フィジョアの季節がやってきた!おすすめの食べ方とレシピ

 日本とは季節が真逆のニュージーランド。5月に入り、すっかり秋になりました。紅葉も1番綺麗な時期です。

 紅葉といってもニュージーランドにある落葉樹は全て外国から持ち込まれたもの。本来の植生を残している森(原生林)の木々は、ほとんどが常緑樹です。

 なので、日本の山とは違い、ニュージーランドの山や森は年間を通して木々が青々と茂り、景色が大きく変わることはありません。(もちろん中に入ってみると、新芽や花、実、きのこや鳥の様子など、季節による違いがありますよ!) 

 

 紅葉・黄葉がきれいなのは、主に公園や住宅地の街路樹。自然の中で過ごすのがおすすめのニュージーランドですが、住宅地のお散歩も楽しいです。

 もともとイギリス人が入植してきた土地ですから、ガーデンにこだわりのあるお宅が多くどこもとっても綺麗で四季を通して色彩豊かにデザインされています。

 日本を代表する桜の木や、紅葉の美しいもみじやカナディアンメイプルも街路樹としてとても人気が高いです。

 

 さて、今回紹介させて欲しいのは、日本では珍しいフルーツ! 秋にニュージーランドを訪れたら、絶対に食べて欲しい。

『フィジョア』

 英語でFeijoaと書きます。日本のウェブサイトでは「フェイジョア」と書かれていることが多いですが、こちらでは「フィジョア」と発音されます。

 中南米原産なのですが、世界最大の生産量を誇るのはニュージーランド。育てるのが簡単なので、家の庭にフィジョアが植わっているご家庭も多く、常緑で葉の色合いも柔らかく見た目も良いので生け垣としても人気があります。

 

実りの季節は、3月下旬から5月

 我が家には1本フィジョアの木(自家結実性、早生)があります。

 

フィジョアの木

熟れると勝手にぼとぼとと落ちる。落ちた後に、数日追熟させて食べると甘みが増します。

 

収穫したフィジョア
たった1本なのですが、食べきれないほどの実がなります。これが一度に収穫した(地面から拾った)量。全部でこの5回分くらいの量が、2m以下の小さな1本の木から採れます。

 

 大きさは大小あり、品種や生育環境にもよりますが、我が家のフィジョアは概ね玉子くらいの大きさです。
 その年によって、もっとたくさん実って小粒ぞろいの年があったこともあります。大粒の方が、味が私好みなので、たくさん実がなりすぎた年は摘果することもありました。

 

卵トレーにフィジョア
玉子トレーにフィジョアの実を並べてみました。特大のものでもギリギリ玉子トレーに乗り、小さめのものでは玉子のSサイズくらいの大きさでしょうか。

 

羊とフィジョアの木
ご近所の羊さんがいる敷地とご邸宅の間に植えられている生け垣がフィジョアの木。

 

 ここのお家の前には通り沿いに無人販売所があり、フィジョアやレモンが売られていることがあります。それでもきっと食べきれないでしょう。ほとんどが羊さんのご馳走になっているに違いありません。

 余談ですが、「羊は果物も食べるの?」と思った方(いるかな?)、 

 

 はい食べます。 

 

 実りの秋、収穫が終わった後のりんご畑、ぶどう畑などで、たくさんの羊がいる姿を目にすることが良くあります。

 羊さん達にとって、牧草だけでなく甘~いフルーツがたくさん食べられて、様々な栄養がとれる嬉しい季節。

 収穫されずに残された果物を食べてくれて、雑草取りまでしてくれて、それを肥料にして土地に還していってくれるという素晴らしいお仕事をしてくれる羊さん達。

 羊毛やお肉としての役割だけではない、ニュージーランドが誇る農業の大切なパートナーです。

 

フィジョアはどう食べる?

 フィジョアの食べ方で最も一般的なのが、そのまま食べること。キウイフルーツのようにナイフで半分に切って、中をくりぬいて食べます。

 

断面はこんな感じ。

 

 梨のような少しざらざらした舌触りの内皮の中に、ジェル状の柔らかい部分がクローバーのように入っています。
 4つ葉のクローバー型が多く、たまに3つだったり、大粒のものだと中身のジェルが6つに分かれていることも。
  味は・・・パイナップルとバナナとグアバとパッションフルーツを合わせたような…と色々な表現をされますが、つまり表現することが難しい独特な味がします!笑

 

 頑張って私の言葉で表現するならば・・・

 

まるで南国フルーツの香りの香水のような、甘いアロマがあり、そして甘みと酸味のバランスが丁度良い味。食感は、柔らかい梨のような部分と、とろっとしたジェル状の部分が混ざりあう感じ。 

