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美味しいもの万歳!!消費者と生産者とのつながりづくり

2017/10/26

顔の写真
執筆者: 赤西恵子 えん(縁)もたけ(竹)なわ


 いなかには、おいしいお野菜に果物にお米にお魚、美味しいものが満載でございます。私の住む岡山は、温暖な気候に恵まれ、葡萄に桃にと、「フルーツ王国」です。
 
~岡山フルーツ王国サイトより・1~

 世界で最も果物栽培の技術が進んでいる日本。その中でも岡山県は「くだもの王国おかやま」と称されるように、桃や葡萄をはじめとした多くの果物が生産され、そしてそのどれもが最高品質を誇っています。
 それは自然災害の少ない温暖な瀬戸内気候に在ると言う事だけではなく、先人達から今に引き継がれる長い年月をかけて試行錯誤を繰り返しながら培った栽培技術であったり、それを可能とする真面目で勤勉な県民性にあるのかもしれません。
 
 私の家は、祖父母の代からはじめた約40年前からの葡萄農家です。高度経済成長により、経済的に日本が豊かになりました。果物などの嗜好品をいただける余裕が生活にできました。祖父母の話によれば、その当時(40年ほど前)も果物の栽培が盛であったそうです。

 

果物の栽培

 

 岡山の葡萄につきましては・・
 
~岡山フルーツ王国サイトより・2~

 岡山県の葡萄は、白桃と肩を並べ高い品質で定評があります。それは、明治の頃から先人達による弛まない努力と常に革新されていく技術を今の世代が受け継いでいるからに他なりません。「岡山の葡萄は他とは違う」と言われるのには、そう言った「情熱」が根底にあるからです。
 「果物の女王」と称えられ、日本全国の90%以上のシェアを誇るマスカット・オブ・アレキサンドリア、「黒い真珠」と呼ばれるピオーネ、そして新たな魅力を発信しているシャインマスカットなど、岡山の葡萄は昔も今も時代に左右されない確かな美味しさを提供しているのです。
 
 当たり前にいただいていた葡萄でありましたが、明治時代に、産業のために、先人たちの苦労の末、今の葡萄産業があると思うと、感無量であります。
 マスカットの温室栽培は、明治19年に始まったそうです。歴史の深さに驚きました。
 地元の農家さんたちとお話をさせていただきますと、果樹にかぎらず、農作物は、本当に手塩をかけて作られていることを感じています。
 葡萄の品種にも流行があります。品種が現在は増え、新種に人気があります。
 
 友人に葡萄農家事情をお話をさせていただくと、驚かれることも多いです。今回は、あまり知られていないかもしれない、いなかの葡萄農家事情をシェアをさせていただけましたら幸いです。私の家のことであるため、一般の葡萄農家事情とは違っているかもしれませんが、お伝えをさせていただけましたら幸いです。
 
 私は6年前まで京都で仕事をしていました。6年前に地元に帰り、びっくりすることだらけでした。
 まずは、農家の高齢化。農協の冊子をなにげなく見ておりましたら、白髪の年配の方の多さに驚きました。一般の企業であれば、とっくに定年を迎えておられる方々が現役で農作物を生産しておられます。また、地元でも農業に従事している方は年配が多く、60代後半の父は、若手であることに衝撃をうけました。
 高度経済成長により、若者は町へ働きに出るようになりました。サラリーマンになったほうが、生活の安定もありました。百姓はたいへんなばかりだとも言われていました。
 トラクターなどの機器ができても、たいへんな作業です。気候にも左右をされます。台風により、家の葡萄はほぼ全滅をした年もあります。そのこともあり、農家さんは減っていきました。
 また、私の地域は田畑を売って、宅地にしている地域であります。田畑のみならず、土を見ることも減りました。

 

宅地にしている地域

 

 食料自給率の低さが言われていますが、地元をみても、食料自給率が下がっていることは目に見えています。
 確実にその低い食料自給率を支えているのが年配の方々であること。70代後半の方が、体中が痛いと言いながら、農業を続けられていること。この先の日本の食糧事情は大丈夫なのか??? 不安を覚えました。
 先々月に投稿をさせて頂きましたが、小さな農業を始めております。
 
 さらに驚いたのが、そのような、食料自給率の低い日本であるのに、多量の農作物を破棄していることです。いわずもがな、農作物は、何年、何ヶ月もかけて、その間手塩にかけて作っております。けれども、売り場がなく、貰い手もなく、破棄されているそうです。
 地元の農家さんから、農作物を破棄しない農家はまずないとお聞きしました。十分食べられるものながら、販路がないからです。十分食べられる農作物を多量に破棄しているのは、私の家だけではないことにショックを受けました。
 地元の農家さんは、何人か農家さんと契約をして農作物を集め、販路につなげていく組合を作られていました。
 
