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憧れのステキ田舎life

2017/10/27


 こんにちは。徳島県の阿南市新野町で地域おこし協力隊をしています。久米可奈子です。
 徳島県と言えば、阿波踊り、鳴門金時、鯛、すだち、阿波尾鶏。他にもたくさんあるのですが、県外の方にも特によく知られているのはこの5つではないでしょうか。
 夏の暑い盛りが過ぎたころから、だんだん路地もののすだちの収穫時期になってくるそうです。県内のいたるところですだちが収穫されています。

 

初夏に咲くすだちの花
初夏に咲くすだちの花!!

 

 すだちには棘があって、収穫にも一苦労。コツがいるんですって。
 そんなそんな収穫も大変なすだちをどーーーん!!!といただいちゃいました。町内の方でたくさん余ってしまったんだそうです。
 私はずっと憧れだった、手作りのポン酢に挑戦してみました。すだち果汁100パーセントなんて、徳島ならではの贅沢です。
 
 ところで、すだちの正しい切り方はご存知ですか。
 ポイントはただひとつ! へたの部分を横にしてカットです!

 

へたの部分を横にしてカット

 

断面もきれい
断面もきれい!

 

ぎゅっと絞れます
ぎゅっと絞れます。

 

へたを上にして切った場合
へたを上にして切った場合、

 

断面はちょっといまいち
断面はちょっといまいち。

 

つまんでも硬くて絞りにくい
つまんでも硬くて絞りにくいので、果汁をしっかり出せません。

 

 すだちはレモンやゆずと違って、まんまるでどちらから切ればいいのか分かりづらいですが、へたの向きを見れば簡単です。
 この向きをしっかり押さえながら、すだちをひたすら切っていきます。

 

すだち絞り器

 

 この日のために、すだち絞り器を近所の人からお借りしました。

 

ジュウサー

 

 ジュウサー!!

 

思うように絞れない

 

 ・ ・・・・・・・・・思うように絞れない。
 カットしたすだちを入れて、ぎゅぎゅっと押し込んでしぼると、下から果汁が出てくるようになっているのですが、うまい具合にいきません。
 結局、手絞りしました。
 
 すだちを切って絞り続けて、約2時間。醤油とみりんとこんぶを入れて、1週間ほど寝かせます。
 待ちきれなくて、まずはひとくち味見をしたら・・・めっちゃ酸っぱい!!!
 すだちの酸味がしっかりというか、それはもう思いっきり効いていて、思っていたポン酢の味よりもかなり酸っぱかったんです。こんなにすだちを絞って作ったのに、失敗なんて・・・・と不安がよぎりましたが、ここは1週間寝かせるという教えに習って、待ちます。(ダメだったら、何かと混ぜながらごまかして使おう・・・)

 

1週間寝かせる

 

 1週間後、おいしくなってました!出来立てのときには、ちょっと酸っぱすぎるくらいだったのに、ちゃんとまろやか、でもさわやかなすだちの香りがします。
 良かった。本当に良かった。こんなにおいしいポン酢が自分で作れるなんて感動です。すだちの力ってすごい!!憧れの、手作り生絞りポン酢を手に入れました。このポン酢さえあれば、徳島での実りの秋が、さらに充実したものになりそうです。
 すだちは何にかけてもおいしいです。お刺身、お漬物、お豆腐、ビール。最近聞いたのは、梨にかけてもおいしいんだそうです。鍋にも欠かせないですね!