 

 ・・・ごめんなさい、やっぱりうまく表現できません。

 一度食べ始めるとパクパクパクパクいくらでも食べられてしまう、癖になる美味しさ。10個から15個くらいは一気に食べてしまいます。
 
 そのまま食べるのが1番美味しいと思うので、もしお家にフィジョアの木がなくどこかでフルーツを購入して召し上がる場合には、そのまま食べましょう。

 

食べた後、残った皮で発酵ドリンクを作る

 私はいつもフィジョアを食べた後に、残った皮でフィジードリンクを作ります。

 フィジードリンクとは、シュワシュワの炭酸飲料のこと。これを、フィジョアの残りの皮と、少しのお砂糖と、水だけで作ることが出来ます!
  要は、フィジョアの持つ天然酵母を発酵させて作る飲み物です。

 

【材料】
●フィジョアの皮 500mlの空き瓶に敷き詰める量(中サイズ15個分くらい)
●お砂糖 大さじ2杯
●水

【作り方】
 1.フィジョアを食べる前に、水で軽く表面を洗う。(洗いすぎなくてOK)
 2.フィジョアの実の中身を美味しく頂く。
 3.余った皮を空き瓶に敷き詰める。
 4.お砂糖を加える。(上記の量はやや少なめにしています。お砂糖が多いほど炭酸が強くなります。)
 5.水で瓶を満たす。蓋を閉めたときに1~2cmくらい隙間が出来るくらい。
 6.室温で放置。3日~5日。

 

 温度によって発酵のスピードが変わります。見た目でシュワシュワと泡が出てくるようになったら飲み頃です。あまり長く放置すると、糖分がなくなりお酢みたいになります。

 

フィジョアの皮

瓶に敷き詰めたフィジョアの皮

 

フィジョアの発酵ドリンク
発酵3日目。少し泡が立っているのが分かりますか?これが飲み頃。

 

 あまり長く放置すると、皮の色が黄色っぽくなり、怪しい色合いになってきます。
 水の表面が少し白っぽくなったりしますが(育つべきではない菌が発生しているかも)、飲んでみると糖分がなく酸味が強くなっていて、発酵した風味が好きな人にとってはこれはこれで美味しかったりします。

 

デザート作りに使う

 食べきれない量のフィジョアが入手できた人は、デザート作りに使ってみてください。
 
 おすすめレシピを2つ、教えちゃいます!

 ※元のレシピは250mlの計量カップを使用しています。(カップNZと表記)

 

① フィジョア&アップルクランブル

 ニュージーランドのお母さん達が作る、秋の簡単デザートと言えばアップルクランブル。フィジョアが手に入ると、りんごにフィジョアも一緒に加え、香り豊かなデザートに。

 

【材料】
●小麦粉   36g (1/4 カップNZ)
●全粒粉   36g(1/4 カップNZ) *全粒粉を入れずに小麦粉のみ72gでもOK
●ロールドオーツ(オートミール)   108g(3/4カップNZ)
●ブラウンシュガーもしくはお砂糖   72g(1/2カップNZ)
●シナモンパウダー(もしくはお好みのスパイス) 小さじ1
●バター   75g 
●りんご中サイズ  3つ
●フィジョア 20個分くらい

 

【作り方】
1. オーブンを200℃に温めておく。

2. りんごは5mm程のいちょう切りにして、底が焦げないように中火で煮る。約5分くらい。色が透明になる一歩手前の、食感が残っているくらいでOK。
(切る厚みも、煮る時間もお好みに合わせて調整してください。)

3.フィジョアは半分に切り中身をくり抜き、大きいものはさらに半分に切る。

4.小麦粉、全粒粉、ロールドオーツ、ブラウンシュガー、シナモンパウダーを混ぜる。

5.バターを冷蔵庫から出してすぐの冷たい状態のままダイス状に切り、手を使って4の粉類とよく混ぜる。バターを指で潰すようにして粉に絡めます。粉っぽいので手はべたべたになりません。

6.オーブン用の深皿の底に、2のりんごと3のフィジョアを敷き、上から5を載せる。

7.オーブンに入れて、表面が色づいてくるまで、約30分ほど焼く。

 

フィジョア&アップルクランブル
家庭料理なので、このまま大きなスプーンですくってお皿に盛ります。

 

 上のさくさくとしたクランブルと下のジューシーなフルーツ煮をスプーンの上でバランス良く混ぜて食べます。そのままでも美味しく、温かいクランブルとバニラアイスクリームの組み合わせも最高。

