学ぶ

いなかインターンシップ

エノキタケづくりから世界へ

有限会社宇和島食菌 酒井正則さん・酒井和光さん

有限会社宇和島食菌
酒井正則さん・酒井和光さん

 炒めても、味噌汁に入れても、鍋に入れても馴染むエノキタケ。主張しないけど入っていると嬉しくなる。そんなエノキを栽培しながら、ブータン王国とのつながりもつくっている会社でインターンシップしませんか?
 菌に興味がある人、日本にいながら外国人と一緒に働いてみたい人、地方企業の海外展開に興味がある人などにオススメです。

父の思いをつないで兄弟で奮闘

 愛媛県宇和島市、高知県との県境近くにエノキの生産と販売を手がける「有限会社宇和島食菌」があります。
 周囲を山と田んぼに囲まれた中に工場があり、本棚に漫画がぎっしり詰まった楽しそうな事務所で、部長の酒井正則さんと、工場長の酒井和光さんが迎えてくれました。

有限会社宇和島食菌部長の酒井正則さんと、工場長の酒井和光さん

「打ち合わせに来た人がリラックスして楽しんでくれるように、漫画やマージャン台を置いてるんです。最近では飲んで泊まれるようにとベッドも起きました」

と正則さん。お二人はご兄弟で、経営面を兄の正則さんが、現場を弟の和光さんが担い、会社を支えています。

「宇和島食菌は元々、青果物の物流の会社から始まり、平成元年からエノキを作り始め、会社の番頭をしていた父が受け継ぐ形で経営してきました。当初は作れば売れる時代でしたが、市場の変化によって次第に売り上げが下がりいよいよ会社が危なくなった時に父から『どうにかしてくれ』と言われて愛媛に戻ってきました」

 元々、全く継ぐ気はなかったという正則さん。都会の生活に疲れていたこともあり愛媛に戻って会社を手伝うことを決意。しかし会社の状況は想像以上に大変で「空白の15年でした」というくらい、自分達の給料もない、その日暮らしの生活だったそうです。

「父を助けたい、やるから精一杯やろう、という気持ちだけでしたね。」

有限会社宇和島食菌

 一方、工場長の和光さんは地元の工業高校を卒業後、長野県立農業大学のエノキ部門で2年間栽培技術を学んで20歳の時に宇和島食菌に入社し、以降現場一筋でエノキを作り続けています。
 二人で力を合わせて会社の立て直しに奔走し、光が差したのが2002年に地元の大手スーパーとの直取引がはじまったこと。それまで市場価格に左右されていたところから、安定した価格で取引ができるようになりました。

 エノキは年間を通して売り上げが大きく変動する作物で、売れるのは冬場。主に鍋の具材としての需要が高いそうです。そのため、エノキの売り上げが下がる夏場に作れるものを探していたところ、たまたまヒットしたのが「接ぎ木苗」の生産でした。
 全くの素人からはじめて研究を重ね、今では主にナスとトマトの育苗をしています。

ナスとトマトの育苗

外国人労働者との出会いから海外事業へ進出

 エノキと接ぎ木苗の2本柱で徐々に経営を安定させていった宇和島食菌のもう一つの転機は、外国人労働者との出会いでした。
今、宇和島食菌では正社員9名の内、4名はブータン、ベトナム、ネパールから来たスタッフが働いています。その中のブータンから来た女性とタッグを組み、今、海外展開への準備をしているそうです。

「まずやろうと思っていることは乾燥エノキのブータンへの輸出です。ブータンには元々食材を乾燥させて保存する文化があり、かつエノキは現地にはないんです。そこで商品開発などもしながらブータンにエノキを広めたいと思っています」

と正則さん。乾燥エノキの輸出の他にもいろいろアイデアがあるとのこと。

「今まではものを作る会社でしたが、これからはものを売る、ものを動かすことを付け加えて新しい宇和島食菌を作っていきたいと思っています」

 苦しい時期にエノキ栽培の事業を受け継ぎ、兄弟で力を合わせて事業を守り続けて来られたおふたり。エノキをベースに新しいことをはじめていくんだ、という熱意がひしひしと伝わってきました。

 工場長の和光さんにエノキができるまでの一連の流れを工場の中を案内してもらいながら教えていただきました。
 まずは、エノキを育てるための培地(ばいち)作りから。米ぬか、おがくず、ふすまなどをブレンドして瓶に詰めます。

宇和島食菌工場の中

 ボイラーで高温殺菌したあと、エノキのタネを打ち、湿度が一定の部屋で3~4週間ほど菌を寝かします。

宇和島食菌 菌をねかせる

 その後、瓶表面の古い菌をとって生長を促し、途中エノキがそろって、きれいに伸びるよう紙を巻きます。

エノキの瓶

 出荷を迎えたエノキから紙を取り、瓶からもぎ、包装するという流れです。

宇和島食菌のエノキ

 宇和島食菌では現在9名でこの作業を行っていますが、繁忙期の10月下旬から2月頭はさらに5名ほど手伝ってくれる人を募集しています。

守りつつ攻める

 和光さんにこの仕事の面白さをお聞きしました。

「菌という生き物相手なので、毎回ちゃんと菌が育っていくのかを見守ることが面白いですね」

 作業自体は黙々と単調な仕事が多く、エノキの瓶がパレットを移動させるので、ある程度体力がある人、単調な仕事が嫌いではない人、エノキや菌類に興味がある人が向いているように思います。

エノキ栽培の様子

 さらに、これからブータンでの海外事業がはじまるタイミングでもあるので、海外事業に携わりたい人や販売戦略を考えたい人も歓迎だそうです。

 守りつつ攻める。
 小さいけれど夢は大きい。

 黙々と淡々と働きたい人も、一緒に夢を追いかけたい人も、どちらの人も働ける場所だと思います。
 まずは1ヶ月のインターンシップで、自分に合うかどうかを確かめてみてください。

宇和島食菌の風景

募集要項はこちら

お申込み・お問い合わせはこちら

FacebookTwitterLine

▼コメントをどうぞ