 私の家は、それまで、卸売り市場に出していました。卸売り市場に出すと、すべて市場は引き取ってくれますが、規格外のものは破棄します。また、海外の安い農作物に押され、破格値での取引となる可能性もあります。
 結果、毎年多量に葡萄を棄てておりました。
 
 私は、販路を開拓すべく、家の「棄て葡萄ゼロ」を目標にかかげました。
 家のものと話あい、「フリーマーケット」に出店をすることとしました。果たして売れるのか、売り切れるのか。当時はフリーマーケットに食品を出している人は少なく、不安でいっぱいでした。その様子を察してか、お客さんから、値段のこと、売り方についてなど、たくさんのアドバイスをいただきました。
 
 次に、農協のアンテナショップ「はなやか中央店」に出店をさせていただくこととなりました。卸売り市場では、箱に詰めておりましたが、はなやか中央店では、生産者が、値段、売る量、包装などを各自で考え、出品をしていきます。
 いろんなお店を回り、値段、売る量、包装の仕方などを考えていきました。また、お店で情報交換をしていくことで、お客さんの立場になって考えることを目指していきました。
 フェイスブックで呼びかけました。フェイスブックで、実情を伝え、規格外の葡萄を販売をしていきました。
 
 卸売り市場以外での販売をはじめたころ、俳優の永島敏行さんが代表をされている「青空市場」で学ばせていただける機会に恵まれました。
 青空市場のホームページからの抜粋です。
 
「その笑顔が見たくて“青空市場”のマルシェをはじめました。マルシェは“売ったり”“買ったり”だけが目的ではなく、生産者と消費者が対話することでお互いの理解を深める『場』です。生産者の方は産地ではなかなか接しない消費者の想いやバイヤーの意見、生産者同士の考えがなどが訊けます。消費者の方は新鮮な食べもの、珍しい食べもの、生産物のおいしさ、安心安全に対する想いなどが訊けます。」

青空市場 代表
永島敏行
 
 学びをもととして、生産者と消費者とのつながりを心がけました。
 卸売り市場では、持っていったら買い取ってくれますが、フリーマーケットなどではそうはいきません。買い手がなければ、持って帰らねばなりません。農作物が人様のもとへ届くために、商売が必要となります。
 家の葡萄について、聞かれることが増えるので、家では作っていない品種を食べ比べをしました。他の品種との味の違いを伝えられるようにしました。スーパーや産直の売り場などで値段を見て回り、値段を決めました。他の農家さんと話をしたりしながら、より売れるためには情報交換をしながら、研究をしました。
 よそとの比較を行い、差別化を行っています。差別化といっても、それぞれの価値があるので、家の葡萄の良さが最大限に言語化できるように心がけます。
 
 フェイスブック経由で買ってくださる方については、年間を通して、定期的に、ぶどうの進捗状況をお伝えをさせていただいています。ぶどうを、より楽しみにしてくださるように感じます。

「楽しみにしています」

などのコメントをいただいたりします。そのことが、生産者である父の張り合いになっております。
 生産者の思いが伝わり、喜んで召し上がっていただける。感想を直に、召し上がられた方から伺える。双方に、有難い、よりよい関係ができていると感じます。
 フリーマーケットでも、毎年買ってくださるかたもおられます。リピーターも増えてきました。

「来年もよろしく~」

の声が励みです。しんどいから辞めるといっている父も、もう少しがんばるそうです。
 
 私自身は、普段は介護士の仕事をしておりますが、最も効果的なリハビリは、「稼ぐこと」であると断言しておる日々です。
 家は、葡萄畑の規模も収益も、決して大規模ではないですが、できる範囲でできることを、できる範囲で行っていくことも大切ではないかと考えます。
 地元には、なかなか販路がなく、販売をお願いしたいと言われる農家さんもおられます。できる範囲でお手伝いできればと考えます。
 販売を通して、農業のことをお伝えする機会が増えました。命を支える農業に関心をもたれている方が増えてきていることも感じています。
 
 田舎は、豊かな土壌の宝庫であります。少しずつ息吹いていきますよう。微力ながら、これからも取り組んでまいります。
 長文をお読みいただき、ありがとうございます。これからも、どうぞ、ご指導をよろしくお願いいたします。

 

葡萄

 

~えん(縁)もたけ(竹)なわ~
赤西 恵子

 

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