自然環境に優しいショッピング ニュージーランドのGoodFor

 この夏(ニュージーランドの夏は12月から2月)、ネルソン郊外のショッピングエリアにさらにウキウキするお店が出来ました!
 
 こちらの記事『ニュージーランドのネルソンより はじめまして』に写真を載せた、地産食材の揃うお店やチーズ屋さんのある、比較的新しいショッピングエリアの中です。
 
 ちなみにここ、今でも周囲に建物は少なく(新興住宅地が近くに出来てきましたが)、野菜畑やワイン用のぶどう畑、いちご畑などに囲まれた広々としたところに位置しています。

 100年以上前にチーズ工場だった場所を改装し、こじんまりとした野菜直売店などを経営されていたのですが、地味な隠れ家的なお店から、街の人がわざわざ足を運びに来たくなるようなキラキラのショッピングエリアに近年生まれ変わったのです!

 

100年前のチーズ工場
100年ほど前のオリジナルの建物(提供:https://www.oldfactorycorner.co.nz/history

 

現在の建物
現在の建物(写真の側には毛糸屋さん、裏側にはチーズ屋さんなど。)

 

goodfor

オリジナルの建物の向かいに出来た新しい建物の一部とピクニックエリア。写真左の三角屋根の建物が、新しいお店です!

 

お店の名前は、GoodFor

 

 ニュージーランド最大都市オークランドでちょうど4年前に第1号店を開店した会社による、7店舗目がこのネルソン店。ネルソン以外にはオークランドに4店舗、首都ウェリントンに1店舗。南島最大都市クライストチャーチに1店舗あります。

 さて、「サステイナブル」、「スローリビング」などの言葉を聞いたことがありますでしょうか。

 

 サステイナブル・・・持続可能なという意味で、特に地球の自然環境の維持に役立つ事業や開発、自然環境に配慮した行動を表現する際に使われる言葉。

 スローリビング・・・日本では「スローライフ」と表現されるライフスタイルのこと。大量生産・高速型のライフスタイルとは反対に、もっとゆったりとひとつひとつのことを大切にして過ごそうという考え方やそれを実践したライフスタイルのことです。

 

 もともと田舎で、極力生活に必要なものしか手にせず、ゴミは少量で、食事も主に自炊というのが一般的なここネルソン。
 昔は、ニュージーランドの食卓というと、朝はパンやシリアル、昼はサンドイッチ、夜は肉とポテトと野菜の3品が基本というシンプルなものだったようですが、だんだん国が豊かになるに連れて海外から影響を受けたり、社会的にも食育が進み、様々な食材を取り入れて栄養バランスの良い食事をする習慣がついてきました。
 そのため近年は、生活必需品である小麦粉やシリアルなどの食品や日用品などを、よりサステイナブルな商品に切り替えたり、普段の食事にスーパフードを取り入れたりして、健康に配慮した生活をすることがとても人気です。

 GoodForでは、このサステイナブルとスローリビングの実現に向けて、食品(ドライフード)や生活用品のほとんどを量り売り・リフィルで販売しています。

 

goodfor店内1
持参した容器の重さを量ってラベリングできる器械が設置されていたり。

 

goodfor店内2
紙袋に鉛筆で商品番号を記入し、必要な分だけ購入したり。購入の仕方がよく分からない時には、店員さんが優しく教えてくれます。

 

 この時に購入したのはニュージーランド産のキヌア。ちなみにキヌアは雑穀のうちのひとつで、栄養豊富、低糖質、グルテンフリーなスーパーフード。

 パンを焼くときに強力粉と全粒粉と一緒に混ぜ入れたり、ご飯を炊くときにも白米と玄米とキヌアを混ぜて炊いたり、調理したキヌアを野菜とあえてキヌアサラダを作ったりします。

 

goodfor店内3
このように国内外からの様々な乾燥食品が並んでいます。

 

goodfor店内4
洗剤やシャンプーなど、日用品の詰め替えコーナーも。日用品は、罪悪感でプラスチック容器が捨てられず溜まっていくので、詰め替えできるのはとても嬉しい。

 

 こちらの日用品ブランドecostoreの商品は、日本でも購入することが出来ます。(個人的には、日本に住んでいらっしゃる方は、同じような自然に優しい商品で日本製のものを使ってもらうのが尚良いと思っています。エコストアジャパンさん、余計なコメントをごめんなさい。理由は、まず身近な人から優先して大切にすること=国内の産業を応援することがサステイナブルな社会、地球に優しい社会を作るために重要であると思うからです。) 

 

