業(間伐)のお手伝い

 
 高知県は林業も盛んな地域のため、林業のお仕事もあります。

 

林業のお仕事

 

 林業は危険な仕事のため、人を受け入れる林家さんや事業団体は限られています。ただ、人材育成に力を入れる事業体があったりそれに対する補助金もあったりするので、れいほく地域では日雇いでお手伝いを募る団体がいくつかありました。
 木の伐り旬は10月~3月なので、春~秋は農業をして冬は林業、という仕事の組み合わせも可能です。ある林家さんは山の間伐作業の合間にサカキの栽培をしており、そのお手伝い要員を募っていました。
 基本的に林業は、事前にチェンソーなどの資格をとっていないと仕事はできませんが、資格取得後にチェンソーの練習も兼ねて熟練者の元でアルバイトをするというのは良い訓練方法だと思います。

 

【収入額例】
時給700円~1000円とまちまち。

補助金で人件費が補填される団体の場合は比較的高い。

 

3.イベントの裏方お手伝い

 
 これは実際にお受けしたお仕事です。最近土佐町では、シニア世代の移住受け入れに関するセミナーが行政主催のもと行われました。その際の司会進行をやってみないか?と主催の関係者の方からお声掛け頂き、珍しい仕事だし時間があるしやってみようと、お受けすることにしました。
 40~50人ほどを前に主催者に用意してもらった台本通りに進行するという、意外にラクなお仕事でした。
 司会進行以外にも音響や設置、セミナー登壇者など、そのイベントには様々な人が関わっていましたが、その日のお手伝い要員として集められたようです。

 あらかじめ日当も聞かずにおもしろ半分でやってみたお仕事ですが、終わってから給料袋を受け取ってみてびっくり。日雇いのお仕事としてはかなり割のいい額が入ってました(いくらかは内緒!)。
 このイベントは急遽開催が決まったらしく、年度末だったこともあり日当額が大きかったのだと思います。とてもラッキーでした。

 こういったスポット的なお仕事は、手伝い要員を見つけようにも仕事の手が空いている人はなかなかいないし、急に募集することもあるので、運とタイミング次第だと思います。

 

4.プールの監視員

 
 夏休みには地域の子ども達のために学校のプールが開放されていました。れいほく地域には廃校になった学校がたくさんありますが、土佐町では計4校、夏休みにはプールが活用されていました。
 その際必ず監視員2名を置く義務があるようで、自治体ではその人探しにも苦労しているようでした。
 期間は学校の夏休み中毎日で、時間は一日数時間。事前に安全管理の講習を受けなくてはいけないようですが、一日数時間、少数の子どもたちを監視するだけののどかなお仕事です。ものすごく危なっかしい子どもがいたら別ですけどね。

 

【参考価格】
時給1000円 一日2.5時間のみ

 

5.消防団

 
 これは最近初めて知った情報。私は消防団は無給の地域活動だと思っていたのですが、肩書きは地方公務員で、火災発生時の緊急出動や夜間の見回り当番の際は日当が出るらしいのです。日額は地域や団員数によって異なるみたいです。あと、一定年数勤続すると、なんと退職金が出るらしいです。

 私の知る限り、れいほく地域では年に数回、山火事や住宅火災が発生しています。そしてそのたびに町内放送で召集がかかっていました。
 知り合いの地域のおっちゃんは召集がかかると即座に仕事を止め、現場に向かっていました。地域のために働くというのはこういうことなのだと感じました。
 ちなみに女性も入団可能です。男性は現場、女性は裏方という分担です。

 田舎に移住した人はまず、入団への猛烈なオファーを受けることかと思います。私も最初の頃よく声を掛けられましたが、仕事との両立が難しいだろうからとお断りしました。他の移住者や、あと農業が多忙な人は入っていないということが多かったです。断ってカドが立つということは自分のまわりでは一度もありませんでした。
 消防団に入るか否かについては意見が別れるところだと思いますが、消防団によって性質はさまざまのようなので(ものすごく体育会系のところもあれば、ゆるいところもあります)、事前に地域の人に聞いてみた上で自分に合うか合わないかを判断すればいいと思います。

 

【参考価格】
一回の出動につき ~7500円 ※地域による
退職金あり

 

 田舎で仕事をするというのは楽しいです。働きを求められて労働力を提供し、信頼関係ができ、役割ができるという仕事の本質を実感できます。これも田舎の魅力のひとつと言えます。
 ここに書いたのは私の知る一地域の情報に過ぎません。地域の多様性とそれに伴うお仕事の多様性をぜひ調べて体感してみてください。

 

お仕事の休憩時間
お仕事の休憩時間。この時間も大好き。

 

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