 おもてなしデザートにしたい時には、下にショートペイストリーと呼ばれる厚めのパイ生地を敷いて焼きます。

 フィジョアを入れずにりんごだけで作っても良いですし、全粒粉を使わずに普通の小麦粉だけでもOK。とっても簡単なので是非作ってみて下さいね。

 りんごは甘すぎず、酸味のあるタイプのものがオススメ。

② フィジョアとバナナとココナッツのキャロットケーキ

 こちらも、ニュージーランドの家庭でよく作られる人気のケーキ「キャロットケーキ」をアレンジしたもの。
 フィジョアのトロピカルな香りがココナッツと良く合います。
 
【材料】
●バナナ    1本 熟れて柔らかくなったもの
●にんじん   大1本
●フィジョア  300g(皮を除く)
●サラダ油   167ml(2/3カップNZ)
●玉子     2個
●ベイキングソーダ  小さじ1
●乾燥ココナッツ 66g(3/4カップNZ)
 *英語でdesiccated coconutsという、細かく刻まれたもの。パウダーよりもこちらがおすすめ。
●はちみつ  80ml もしくは 砂糖120g
●塩  ひとつまみ
●小麦粉    110g
●全粒粉    110g
●ベイキングパウダー 小さじ1
●シナモンパウダー  小さじ1
 
【作り方】
1.オーブンを200℃に温めておく。

2.バナナはフォークでつぶす。にんじんは粗めにすりおろす。フィジョアは中身を約2cm角ほどに刻む。

3.バナナ、にんじん、フィジョア、サラダ油、玉子、ベーキングソーダ、乾燥ココナッツ、はちみつ、塩をボールに入れてよく混ぜる。

4.小麦粉、全粒粉、ベイキングパウダー、シナモンパウダーを混ぜ、3に加える。スプーンですくうようにしながら全体をよく混ぜる。混ぜすぎないようにしましょう。

5.ケーキ型やマフィン型に、9割ほどの高さまで注ぎ入れ、20~25分ほど焼く。膨らんで、上面に焼き色がついたらOK。

6.オーブンに入れて、表面が色づき、さっくりしてくるまで、約30分ほど焼く。

 

フィジョアのキャロットケーキ
ニュージーランドでは、ケーキの上に甘いアイシングを載せてデコレーションすることが良くありますが、我が家ではケーキにりんごのグラッセとヨーグルトを添えるのがお気に入りです。 

 

日本で手に入るフィジョア製品

  ニュージーランドでは秋になるとどこでも簡単に手に入るフィジョアですが、日本ではどうなんでしょうか?
 
 調べてみたら、いなかパイプのスタッフの方や編集部員の方々も住んでいる広島県で栽培されているようですね!通販サイトで、フィジョアの実の写真がまさかの縦切りでびっくりしました。笑

 日本とは季節が真逆のため今は旬ではないと思いますが、秋になって覚えていらっしゃったら、生のフィジョアを試してみてください。(日本産とニュージーランド産で味が違うかどうかは、分かりません)

 

 私がニュージーランドにいらしてくれたお客様でフィジョアのシーズンを逃してしまった方にオススメしているのが、乾燥フィジョア

 ネルソンで大人気のドライフルーツ「Little Beauties社」が、ドライフィジョアも作っていて、とても高品質で美味しい。

 

日本でニュージーランド産の食品を取り扱っている通販サイト「KORU」 

 こちらで、Little Beauties社のドライフルーツを購入することが出来ます。
 https://www.koru-japan.com/
 
 現在の取扱商品はゴールデンキウイとボイセンベリーの2種類ですが、フィジョアも新たなラインナップとして輸入に向けての手続きを行っているところだそうです。

 こちらの動画で、Little Beauties社と商品の紹介と一緒に、フィジョア畑の景観も見ることが出来ます。是非ご覧下さい。

 

KORUの社長フロリスはネルソン出身。

 取扱商品の多くが、信頼のおけるネルソンのメーカーからのものです。自分自身が生まれ育ち、地域に根付いた自然との関わりを大切にする価値観を良く理解しているからこそ、誇りを持って輸入販売をされているのだと感じています。
 KORUの理念やフロリスのメッセージを読むと、この考え方、すごくネルソンの人っぽい!と思い嬉しくなりました。

 

 そんなフロリスから、最後まで読んでくれた<いなかパイプ>の読者の皆さまにプレゼント!!
 
 KORUのウェブサイトより、購入時に以下のクーポンコードをご利用下さい。全品20%OFFの特別割引が適用されます。
 

 クーポンコード:コロナ応援スペシャル
 

 コロナ応援スペシャルと言うことで、だいぶ太っ腹な割引を頂きました。7月末までの期限となっています。この機会をお見逃しなく!

 

りんご農園の紅葉
黄色に染まる収穫を終えたりんご農園より

 

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