 

 突然話は変わりますが、私が移住を考えるようになったきっかけに精進料理があります。精進料理と聞くと、とても難しくて厳しいイメージがありませんか。私も、そう思っていました。
 精進料理は、仏教の教えのもと、「食べることも修行」と説かれたのが始まりです。精進料理では殺生や、五葷は禁じられています。そのため動物性の食材(肉、魚、卵、乳製品など)や、五葷の、ニラ、にんにく、ねぎ、らっきょう、あさつきは使いません。禁じられているものがあるせいか、近寄りがたい印象がありました。
 ところが私が教わっている先生が特に大切にしていたのは、「季節を感じて自然の恵みを感謝し慈しんで、いただく」ということだったので、とても入っていきやすかったのです。
 
 食材を選ぶ段階から五感で旬を感じながら調理していきます。普段は、レシピを検索しても、簡単なものから優先的に出てくるし、私自身も、いかに手早く手間なくおいしく作れるかを考えながら料理していたので、まったく逆のやりかたでした。電子レンジもフードプロセッサーも使わずに、1つ1つ手間をかけて工程を踏んでいくことは、野菜を1つ1つ丁寧に慈しみながら扱っているという実感を得られます。
 精進料理では、使える食材に限りがあるので、使う調味料の種類もそんなにありません。素材の味を生かします。私は、精進料理を通して、野菜の持っている美味しさを知って感動し、食材を丁寧に扱って自然の恵みに感謝するということを覚えました。

 

睦月の膳
睦月の膳

 

 そんな風にして精進料理の世界にはまっていくうちに、その時の私の生活は、四季を感じていないことに気づきました。
 好きな仕事をしていて、やりがいも感じていたし、友人もたくさんできて東京での生活にもすっかり慣れて、都会での暮らしにそんなに不満も持っていたわけでもないのに、いつでもどんなときでも、スーパーに行けば24時間365日、きれいな形の野菜が並べられていて、暑いところで採れる野菜も寒いところで採れる野菜もいつでも買って手に入れられる、という生活が自分にとってだんだんと不自然なものに感じるようになり、移住することを考え始めました。
 田舎暮らしを始めるまで、いろんな雑誌を見たり本を読んだりSNSをチェックしたりして、情報収集し、いかに暮らすか、理想の田舎暮らしに妄想を膨らませていました。山からの水を頂きながら、まきで火を焚いて、自分で育てた野菜を食べて暮らす、とか。

 

暖炉

 

 実際に、農業の経験も知識も技術もない私には、家庭菜園すらままならない。でもそんな私でも暮らしていけるくらい、予想外に、24時間ではないもののスーパーに行けば何でも売っているし、コンビニでアイスも買って食べられます。お店は少ないけれど、ネットでなんでも買えるし、今は都会から出向いてきてくれて、田舎でワークショップ開かれたりすることもたくさんあるので、学びの機会も交流の機会もそれなりにあります。
 思い切って田舎暮らしを始めたつもりですが、生活は確かに大きく変化しましたが、意外と田舎は不便じゃなくて、今までと変わらない部分もたくさんある。田舎に住んでいるからといっても、自分に意思があって、それを選択していかなければ、自然と共存したような暮らしは出来ないし、それを強いられるようなこともない場合も結構あります。ちょっと、拍子抜けするくらいです。
 
 でも、ここへ移住していなかったら、私は旬のすだちを大量にいただいて、自分でポン酢を作る機会なんてなかなか持てませんでした。野に咲く花を見たり、日が沈む時間の変化を感じたり、旬の野菜が大量に採れたからって近所の人に分けてもらったりすることはなかったでしょう。
 毎日、当然のように季節の移り変わりを感じて暮らせています。地元の人には、

「え?そんな当たり前のことで。」

と、言われるほどでも、日々の生活で、自然を感じられることは楽しいです。
 
 東京から引っ越してきて、約半年が経ち、私は自然の中で暮らしていくスキルが全然足りてないということを感じています。思い描いていたようなステキ田舎lifeを送るまでには、まだまだ及びません。
 まずは住まいを移したことで初めの一歩踏み出したという感じですが、少しずつ、自分でできることが増えていっていることを楽しんでいます。寒くなる頃には、自分で火を焚けるようになっていたいなあ。憧れはかまどのある暮らしです。

 

憧れはかまどのある暮らし

 

がんばります!!

 

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