上勝町・いろどりインターンシップ

2013/01/22

みなさま、明けましておめでとうございます。

久々にいなかマガジンに投稿させていただきます。

 

私ごとですが、今年は年男(巳年)、厄年、新年のおみくじは小吉、誕生日(1月13日)も無事に迎えることができ、おかげさまで幸先のいいスタートを切ることができています。

今年のテーマは「整理整頓」。

これでいこうと思っておりますのでよろしくお願いいたします。(※ちなみに昨年は「軽い男になる!」でした。なれなかったですが。)

 

さて、2013年一発目の記事のテーマは僕の日々のお仕事である

 

「インターンシップ」

 

について書いてみようと思います。

 

上勝町では10年以上前から、「緑の協力隊」事業、「田舎で働き隊」、ワーキングホリデーなど様々な交流事業を行ってきました。

 

そして今から約2年半前に始まったのが、インターンシップ。

高知の四万十ドラマさん、三重のモクモクファームさん、福島会津の素材広場さん、徳島のいろどりと、全国の4地域が連携し、内閣府の事業で実施しました。

 

2011年12月までの約1年半の間に上勝町では236名のインターン生を受け入れました。

当初インターンを始めた一番の目的としては、上勝町の主産業である「彩」ビジネス―主に日本料理のわきに添えられたり、敷き葉として使われたりする、「つまもの」といわれる葉っぱの生産・出荷―の後継者を見つけてこよう、育成しようということでした。

 

葉っぱビジネスはテレビや新聞、雑誌などに頻繁に取り上げて頂き、ついには昨年映画になり全国公開され、全国から地域活性の先進事例として注目して頂いています。

 

しかし現在葉っぱの生産者の中心は70代・80代のおじいちゃんおばあちゃん。

このままでは10年後、20年後を見据えた時に葉っぱの生産力が落ちるのは目に見えています。

そこで、Iターン者も視野に入れた後継者育成の仕組みとしてインターンシップが始まりました。

研修内容はいたってシンプル。

 

一ヵ月間の最初の5日間くらいは町内見学や講義を聞いて町の全体像を知る(オリエンテーション)→町内農家さん、NPOなどに入りその日の仕事を一緒に行う(通常研修)→その時集まった同期の仲間と協力しあい、お世話になった方々への報告会を行う

 

というような感じです。

現在はちょっと仕組みが変わって、7日間~30日間の間で参加可能な日数を決めることができ、通常研修の占める割合が多くなっています。

 

やってみた結果としては、インターンシップから彩農家への新規就農につながったのは236名中1名だけでした。

実際に生産に携わっている方々と直接会ってお話ができ、一緒に仕事ができるチャンスは、このインターンシップの制度があってこそのものだと思います。

しかし、決して一ヶ月で栽培方法から出荷作業、情報システムなどの全てを学べるわけではなく、その後のステップとして家・農地の確保、当面の収入元となる仕事先などが必要になってきます。そのあたりの仕組みづくりがまだ十分には整っていないのです。

 

内閣府の事業が終了し、町からの委託事業となった昨年4月からでも彩農家への新規就農者はまだ生まれていません。

 

では、インターンシップ事業は失敗だったのか?

 

ところが、そうでもないのです。インターンシップ事業は当初予想していたものとはちょっと違った形で思わぬ効果を町にもたらしてくれました。

 

ひとつは主に就業と言う形で20名近くのIターン者が生まれたこと。

一ヶ月のインターンシップ期間を経て、町のことを好きになり、期間中もしくは期間が終わった後に縁があって町内で仕事が決まったという人ができたのです。20代~50代までのエネルギッシュなよそものが町に新たに入ったことは人口減少・高齢化に直面している町にとってはありがたいことでした。

 

