人とのおつきあい

2016/09/16

顔の写真
執筆者 川村かおり
所 属有限会社 西岡酒造店

 

 やっと朝晩、涼しくなってきたでしょうか。ついつい自転車通勤中の景色にも秋を感じさせるような匂い、しだしました。

 

秋晴れ

 

秋空

 

秋のあぜ道

 

 高知、中土佐町から川村です、こんにちは。発酵の勉強もいよいよ協会認定の講師養成講座へと突入しました。酒造りももうすぐ始まってしまうので、蔵に入りながら半年かけてじっくり講師の勉強しようと思います。

 先日、夏休みをもらい東京へ帰省しました。 人のいい社長は夏休み申請したその間、数日仕事を入れてくれ、おかげで旅費の半分は会社が出してくれました。田舎のいいところはそういう優しさがあるところ?東京のおっきな会社じゃ考えられませんよね?ゆっくり娘とショッピングしたり、ポケモンセンターにも行ってきました。

 

ポケモン

 

 発酵文化協会の主催する麹の講座も受けたり、いろんなお店へ行って利き酒したりプライベートも充実。

 仕事は得意先回り。 普段、うちの蔵のお酒を卸している酒屋さんに挨拶まわり。 個人的に前回お仕事で回った居酒屋さんだとか、うちの蔵のお酒を置いてくれている地元の居酒屋さんへも行けました。楽しかったーっ!

 飲んだお酒はほんとに色々!日本酒ってそれぞれ味が違って個性があって、作り手の思いがこもる貴重な発酵飲料だなぁとつくづく思いました。そんな仕事に自分も携わっているなんて!考えただけでも幸せです♪

 ここ(中土佐町)に来なかったら、こんな人生にならなかったはず! 苦しいことがあっても、やりたいこと、思うことをできる限り努力して続けてきてよかったって思います。 たとえ今がいいことばかりじゃなくても。

 

 日本酒

 

 自分が何をしたいか。「酒造り」「発酵にずっと携わっていきたい」「何かを手作りしていきたい」 でも簡単じゃなくって。 本当に嫌なこともつらいと思うこともあります。 私のやっていること、意味があるのかなとかね。私のやりたいこと、思いの原点はここです。

 東京にいるとき、人間関係を築くのが上手だったか?って考えると、必ずしも「ちゃんとやれた」とは言えません。仲たがいした友人もいるし、近所の人とうまくいかず、面と向かって口論したこともある。 子供のPTAでも上手にこなせたか自信もない。でもこっちに来たら、お互いがその人をある程度、認めている、尊重していると感じることがたくさんあります。

 

 言葉がきつくてとっつきにくい人でも、言葉数が少なくてコミュニケーションがとりずらい人でも、すぐ怒る人でも、無表情な人でも、愛想がない人でも、それを個性としてそれほど気にせず接します。あの人はあんなだからね、と悪口にもとれないよう、笑い話としてカラッとしている。田舎ってそんな感じです。 そんなことは大したことじゃないって感じです。と、田舎の人づきあいについて初っ端からテンションあげて書いてしまいましたが。

 

 中土佐町へ移住希望者にはちょっとした朗報があります。な、なんと、移住希望者が住居をリフォームする際、上限100万円の補助が受けられるとのことです!

 移住先が親族の家などはダメ、という条件はあるものの、常識的に考えて普通に県外から移住してきた場合、町に相談して借家が見つかった場合に、家主さんのOKさえもらえればそういった補助が受けらる。これは結構嬉しいと思います。

 移住相談窓口をもつ役場としても、この補助制度は家主さんへの賃貸意欲をそそるにも効果があると思いますし、移住を決意しても見つかった家の不便を解消したいと思うならチャンスだと思うし。中土佐町やりますね! 人口増えたらうれしいですね!

 

 お仕事は前回の記事で書いた通り。東京ほど仕事情報は充実していないですが、小さい仕事をちょっと見つけてやっているうちにどんどん大きな仕事につながっていきます。

 田舎は書類選考じゃなく、人づてにきく人柄と実際に見る仕事ぶり。 これにつきる。つまり最初にやってみるチャンスを得るのは都会より簡単、そしてあとは自分の仕事ぶりをみせつけるだけ。一生懸命、たとえ初歩的な、基本的なことでも一生懸命とりくむかどうか、それだけです。続けていると信頼を得ることができて、任されることが多くなる。となると、まさにアメリカ的な実力社会なのでしょうね。都会の大企業の学歴社会とは全く違うのです。

 

 やりたい仕事がみつかるよう、生きがいが見つかるよう、とりあえず田舎にきてみてやってみる。ここには肩書や学歴を気にする人はあんまりいなくて、仕事ぶりと人柄が評価される。それは決して難しいことじゃなくて、何かを一生懸命つづけていれば自然と理解される。へんなフィルターのない、正直な社会が田舎なのかも。

 人は自分の鏡。警戒して接したら警戒される。優しくしてくれる人に嫌なことはできなくて、優しくしてあげたくなる。微笑まれたら、微笑み返したくなる。

 

 これはきっと田舎だけじゃなく都会もそうだけど、少なくとも私は、毎年、東京へ帰省するたび、東京での人づきあいも、ずっと東京にいたころより上達しているって実感できるのです。

 一人でも生きていけるのはとても強くて、死ぬときは一人なのだから、それができるということはすごいと思います。だけど、いつかは一人で死ぬのだから、生きているうちに適度な人間関係を気づき、一人じゃないと思えることが、生きているうちに感じる幸せの一つだとも思います。

 田舎暮らしはきっと、あなたに何かを教えてくれます。

 

 

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