11年目のいなか再確認

2017/04/18

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執筆者 川村かおり
所 属

 高知・中土佐町久礼から川村かおりです。こんにちは。

 東京からこっちに来てちょうど10年たちました。さすがにもう周りから“高知のおばちゃん”とか呼ばれだし、幾分不本意ではありますが…。
 確かにこっちの自然の豊かさには、「あたりまえ」すぎて気づかなくなってしまったカモ?

 

 

 昔から3月のこの時期が大好き。切ない別れと何か新しいことが始まりそうなワクワク感、2つの気持ちが入り交じって。

 酒造の造りも絞りも全ておわって後は片づけのみ。そんな状態なので、さあこの春からはお酒のお勉強はもちろん、ずっと続けている「発酵」これからも頑張るゾー!とヤル気になっている今日この頃です。
 というわけで今月は毎週末、勉強のため上京しては会に参加したり、知り合いの蔵元を訪ねたり積極的に動いています。

 

 

 東京はいつ帰っても刺激的。街は人がたくさんあふれてて建物や風景はどんどん変わる。久し振りに戻るとそれをとても楽しんでいますが、友人との会話で「やっぱり高知っていいじゃん」って言われてハッ! としました。
 評判のお店でおいしい物を食べられるけど、それもいいけれど。近所のおじさんが作ったアスパラのおすそわけ。漁師さんが作ってくれた鰹のしおから。杜氏が作ってくれるイノシシの鍋。
 お金を出さず、物と物でいつもお返しし合う間柄。畑でとれたての野菜を生で食べるおいしさ。自然豊かな田舎ならではなのだナーと改めて気づかされます。

 

 

 先日、東京から蔵へお客さまが来まして。毎年酒づくりを体験しに来られる酒屋さん。今年はどんな料理でもてなそうか、と杜氏と話し中庭でワラ焼タタキして、酒粕で漬けた鹿肉バーベキューもしよう! ということになりました。
 杜氏は猟師でもあり、イノシシとか鹿とかよくとるんだそうです。酒づくりの間は蔵にこもっているのでさすがにこの鹿はいただきものでしたが、去年も今年も何度か蔵でジビエを食べられるって、よく考えたらスゴいことですね。

 

 

 漬床づくりは私の仕事。うちの蔵の酒粕と醤油やにんにく、しょうがのすりおろしなども入れ、作りました。お酒は肉や魚に味をしみこませやすくする効果があるので、酒粕の漬床は3日程で充分、味がつきます。

 こうして鹿肉の粕漬バーベキュー、ワラ焼きタタキでお客さまをもてなすことができました。
 ワラ焼きタタキももちろん、カツオは魚屋さんで買ってきたけど、道具は全部杜氏お手製。ワラは杜氏が作った酒米のワラ。ドラム缶は半分に切って、タタキをのせる。

 

 

 よく料理番組とかでやっている家庭で作るタタキだと、「強火で表面を焼いた後、氷水でしめる」なんていっているときもありますが。高知流? では(いや、久礼流?)タタキは氷水でしめません。ヌクヌクと表面に少し熱が残っているまま食べるのが一番おいしい、と思っています。実際おいしい!
 蔵の中庭だったのでドラム缶で豪快にタタいたけれど、家でやるときは一斗缶の底にいっぱい小さい穴あけて、バーベキューの網を使って庭先でタタキをやるのもアリですよ。

 

↑こんな熊手みたいな(もちろん鉄でできている)やつもお手製。

 

 そう、こんなことがスッとできてしまうって、やっぱりココならではなのかと思うと、田舎もいいなあと改めて思うのです。
 さぁ、後は発酵調味料、味噌づくりと、去年仕込んだ味噌でこの1年、のり切るゾ。

 

~川村さんからのマガジン原稿・手書きVer~

 

 

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