そしてもう一つの効果は今まで受入れをしてきた300人以上の全国から来たインターン生たちと上勝とのつながりが生まれたことです。

これはなかなか目に見える成果としては実感しにくい部分はありますが、実はすごいことなのではないかと思います。

実際に東京や大阪などで何度かイベントを開催した時にたくさんの元インターン生が集まってくれたり、最近の話だと正月に何十枚もの年賀状が会社やインターン担当宛に届いたりと、場所は離れていても「あぁ、まだつながっているんだな。」と感じることがたくさんあり、担当者としてはこれほど嬉しいことはありません。このつながりをお互いにいい形でどう活かしていけるか、というのもこれからの課題です。

 

もちろん当初の目的である葉っぱの後継者育成についてはしっかり取り組んでいかねばならないことなのですが、こうした思いがけないインターンシップのいい面はこれからも大事にしていきたいなぁと考えています。

 

上勝町に来たインターン生たちがなぜこれほどまでに上勝町のファンになってくれるのか?

かくいう僕も2ヶ月間のインターン期間を経て町に残っているのですが、考えてみるとやはりインターンに参加している間に自分がどれだけ「楽しいなあ!」とか「がんばったなあ!」と感じられる機会があったかが大事だと思います。

 

町自体の魅力ももちろんあるのですが、研修中自分はこの町で輝いていた!という思いが上勝への思いにつながってくるのではないかなぁと思っています。

そう思えるには素直な気持ちで何事にもぶつかっていってチャレンジする姿勢が不可欠で、それを後押ししてくれるのがメインの研修先となる農家さんだったり、同期生の仲間だったりします。

この、来た人を素直な気持ちにさせて、何事にもチャレンジさせてくれるのが上勝町のいいところだと思います。

そのことをまさに自分で体験してきた僕がインターンシップの担当をさせて頂いているので、これから参加を考えている方々は大船に乗ったつもりで(でももちろん謙虚な気持ちで)上勝町に来て頂ければ、と思います。

 

上勝の農家さんが人に対する時にもっとも大切にしている(大切にしているんじゃないかなぁ?と僕が感じていること)のは、「気安い」ということ。

 

別に話がおもしろいとかうまいとかの問題ではなく、顔を合わせたら笑顔で明るく挨拶したり、「ええ天気ですねぇ」とか「よぉ降りますねぇ」とか天気の話をしてみたり、そういう気安さが大事なんかなぁと最近思います。

 

僕は一応大阪出身ということで(あまり大阪人みたいではないとよく言われますが)おもしろいことを言ってやろうと狙っちゃうところがあるのですが、最近はよく考えたら冷や汗かいてしまうような寒いおやじギャグでもテンポが大事なんだ、ということで言ってのけるようになってきました。

卒業研究などの結構堅苦しい目的で参加した人でも案外農家さんとのトークで身になるものが多かったりするのです。

 

インターンへの参加者は大学生が一番多いのですが、学生以外だと僕より年上だったり、いろいろな仕事や経験をされてこられている方がほとんどです。学生であっても海外への留学経験があったり、なにかとんでもない特技があったりと人との出会いはそれぞれにそのたびに驚きと発見があります。

これだけ大勢の多様な人たちとがっつり関わることのできる仕事もなかなかないだろうということで本当に今の仕事ができることに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

そんなインターン大好きの僕がお世話をさせて頂くインターンシップなのでこれから参加を考えていらっしゃる方々はどうぞ大船に乗ったつもりで上勝町にお越しください。

 

来た人が上勝町でただただ学んで帰るだけではなく、人それぞれのその人にしかない知識や経験や特技があるはずなので、そういったものを研修中関わる町の人たちに伝えていっていただきたいなぁと思います。僕自身、インターンで来た人たちから学ばせてもらうことは多いです。

 

上勝町・いろどりインターンシップ

 

とまあ、ここまでつらつらと書いてきたのですが、今回はちょっとだらだらと自分の考えを書きすぎてしまいました…すみません。これはエッセイというのでしょうか?(そうだとすれば僕はエッセイストでしょうか?)

文章は難しい。

 

次からは上勝町のなんといっても一番の魅力である「人」を取り上げて記事にしていきたいと思います。期待していてください。よろしくお願いします。

 

▼インターンシップの詳細はこちら

https://inaka-pipe.net/intern/kamimatsu_internship/

 

 

 

 

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