足るを知る2017

顔の写真
執筆者 冨永健
所 属一般社団法人MIT

2017/08/29

 はい、こんにちは。対馬の事務屋ですよ。
 先日は家の前でヤツガシラがお散歩していまして、すっかり癒されモードであります。

 

小さくてよく分かりませんが
かわいいですねえ、、、って、小さくてよく分かりませんが

 

 いなかマガジンを書かせていただくようになって三年。ちょくちょく「いなかマガジン読みましたよ!」と言われることがあります。
 反響があるのは最初の「事務屋こそ、いなかを目指そう!の巻」と、二年目の「移住から2年経ち、都会といなかの生活環境を比べてみたら、どっち(で)もいいね!と思ったハナシ」の二本です。
 やはり、いなかへの転職と暮らしぶりにみなさん興味があるのでしょうか。
 
 そんなわけで今回は、いなか暮らしの良さをもう一回振り返ってみようと思います。
 今回は都会との比較もせず、一般的には「いなかバンザイ記事」と言ってこき下ろされる類の内容となっておりますので、その点はご注意ください。【いちおう、注意書きを太括弧に書いておきますが】
 さて、個人的に感じるいなか暮らしのメリットは大きく分けて3つあると思うのです。

 

1.出費が少ない

 
 これまでの記事の繰り返しになりますが、住居費が圧倒的に安いです。家賃が安いということもありますが、空き家バンクの売り物件だと200~300万円の物件がゴロゴロしているでしょう?
【建物の販売価格が安い場合、地権者が別だったり、何らかの抵当に入っていたり、修繕が必要だったり、水道が来てなかったりなどいろいろとデメリットもありがちなのでご注意ください】
 なので、ちょっとやそっと収入が減っても可処分所得は十分足りるのではないかというイメージがあります。
 
 また、家賃が安いということで起業するにも最適ですよ。何しろ、起業=新しく事務所を借りる=家賃と前家賃と保証金でいくら必要なのか、、、と途方に暮れる人が多いですものねえ。いなかは家も広いので、自宅の一角を事務所として会社を立ち上げる人も少なくありません。
 都会の頃よりも増えた出費と言えば、車の維持費くらいのもんですよ。特にいなかだとガソリン代が高いのも気になりますが、軽トラックでもリッター20kmは走りますので、どんなに高い時期でも10円/km程度。車検だって月あたりで考えたら5,000円もしませんし、何といっても駐車場がほぼ無料ですからねえ。
 物価としては、競争が少ないのと輸送費の関係からモノの値段は高めですが、そもそも買い物をする機会が少ないので、我が社でも灯油の配達が来たりしたとき「サイフどこに置いたっけ?」みたいな発言が飛び交っています。

 

シカの革で小銭入れ
昨年、シカの革で小銭入れを作りました

 

2.野菜を育て、魚を釣り、鶏を飼える

 
 1とも関係しますが、採れたての野菜とか魚介類を食べられるんだから、経済的価値に置き換えたら結構お得ですよね。物々交換のおすそ分けも多いですし。
 しかも、自分で作った野菜なら、農薬がどーとかF1がこーとか、意識高い系フーディストたちも納得でしょうし。全く農薬を使わずに育ててもいいし、自分が許容できる範囲で安心できる程度に農薬を使ってもいいのです。何しろ鮮度は確実。これはもういなかの特権と言っても良いでしょう。
【もちろん、畑が無ければ野菜は作れませんが、たいていどのこのいなかでも農地は余っています。使わせてもらえるかどうかはあなた次第ですが、畑も貸してもらえないようなら、そこに住むのは難しいかもしれません。いろんな意味で。】

 

熟れてから収穫するトマトは激美味
熟れてから収穫するトマトは激美味

 

 そして、作物の一番おいしい旬の時期に食べられる喜び。自分で育てて食べるようになると、冬にスーパーで売ってるオクラを買う気になりません、、、種から育てて花を愛で、大きくなり過ぎないように気を付けながら収穫して食べるオクラの美味しいことと言ったらあなたもう。

 

オクラまじかわゆす
オクラまじかわゆす

 

 お魚だって、仕事が終わってから港に行って釣りをして、自分で釣ったやつが夕食のおかずになるんですから一挙両得。対馬だとサバを刺身で食べられるとか、ここでしかできない食生活もありますし、これはもうプライスレスの喜びですよ。【逆に、買おうと思ったら遠くのお店まで買いに行かなければいけませんが。】
 イカが釣れたらそのまま醤油ダレに漬け込んで、沖漬けならぬ「防波堤漬け」を作ることもできますよ。

