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地域密着の小さな小学校の良さとは?

2018/05/28

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執筆者: 多田朋孔


 4月9日に私の子供が通う飛渡第一小学校の入学式がありました。今年入学する新一年生は2人でした。そのうちの一人はうちの次男です。

 全校生徒でも新一年生を合わせて11名という小さな小学校ですが、全学年が一緒になって仲良くできる様子はとても素晴らしいと個人的には感じています。

地域密着の小さな小学校の入学式

 

今回は、地域密着の少さな小学校の良さについて書いてみたいと思います。

 

目次

  1. 幅広い世代が日常的に触れ合う機会が多い
  2. 人との調和のとり方を覚える
  3. ひとりひとりの存在感が大きい
  4. 自然の中で生きる事を学ぶことが出来る
  5. 地域の伝統的な踊りやわら細工など昔の知恵を学ぶ事が出来る

 

1、幅広い世代が日常的に触れ合う機会が多い

 

 今年はうちの長男の和正(かずまさ)が5年生で次男の幸弘(よしひろ)が1年生になりました。

 次男の幸弘は小学校に入学してとてもうれしそうにしています。また、長男の和正はきちんと次男の幸弘が遅刻しないように面倒を見るようになりました。

 飛渡第一小学校では少人数なので、上級生が下級生の面倒を見るというのが当たり前に行われています。また、地域の人と関わる機会も多く、少人数なので、他の小学校との交流も積極的に行っています。

 これって、実は意外とすごいことだと思います。というのは、私は大阪出身なのですが、自分自身は人数が多い学校で育ちました。そういう大人数の学校ではクラブ活動にでも入ってないと違う学年の人と交流をすることはほとんどありませんでした。
 また、大人と接する機会も学校の先生か自分の親か、友達の親くらいで、実際にいろんな幅広い年代層の人達と接する機会はほとんどありませんでした。

 

 ところが、実際に社会に出てみると、年齢が同じ人ばかりと接するという環境はほとんどありません。
 たとえ新入社員の同期が多い大手企業に入ったとしても、最初の新入社員研修が終わって各部署に配属されると、それぞれの部署で上司がいて先輩がいてという形で、日々接する人たちは小さな単位で幅広い年齢層の人たちと接することの方が多いわけです。
 社会に出てみると、学生時代のような環境はある意味特別な環境であったという事がわかりました。

 自分の息子を通わせるようになり、小学校に保護者、地域の住民として関わる事で、飛渡第一小学校のような少人数の学校こそ、社会に出た時と似たような環境になっているという事に気づきました。
 小さい時からこういう環境に慣れておくのは実際に社会に出た時の糧になると思います。

 

2、人との調和のとり方を覚える

 

 私が子供のころのようにクラスに40人ぐらいもいると、同じクラスでも1回もしゃべったことがない人がいたりもします。
 そういう環境であれば、トラブルがあって仲違いして口をきかなくなってしまったとしてもそれでも何とでもやり過ごせます。そしてクラス替えになってしまえばほどんど顔を合わせる事もなくなります。

 ですが、少人数だと、ケンカをした時であっても仲直りをせざるを得ない状況になります。毎日顔を合わせる上に、人数が少ないので、まったく口をきかずにやり過ごすという事が出来ないからです。
 家族の場合、ケンカをしても仲直りして何とかやっていくわけですが、そういう状況に近いと言えます(家族の仲が修復不能になったら離婚や家出、勘当などという事もあるでしょうが)。
 人間関係での問題というのはどこにでも少なからず発生するものです。そのような人間関係の問題を前向きに修復せざるを得ない環境で過ごす事は社会に出た時に役立つ事だと思います。

 

3、ひとりひとりの存在感が大きい

 

 飛渡第一小学校では、先生ひとりに対して生徒が数人なので、先生の目が十分に行き届きます。なので、学級崩壊などは起こりえないですし、授業中や行事でも必ず人前で一人で発表をする機会が回ってきます。
 大勢いると、一人ぐらいさぼってもわからないだろうという風になる人も出てきがちですが、少人数だとひとりひとりの存在感が大きいので、あからさまに手を抜くという事も出来ない環境であると思います。
 子供のころから常に全力を出す習慣がある人と、手を抜く癖がついた人とでは大人になった時に大きな差が出ると思います。

 

 思えば私自身は大人数の学校にいましたが、小学校の時から毎回手を挙げて積極的に発表するという事をずっと繰り返してきました。
 こういう事の積み重ねもあってか、常に目の前のことに対してはベストを尽くそうという気持ちが強くなりましたし、人前で話をする事に対して全く抵抗がなく、今では講演や研修も仕事としてやっているほどです。
 このような人前で話せる能力というのは大人になってからとても役に立つ能力なので、それを小さいころから経験する機会をたくさん持てるというのは良いことだと思います。

 

4、自然の中での様々な事を学ぶことが出来る

 

 飛渡第一小学校では、夏休みの7月末に川遊びの会が行われます。川遊びの会では地域の人たちがユンボを使って川をせき止め、プールを作ってくれたり、川の一部に網を張って魚のつかみ取りのスペースを作ってつかんだ魚を焼いて食べたりします。

 

川遊びの会

川遊びの会

河原で捕った魚をやく

 

 地域の大人たちも楽しみながら取り組んでおり、こういった形で地域の人たちや自然とのふれあいが行われています。

 また、川遊び以外にも、田植え・稲刈りや畑での野菜づくりを地域の人が教えたりもしています。私もポップコーンづくりを教えています。小学校で収穫したポップコーンは文化祭で父兄によって販売されました。

 

ポップコーン販売

 

お米は子供たちが地域のイベントで販売し、作物を育ててから販売までする流れを体験しています。

 

作物づくりから販売まで子供たちで

 

5、地域の伝統的な踊りやわら細工など昔の知恵を学ぶ事が出来る

 

 私はあわせおけさ保存会という会に所属しています。この会では昔から地域に伝悪踊りを保存していくために踊りの練習をし、時に介護施設に慰問に行ったり、ステージの上で発表したりしています。それと合わせて年に数回小学生に踊りを教えています。

 

伝統行事

 

 あわせおけさは独特な動きがあるため、その独特な動きがある部分を踊る際に子供たちが楽しそうにしていたのが印象的でした。

 また、わら細工も年に1回地域の人が教えています。草鞋(わらじ)または足中(あしなか)を作るのですが、ここにも私も一緒に教える側として関わっています。

 小学生たちは低学年のうちは作るのに苦労していますが、高学年になると、何度も作って慣れてくるため、だんだん上手になってきます。

 

わらじ作りを学ぶ

 

こちらはうちの長男の和正が作った作品です。

 

できあがったわらじ

 

 このような形で、私が子供のころに都会で育った大人数の小学校とは大きく違う環境で少人数の飛渡第一小学校は運営されています。

 大人数には大人数の良さがあり、少人数には少人数の良さがあると思いますし、人の好みや価値観もありますので一概にどちらの方が良いとは言えないと思います。

 とはいえ、今後将来的に少子化の流れが続く日本ではこれからの一つの子供の育て方として、少人数の小学校で行われている事は参考になるのではないかと思います。

 

この飛渡第一小学校で育った子供たちが素晴らしい人生を送ってもらえればと思います。

 

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