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黒岩という地域がすき

黒岩じるし 村田昭雄さん

黒岩じるし
村田昭雄さん

地域おこしについて調べていると、6次産業化という言葉を時々見かけます。6次産業とは、農林水産省が進める1次産業(農業)と2次産業(工業)と3次産業(サービス業)の連携によって第一次産業を活性化させ、地域ブランドをつくっていこうとする政策です。

加工グループ「黒岩じるし」は、その6次産業に取り組み始めて3年目。模索の途中ですが、着実に成果を伸ばしていっています。

佐川町の黒岩地区に生まれたことに誇りを持ち、地域の高齢化や耕作放棄地が増えていく今の現状を変え、地域をよくしていきたい…。そう思い黒岩じるしのメンバーの一人として活動をされている村田さんにお話を伺いました。

 

 

 

 

 

今の現状を何とかして変えていこう、 同じ志を持った仲間と立ち上げた「黒岩じるし」

黒岩じるしの活動は、自分たち農家が、自分たちの生産したもので、地元の市場に乗らない規格外商品などをうまいこと加工して、それを商品にして、ちょっとでもお金をとろうじゃないか、ということでやっています。自分たちは、酪農家、文旦・お茶農家、苺農家なんで、そこで出来るものプラス、この黒岩地域で作られている、例えばブルーベリーとか新高梨とか生姜とかを組み合わせてスイーツを作っています。

黒岩プリン

- 基本的にはスイーツだけですか?

そうですね、今のところスイーツだけですね。

-活動自体はいつ頃から始められたんでしょうか?

この「黒岩じるし」というのを結成したのが平成22年5月からですね。 それまでその黒岩じるしの活動というか、このグループを立ち上げる前から ちょこちょこ集まって作ったりとか、それぞれの農家が集まってちょとワイワイしていたんですけど、 一応こういう加工するグループとして作ったのが平成22年の5月かな。 もともと、みんな仲良かったんで飲み会ついでに集まったりとか、 そんなんからの延長ですけど、21年度の12月ぐらいからかな、 加工のことでちょこちょこ集まるようになった。 黒岩ぷりん加工現場

 -最初は何人くらいで始められたんですか?

3軒の4人ですね。 4人というか、3農家だけでとりあえずやってみようかということで、今は、関わりでいうと、3軒プラス梨、生姜、卵、ブルーベリー農家等7~8軒というところです。

-3年間やってみていかがですか?

自分らが最初想像していたよりも、出来すぎたカタチになってますね。 僕ら、まさかこんなにちゃんとしたカタチで活動できるとは、まったく想像していなかったです、その時点で。 お蔭様で、テレビとか出させてもらったりとか、取材を受けさせてもらったりとか、そういった機会をつくってもらえた事で知名度も少しですけど広がってますので、まあ、予想外ですね。

-どのように販売されているんですか?

主にはちきんの店※など、お店に商品を卸すのが主です。それとイベント販売。 比率で言うと半々ですかね。あと、ちょこちょこ増やしているのが宅配です。これから始めるところですね。(※ はちきんの店は同じ佐川町にあるJA直売所)

黒岩ぷりん加工現場-3年間結構大変だったことってありますか?

すべて大変やったですよ(笑)

このグループの中で、自分は元調理師で、あともう1人、メインで作ってくれている人が主婦なんですけど、昔っからすごいお菓子作りが好きで、いろんなレシピを自分で持っていてやってくれる人がいるんです。

そうやって、好きで始めたんですけど、結局、昼間の仕事が終わってから夜作るようになってるんで、肉体的なしんどさもありますし、自分達にできることはわりと限られているんで、「こうゆうことしたいけんど、中々そこまでいかんね」っていうジレンマがあります。 商品も作っていて、失敗したことも何回もありますし、苦労したことも沢山あります。 けど、苦労もしているけどそれ以上に楽しみもあって、今は苦労以上に楽しみも多いからやっていけてるんでしょうね。

自分達の本拠地をつくりたい。

やっぱりもっと知名度を上げていきたいなっていうのはあるんで、市場開拓もしていきたい。 けんど、やっぱり自分らは、この黒岩地域で育って、黒岩地域が好きで、 他のメンバー2人も一回外に出ていて、また帰ってきてやっている人たちなんです。 やっぱり地元が好きということで、この地元で何かカタチをなしていきたいなと思っています。

これは中々実現までにはどうか分かりませんけど、ここに加工場という、 自分達の本拠地をつくりたいんです。今、加工しているのが農協の施設を借りてやっているので、 そうじゃなくて、やっぱり自分らが好きに使える加工場を作って、 そこへちょっとしたカフェでも付けて色んな人を呼び込んで、ワイワイやれればいいかなと。 そういう展望プラス、自分らの活動に刺激を受けて、また同じようなグループをいろんな人がつくってもらって、 連携してって地区が盛り上がったら面白いかなという思いはありますね。

黒岩地区 ▲黒岩地区

-すばらしいビジョンですね。

いや、ビジョンだけです。まだそこまで道筋は全然。

-もともとは調理師をされていたんですか?