 また、GoodForでショッピングをすると、その料金の一部がニュージーランド国内での植林のための資金の一部となり、環境貢献に繋がります。
 レジで精算時に

「今回はどの木にする?」

と聞かれ、3種類のニュージーランド原生種(マヌカ、ティコウラ/キャベジツリー、ハラケケ/フラックス)から、寄付する植物を選ぶことが出来ます。植林作業はボランティアにより行われますが、苗の購入費用については売り上げの一部を寄付(お客さん達がショッピングの度に貢献している)する形でまかなっているのです。
 企業が行う環境貢献活動について、お客さんひとりひとりがそれに貢献していることを実感してもらうことが出来る、とても良いアイデアですね。お買い物して良かったという気持ちになります。

 

 もし日本から旅行でニュージーランド・ネルソンにいらっしゃる際には、自炊しない限りあまり用のないお店かとは思いますが、是非つまみに季節のフルーツやお土産を購入しにこのショッピングエリアに来たときには立ち寄ってみてくださいね。

 

おまけ

 

 自然環境に配慮したサービスの話に関連して、最近嬉しかったこと。先日オンラインショッピングをして届いた荷物の梱包が、リサイクル可能な紙素材でした。

 大きい荷物だと段ボールを使いますが、小さな荷物には通常プチプチなどのクッション素材が挟み込まれている厚い封筒のようなものが使われていることがニュージーランドでは一般的です。

 しかし今回届いた、サプリメントやコスメなどのショッピングサイトHealthPostの梱包では、袋の紙素材の内側に紙くずが詰め込まれていました。商品のひとつひとつの梱包も紙素材。利便性をそのままに、環境に配慮した素材に切り替えていること、素晴らしいですね。

 ウェブサイトを見て、環境貢献に力を入れている企業であることは知っていましたが、この梱包を受け取って、自分もそのサイクルの一部に入った感覚になり、嬉しかったです。

 

 プラスチックが悪者扱いされる昨今ですが、その利便性からなかなか全てのプラスチック製品を排除することは出来ていません。

 特に日本では、環境問題については誰もが分かっているはずなのに、ゴミ処理技術が発達しているからか(ニュージーランドはリサイクル不可能なゴミは全て埋め立て!)、ただ単にプラスチック製品の方が価格や利便性、衛生面の部分で支持されているからか、日本はこの点では先進国の中では残念ながら遅れています。

 

 私自身も日本に一時帰国すると日本でしか変えない日用品やお土産などを買ってくるのですが、その多くが非常に丁寧に過剰包装されていて、毎度その後に出るゴミの山に罪悪感を覚えます。

 それが恥ずかしいので、こちらで人に日本から持ってきたものをプレゼントするときには箱から出した状態で渡したり、その包装の必要性について言い訳しながら渡したりすることも。

 開発技術に優れた日本では、様々な自然に優しい素材が開発されているようですが、それがどこまで一般化するかは国民ひとりひとりにかかっているように思います。

 

 この記事を既にここまで読んでいただいている方達は、環境問題に多少なりとも興味がおありかと思います。

 そんな皆さんでも、日々忙しく過ごされていると、ついついよく考えずに利便性や価格を優先してお買い物をしてしまうこともありますよね。

 これからは、商品を手に取ったときに数秒でも立ち止まって、毎回とは言わず余裕があるときだけでも、自然環境に配慮した商品を優先して購入し、環境貢献に向けて頑張っている企業を応援しましょう。そして自分がサステイナブルなより良い社会を作りあげている一部であることに誇りを持って下さい。

 

3月のニュージーランド

 

 記事の投稿をサボっている間に、なんと秋になってしまいました。ニュージーランドでは3月から5月が秋と言われています。

 今年の夏は私の住むネルソンでは気温が30℃を上回ることがなく、冷夏でした。

 12月末に大量の雹が降ったり、1月末に寒波が来て山の上に雪が積もったり。本格的な夏がやってくるのを待っている間に3月に入ってしまったという感じです。

 

sup
お天気の良いある夏の日、SUPを漕いでこの対岸の海岸線を探検したりしました。

 

 秋と言えば実りの秋。りんごの収穫が始まっています。

 

リンゴ
12月末の雹のダメージでボコボコになってしまった林檎。売れないので、自分たちで食べるか土に還るかしかありません。

 

リンゴの木

まだ6歳くらいの若いブロック。

 

 りんごの木の列の間を機械が通れるように、まだ木が小さい頃から、枝をワイヤーに沿わせる作業をします。5年前に私もここでその作業をしました。
 
 収穫の様子については、また次回報告させていただきます。

 

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