 

ノドグロは漁師さんに
ノドグロは漁師さんにもらいましたが

 

 そしてニワトリ。平飼いのニワトリの産みたてのタマゴを、ホカホカのままごはんにかけて食べられるのです。しかも、ニワトリに何を食べさせるかを自分でコントロールできるんですよ。無農薬のダイコンの葉っぱを食べさせてもいいし、米農家さんから屑米を分けてもらってもいいし。
 もちろん、農協の配合飼料を食べさせれば毎日タマゴを産みますから、どちらを選ぶかも自分次第。2年も飼えば、そのままお肉として食べても美味しいらしいですよ。もちろん、雛から飼い始めたニワトリちゃんを食べるなんて、とてもできませんけれども。

 

農協で買うと1,600円くらいです。Amazonより安い!
農協で買うと1,600円くらいです。Amazonより安い!

 

3.ゆとりがある

 
 もちろん、時期的に忙しいことはあります。例えば年度末、そして年度始め!
 でも、都会の頃より通勤時間が短くなったので、本当にゆとりを感じますよ。ちょっとくらい忙しくても、終電タクシーあたり前の都会時代を思い出すと「忙しい」なんて言えません。
【終電どころか電車が無いし、タクシー呼ぶだけでン千円かかりますから比較できませんけれども】
 
 都会の頃は平日が激務だったので、週末に疲れを癒す(サッカー観戦でストレス発散、試合がない日は寝る)という生活でしたが、今は平日にもゆとりがあるので、週末はもっとゆとりが。
 平日朝、出勤前に釣りに行き、夕方、会社から戻って釣りに行き、夜飯を食べてからまた夜釣り、、、なんて夢のような生活もしているのに、週末は遠くまで釣りに行ける!
 夜釣りの途中、釣れないな~と空を見上げれば満点の星空。ナントカ流星群の時期じゃなくても、ちょいちょい流れ星が見られますし。
 
 庭や道路やあちらこちらの草刈りがあったり、ちょくちょくご近所さんのお手伝いをしたり、都会では想像もしなかったような忙しさはあるのですが、追い込まれて精神的にキツいような忙しさは皆無と言っていいでしょう。
 むしろ、ヤマネコがいた!とか、ヤツガシラが歩いてる!とかイルカが来たぞ!などなど、やはり都会では想像もしなかったような楽しい驚きがあって、精神的にゆとりがある生活で、日々幸せを感じております。
【もちろん、社内のイライラの種も尽きませんがw】

 

ニワトリがヤマネコに喰われてたり
出張から帰ってきたら、ニワトリがヤマネコに喰われてたり(涙)

 

 その昔、中国の偉い人が「足るを知る者は富む」と言ったそうですが、いなかで暮らすとそのことを実感します。都会から見れば圧倒的に不自由で経済的には小さな暮らしですし、何でも手に入る便利な生活ではなく、ミニマリストのようにおしゃれな生き方でもないけれど、満ち足りた暮らしがあると。
 新発売の商品を消費し続ける生活も楽しいですが、自分で育てた野菜から種を採り、翌年また種を蒔いて苗から育てて、、、という生活もまた楽しいのです。

 

イチゴは種じゃなくて
イチゴは種じゃなくて、伸びてきた芽を増やしていくんですって

 

 偉い人の言葉は「足るを知る者は富み、強めて行なう者は志有り。」と続くのだそうです。(知足者富、強行者有志)
 解釈はいろいろあるそうですが、「満足せずに志を持って努力を続けよ。」とか、「志を持って続けるからこそ、満足できるのだ」という解釈もあるのだとか。
 
 心に留めて、今年度もがんばって参りましょう!

 

記事の感想送ると100ポイント進呈!
ポイント貯めてプレゼントGETしよう

いなかマガジンを読んだら「いなかパイプアプリ」へ感想をぜひお送りください。
アプリを下記からダウンロード→「お問い合わせ」へ感想を送信でOK!
ポイントを集めるとプレゼントがもらえます!

FacebookTwitterLine
顔の写真
冨永健さんのプロフィール・記事一覧はこちら
    • MITで一緒に働こう!
      詳しくはこちら

    • 冨永健