柳川暮らしが楽しすぎて困ります。 ~さげもんに見る柳川クラフトの巻~

2016/04/21

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執筆者: 阿部昭彦柳川市地域おこし協力隊

 

 福岡県の最南部、佐賀県と熊本県に挟まれ、有明海に面した柳川市からこんにちは。柳川市地域おこし協力隊員の阿部と申します。

 これまで、普段はスポットライトを浴びない柳川の隠れた主役たちについて書いてきましたが、今回はあえて堂々の観光資源である「さげもん」をテーマにお話しいたします。

 

柳川のひな祭り

 

 さげもんとは、柳川のひな祭りに飾る「吊し飾り」のことです。

 柳川地方では、昔から女の子が生まれると初節句に子供の健やかな成長を願い、ひな段と一緒に色とりどりの「さげもん」を飾り、盛大に祝うのが習わしです。

 さげもんとは、縁起の良い鶴やウサギ、ひよこ、這い人形などの布細工と鮮やかな糸で巻き上げた「柳川まり」とを組み合わせたもので、「幸福」「健康」など、母親、祖母、親戚等の願いが込められています。(柳川市ホームページより引用)

 

吊し飾り

 

 基本形は、縦に7つの飾りをつなぎ、竹で作った輪にそれを7列下げます。7個×7列=49個の飾りに加えて、中央に大きい鞠を2つ下げて合計が51個。その昔、人生50年と言われていた頃に、それを1つでも超えられるように長寿を願っているのだそうです。私の管理しているKATARO base 32に下がっているのは、1列10個の飾りが全部で8列、そこに中央の鞠が2つの合計82個のもの。寿命80歳の現代版さげもんと言えるのかもしれません。さげもんの詳しい説明は以下のサイトが詳しいので、ぜひご覧ください。

 「柳川のつるし雛さげもん

 

柳川のつるし雛さげもん

 

 さげもんは販売もしていますが、柳川のスゴイところは、これを手作りする家庭の多いこと。聞くところによると、女児が誕生すると、雛段飾りを父方から、さげもんを母方から贈るのが柳川スタンダード。孫に女の子が生まれると「大変なのよ」と言いながらおばあちゃんがさげもんを手作りするので、生まれた月によっては「間に合わない!」と必死になることもあるのだとか。布地の柄をよく考えてから飾りを縫うので頭を使うこと、使うこと。もちろん型紙なんかに頼ることはありません。

 

おひな様水上パレード

 

 毎年2月中旬から3月にかけて「さげもんめぐり」が開催されます。観光スポットはもちろん、一般のお宅でも、自宅のさげもんを飾り、観光客をはじめ多くの方にご披露します。柳川がもっとも華やかに彩られる時期で、観光客の数も一気に多くなります。今年はそこに琴奨菊関フィーバーが重なって、例年よりも多くの方が柳川を訪れてくださいました。先日は「おひな様水上パレード」が開催され、お内裏様、おひな様、着飾った稚児たちが乗ったどんこ舟で堀割を進み、沿道をにぎわわせました。

 

さげもんめぐり

 

 と、ここまでは完全に観光ガイドのような内容ですが、このさげもん文化が、これからの柳川まちづくりに生かせるのではないかというのが、今回の記事の本命部分です。

 さげもんを手作りする文化が根付いているためなのか、柳川には手先が器用で、繊細な作品を作る方がたくさんいらっしゃいます。

 

川下りのどんこ舟

 

 こちらは折り紙で作った川下りのどんこ舟。どうです、見事なものでしょう?この作家さんは、花なども本物そっくりに折り上げることができます。折り鶴程度でも満足に折ることができない私にとっては手品のような職人技です。

 

フェイクスイーツ

 

 こちらは粘土などを使ってフェイクスイーツを作っている作家さん。黙ってお皿に盛りつけてあれば、迷わずにフォークで食べてしまいそうな出来映え。実はKATARO base 32にも、この作家さんの作品を飾ってあるのですが、ほぼ100%の確率でお客さんが驚いきます。こちらの作家さんのfacebookページもどうぞご覧ください。

 「ハンドメイド雑貨工房 Ducca Sweets

 

ハンドメイド雑貨工房 Ducca Sweets

 

 このような繊細なクラフトの技術は、もしかしたらさげもん文化が築き上げてきた柳川のDNAなのかもしれない。これまでは発表の機会に恵まれなかったために埋もれてしまっていたけれど、適当な場所と仲間が見つかれば、新しい展開に結びつけることができるのではないか。

 そう考えた私は、現在「KATAROマルシェ」と銘打ったイベントを毎月KATARO base 32で開催しています。これまでマルシェのような企画がほとんど行われてこなかったからか、現時点では柳川出身の作家さんの数はほとんどありませんが、少しずつ「自分もやってみたい」という声が聞こえ始めてきました。ゆくゆくは柳川の作家さんだけでマルシェを開きたい。その夢もそれほど遠くはなさそうです。

 

KATARO base 32

 

 城下町柳川が長い時間をかけてつないできたさげもんの文化。その根底に流れる手作りのDNAが形を変えて現代に花開く。それは、柳川一面を流れる堀割の水がいつも変わることなく流れている景色とどこかで重なるような気がします。ぜひみなさんも、一度、柳川に遊びに来てください。楽しみにお待ちしています。

 

 

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