もともと高知市の飲食店に10年勤めてて、 その内、調理師をやっていたのは5年だけなんですけど、 調理師学校には行かずに、大学を出てすぐ、 高知市内の土佐料理 司という料理屋に就職して、 仕事をしながら勉強をして調理師免許も取った感じですね。 県外へは半年だけ出て、主に高知市内の4店舗をくるくる回ったような感じです。

黒岩に戻ったのが、大体10年後ぐらい。 大学22歳で卒業して、32~33歳あたりに戻って実家を継ぎました。 戻ったきっかけが、おやじが大きな怪我をして、 しばらく農業をようやらなくなって、そうこうしているうちに、 このままひょっと家業が潰れていくのもしのびないなぁという思いもあったし、 自分も農業が嫌いじゃなかったんで、ゆくゆくはやろう思ってたんで、ちょうどいい機会かなと。 タイミングが早まった感じですね、…なかなか飲食店の仕事も厳しいんで潮時かなと思ったのもありますがね。

- 料理とは全く別の仕事ですが、苦労とかは?

力仕事が多いのと、料理屋で働いていたときは、 上からの指示でこう動いていったらいいっていうのがあったけど、 やっぱ自営だから自分で作業を考えて動いていかないけない。 そういうギャップは大変やったですけど、そういうとこかな。

黒岩じるし:村田さん

デザイン・ネーミングも全部手づくり

 -実際にスイーツの種類としてはどれくらい作られてるんですか?

種類的にいうと今の季節は7種類、年間だと25種類くらいあります。 週に2回作るんですけど、1回の加工あたり平均で80~100個くらいで、 週に大体200個前後つくってますね。 それに、例えば、週末にイベントが入ってきたりすると倍になったりとかいうことがありますね。 加工は週2回ということで、水曜日と日曜日っていう基本日は一応決めています。 結構、流動しますけどね。 新商品を随時考えてますんで、出来たらデザインを考えてもらうとか、 ネーミングを考えてもらうとか、そんなことも一緒にやってもらえたらと思っています。

-デザイン、ネーミングも黒岩じるしのメンバーで?

今はもう全部。デザイン、ネーミングも手づくりですね。 面白いですよ、色んなバカなことをいいながらやってますんで。 黒岩ぷりん 黒岩じるしメンバー

こういう変わった農家がおるよ。

 -研修生はどんな経験が出来そうでしょうか?

とりあえず、3軒の農業はこんなもんやというのを体験してもらいながら、 自分らがやっている加工なんかも一緒にやってもらいたいなと思っていますね。 例えば、加工の方を重点的にやりたいんやったらそっちにウエイトを置きますし、 色んなことやりたいんだったら、農業メインで色々やってもらって、 加工も一緒にやってもらうよ。というカタチにしたいと思っています。 けど、農業といってもわりと色んな仕事があります。

基本、色んな農業の形があると思うんですけど、「農作業もやりながら、 加工もしてっていうカタチでやっている、こういう変わった農家がおるよ」と。 農家ってひとくくりにしても「色んなタイプがおるんだよ」というのが 分かってもらえるんじゃないかなと思いますね。

また、農作物そのものができるまでのストーリーですよね。 たとえば花がどんなカタチでできるのか、苺がどんなカタチでできるのか、 牛乳になるまで牛から絞られてどういう風な過程で出来るのかっていう、 その農業に関することも勉強できるんじゃないかなと思います。 うまいこといったら、自分で何か作れるようにはなって 帰ってもらえるんじゃないかなと思いますね。

黒岩じるしは6次産業にまだ取り組み始めた段階なんで、 『これが実際の現場よ』という取り組み始める模索の部分をそのまま見てもらって、 自分自身が、もしこっちに定住したいんだったら一緒にやるとか、 自分でビジネスを作っていくという形もあるし、またはどこか違うよその土地で、 こういう事例を見たから自分自身が起業していくという糧にしてもらったらいいんじゃないかな。

 

黒岩じるしメンバー

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いろんなことをやりたがる子がいい、前向きな子、こんなことやりたい、あれやりたいと提案してくれるような子。 自分らがこれやってこれやって…といって動いてもらうよりは、「こんなことやりたいですけど、ないですか?」みたいな感じでここへ来てくれるほうがいろんな事がしてもらえると思う。 自分達はこういうことができるよという様にお知らせはできるけど、それを聞いてこうしたいと自分で目印たてて出来る子がいい。

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