頴娃で清々しく暮らしています~!

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執筆者 瀬川知香
所 属NPO法人 頴娃おこそ会

2016/06/01

 

 みなさまはじめまして!今年度よりこちらで記事を書かせていただくこととなりました福澤知香(ふくざわちか)です。私は今鹿児島県南九州市頴娃町にて観光まちづくりに関わる仕事をしています。

・・・え?南九州市の後が読めない!?よくクイズ番組などで難読地名としても取り上げられるわが町。「頴娃」で「えい」と読みます。読めない・書けない町として有名です。泣

 今回初めての投稿となりますので、私の住んでいる頴娃町についてご紹介します!

 

頴娃番所鼻自然公園

 

 頴娃は県庁所在地の鹿児島市より車で1時間の場所にあります。主要産業は農業で、その中でもお茶の大生産地です。他にサツマイモや鶏卵などの出荷量が多い町です。

 人口は約1万3千人。2007年の市町村合併で、隣接する川辺町・知覧町と合併し3町で南九州市となりました。春~初夏にかけてはお茶の最盛期で、茶葉が黄緑にきらきら輝きお茶大国頴娃を感じる季節です。鹿児島市内から車を走らせ喜入(きいれ)峠を過ぎると、目の前に広がるお茶畑。そのどこまでも続く青空と茶畑に魅了される人も多いです!

 町内を走ると東シナ海と開聞岳も見え、住んでいながらに日々「なんて素敵なとこなんだ!」と毎日感動しています。笑

 

 私は2015年の8月に頴娃に移住してきたヨソ者です。これまで大阪・高知・鹿児島県いちき串木野市で旅行・観光業に従事してきました。大好きな業界の仕事に10年従事して、どの職場も楽しく、携わった全てのプロジェクトにやりがいを感じていましたが、なんとなく心がもやもや・・・。このもやもやを因数分解したところ、ある考えにいきつきました。それは、私はこれまで「観光のための地域」というスタンスで仕事をしていた、ということ。観光バスを何台誘致できるか、観光客が何人来たか、観光消費額はいくらだったか・・・。

 

 そして、広く外に発信していたことに気付きました。一生懸命やってもいつもどこか納得いかない。私のやっていることは、地域が潤い、住んでいる人々の幸せに繋がっているのだろうか?大げさに考え過ぎかもしれませんが、こんなことを悩んでいるのだと気がつきました。私は自分も含め住んでいる人が「よか町だ~」と自慢できるような町にしたいし、そうあったら幸せだなぁ~と常々感じています。今は「地域のための観光」を軸に、もやもやすることなく(笑)、毎日田舎でバリバリ働いています~!

 頴娃に移住した理由は、私の在りたい観光の姿がまさにあったから。主要産業である農業が緩やかではあるけれど衰退している現状。お茶農家の息子がお茶に未来を感じられず、後を継がない現実。人口が着実に減っていき、空家が増え、頴娃らしい風景が失われつつある寂しさ・・・。

 

頴娃グリーンティリズム様子

 

 私が所属しているNPO法人頴娃おこそ会は、「こども達が帰ってこられる町」を目指し、地域課題解決のために活動をしています。その中でも近年観光まちづくり活動が活発で、観光の力で町が明るくなってきていることを肌で感じています。まさに「地域のための観光」だな、頴娃おこそ会の活動にとても共鳴し、昨年8月より頴娃おこそ会観光プロジェクトチームノコーディネータに着任し、観光業で培ってきたスキルで町の課題を解決できないか?奮闘しています!

 今取組んでいるのは主に古民家再生や視察・研修生の受け入れ、観光プログラムの企画や運営です。かつて頴娃最大の繁華街であった石垣地区。50年くらい前までは100店舗ほどが軒を連ね「石垣に行って買い物することが何よりも楽しみだった!」と頴娃で生まれ育った母親も懐かしく話します。それが今では9店舗まで減ってしまいました。

 

 これから店を100店舗まで増やすことは出来ないにしても、このまま衰退しているのを何もしないで見過ごすわけにはいかない!と商店主が立ち上がり、頴娃おこそ会や学生、地域のおじちゃんおばちゃん皆で古民家の再生に取り掛かることとなりました。

 その建物は築100年の元お塩屋さん。お金はかけられないけど、知恵を出し汗をかき、根気強く改修にあたりました。約1年間でここまで作業が進みました。この建物、今は「○○屋にする!」というのは決まっていません。様々な人が、色々なコトを試し、一番しっくりくるのは何かを2年くらいかけて緩やかに方向性を見つけていきたいと考えています。

 この場が生まれたことで、これまで「何かやりたい!」と思いうずうずしていた人が動き始めました。バーテンダーの経験がある人が1日限りのBARを開いたり、ママたちも家業の手伝いだけでなくママ自身のキャリアップのために講座をしたい!と声をあげたり・・・。これまでなかった新しい挑戦の芽がポツポツと芽吹き始めています。

 

頴娃塩屋BAR様子

 

 また、農業と観光の連携も模索しています。すでに取組んでいるのが頴娃のお茶を五感で満喫することができる「グリーンティーリズム」という観光プログラムです。「グリーンツーリズム」は全国どこでも実践されていますが、お茶処頴娃は「グリーンティ」という言葉を入れ込みました。お茶農家による茶畑ガイドを楽しみ、その後は淹れ方にこだわった美味いお茶を、茶畑を眺めながらじっくり楽しむ、というものです。

 ただ作って出荷するというスタイルでは立ち向かえなくなってきた今、大変だけれどもこんな時代だからこそ新たなチャレンジが生まれるのだなぁと感じています。頴娃の主要産業である農業を、観光を手段に後押ししていきたいと考えています。

 まだまだ現在進行形のプロジェクトや私自身の野望もあるのですが(笑)、それはまた次回以降にお伝えしていきたいと思いますー!何はともあれ1年間よろしくお願いしますー!

 

 

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