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間伐から木工まで。高知県土佐町のお山の学校

2017/05/23


 以前、林業の地域密着型インターンシップについてご紹介させて頂いたことがありましたが、3月末に再度、3日間だけのインターンシップが開催されました。
 そのときの様子と今後の開催についてお伝えしようと思います。

 

石原地区ってどんなところ

 石原地区は土佐町の西の端にある集落。土佐町は山間部のまちですが、石原地区はさらに山に近く、昔ながらの集落の景観が残り、地域の人々のほとんどは農業林業に従事しています。

 

集落の景観

 

 土佐町の中心地から車で30分ほど離れた場所だからこそ、この集落のコミュニティ力は強く、若い人が自発的に行事を取り仕切ったり、集落で合同会社を立ち上げたり、集落の産物を販売する日曜市を独自に開催したりしています。
 また、集落では大学生や県外の人などを積極的に受け入れようという動きもあり、合宿、視察、インターンシップなどによる交流人口が徐々に増えてきています。

 

年末のライトアップのイベント
年末のライトアップのイベント。きれい!

 

今回のインターンシップ

 これまで林業のインターンシップのことは開催するたびに何度もお伝えしてきました。毎回同じように見えるかも知れませんが、今回は少し内容が変わっており、製材・木工の体験がありました。
 山が豊かな地域のため、集落内には製材所や作業場がいくつもあり、それを生業にしている人がたくさんいます。それを活かしてインターンシップのプログラムに取り入れてみようということになったのです。

 

製材体験

 間伐した木は乾燥後、製材所に持ち込まれて木材に加工されます。今回見学したのは石原地区で間伐から製材、木工までを行う「窪内製材所」。
 製材所には丸太がたくさん積み上げられており、そのほとんど使用用途が既に決まっています。

 

製材所前で説明をきく
製材所前で説明をきく

 

 夫婦2人で営んでおり、ご主人が木の選定・機械の操作などメインのお仕事をして、奥様はできあがってくる木材の受け取りと荷捌きを行います。高速回転する加工刃の両側でそれぞれが仕事をします。
 一方が丸太を押し出し、もう一方が材をキャッチするという共同作業を一日中しているのですが、ご主人いわく、「仕事ぶりから奥さんの微妙な体調の変化がわかる」とのこと。そして、場合によっては即仕事を切り上げるという判断をすることも。危険な仕事ということもあり、そういった判断は重要なのでしょう。
 実際、製材所の真ん中で高速回転する刃は巨大で強力で恐ろしい。巻き込まれでもしたら大怪我です。気が抜けません。

 

高速回転する刃

 

 それでも、丸太が一瞬で材に加工されていく様は見ていて気持ちがいい。
 そして、見ていると木の性質がよくわかります。節があったり、曲がっていたり、木は金属のように均質な素材ではないということ。その性質を活かして加工の方法や使用用途を決めていくということ。
 山で間伐作業をしたことのある人ならわかると思うのですが、間伐の段階にも「この材はまっすぐで良い」「曲がっているからこれはB級C級だ」という見立てをしていくのですが、製材ではその見立ての再確認ができるというわけです。
 材の中でも曲がりが激しい箇所は建築材には不向きですが、この日近所の方が薪として活用したいと言ってそれを引き取って行きました。

 

木工体験

 木工は製材よりもさらに木を肌で感じられる作業。そして、木を活かし形を与える最終段階の作業です。楽しくないわけがない!
 窪内製材所には木工所スペースもあって、ここでオリジナルの家具や木工品などが生まれます。

 

木工体験

 

 今回のインターンシップは、参加者それぞれが自分の作りたいものを作れるというなんとも太っ腹なもので、皆「本箱」「イス」「踏み台」「まな板」「道具箱」など、作品制作にかかりました。

 

製作中のテーブルといす
製作中のテーブルといす

 

 木工所の中には木材、端材がたくさん積まれていて、その中から自分の作りたいものに合う材を選び出します。表面に研磨を掛け、長さをカットし、ネジや釘を使って継ぎ合わせていきます。
 自分で日曜大工で作品を作るのとは違い、ここには様々な道具があり、自由自在にものづくりができる。自分で好きなように家具などを作れたりしたら、すごく楽しいだろうなぁ。ここでは夢ではありません。

 

まっすぐ加工

 

 一連の作業を通して、改めて材はそれぞれ個性があることがわかります。まっすぐ加工したつもりでも隙間ができたり寸法が合わなかったりとなかなか一筋縄ではいきませんが、だからこそ工夫の余地があり、味が生まれます。
 この最後の木工という作業を通じて、さらに林業という仕事を身近に感じられる気がしました。

 

今後の石原地区のインターンシップは?

 今回のインターンシップは、3日間で間伐、製材体験、木工体験を行いました。
 これは地域での細かなサポートから得られるからこそ実現できることです。ここまでコアなインターンシップはあまりないのでは?

 今後も石原地区でこのようなインターンシップの開催を計画しています。まだ内容を練っているところですが、林業以外にも山で体験できる様々なプログラムを年に3~4回実施する予定(まだ日程は未定です)。
 興味のある方はぜひ参加してみてください!

 

今回の参加者たち
今回の参加者たち。後ろは石原木材を活用した移住促進住宅。

 

お問い合わせ:
石原集落活動センター
0887-72-9328

 

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