「いなか」の存在アピールをするために
- 執筆者 佐々倉玲於
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2013/05/20
ご無沙汰しています!ササクラレオです!
書く書くといって、書きかけの原稿がどんだけあるから!
「あけましておめでとうございます!」から始まるお蔵入りした記事からもう5月ですよ!
ひょぇ~~って感じで、気づけばゴールデンウィークも終わり、ゴールデンウィーク中に書いたこの記事も、またお蔵入りしそうになっていて・・・
このままではいかん、しっかりしろ!レオ!!
と自分を奮い立たせて、書きかけの記事を整え、公開します!!
まず、ゴールデンウィークの振り返りから。
四万十に来て、もう5年、5回目のゴールデンウィークです!ふりかえれば、あっという間やね~~
今年のゴールデンウィークは、過去最高のもっとものん気な日々を送らせてもらいました。
ゴールデンウィーク中にやれたこと。
①机の周りの片付け。山積みの書類たちを片付け、広々机に!
②ためていた会計伝票の入力。決算月の前に入力を終えられているのが奇跡!
③子育て。子どもとのご対面5回目にして、約2週間子どもが家におる生活を送りました!
④家族サービス。子連れで帰省。やっとおばぁと死んだおじぃに子どもを見せてあげました!
⑤いなかマガジンの執筆。このとおりやっと書きました!!
(結局、公開は、今頃になったわけですが・・・)
というわけで、僕の生活・時間の使い方が劇的に変わり始めており、自分が「変化し始めたな~」とか「成長してるなぁ~」とか、実感し始めている今日この頃です。「結婚」「子ども」に自分が期待していたことが、まさに起こっていて、とても面白い!さらにこれから自分がどうなっていくのか、楽しみ楽しみ♪ですね~
僕の実家・大月町安満地の湾
と、前置きはこのぐらいにして、本題。
僕は、毎回僕のわかりにくいこのお仕事のことを書くということにしているので
今回は、「『いなか』の存在アピールをするために」と題して、
ここ数年、一番の課題だなぁ~と思って試行錯誤しながら取り組んでいる
「いなかからの情報発信」について書いてみたいと思います。
つまり、このパイプウェブのことでもあるんですが。
実は、このパイプウェブを運営するWeb担当スタッフも
只今、絶賛求人募集中!なので、宣伝もかねて書いとこうと思います。
なぜパイプウェブが立ち上がったのか
ただサイトをつくろー!的なノリで始まったわけじゃないんですよー。
僕らが抱える地域の課題を解決するための方法論の1つとしてのチャレンジなのです。
一般社団法人いなかパイプのメイン事業は、インターンシップ事業なんですが、この事業を取り組んで、見えてきたことがありました。それは、田舎で働きたい、住みたい、故郷に帰りたいという若者がいるということです。
これまで、田舎の人たちは「若い人たちは、こんな何もない、仕事もない田舎に関心を持っていない」と思っていました。4年前にインターンシップ事業を始めたときも、どんだけの参加者があるのか、自分自身半信半疑でした。しかし、やってみて行政の事業を活用して実施したこともあり、たくさんのお金が投入され、多様な情報発信がされたこともあり、2年間で150名を超える参加者が四万十にやって、UIターン者ものべ20名以上。参加には至らなかったけれどアクセスして来た人たちはもっとおり、田舎に関心がある人は確実におる!ということがわかりました。
いなかビジネス教えちゃる!インターンシップチラシ
で、僕が考えたこと。「田舎に来たい!」「田舎に帰りたい!」という若者はおる。けれど、現在、田舎に人がいないのはなぜか。
それは、田舎側が「人を受け入れるよ!」「帰って来いや!」と言っていないこと。その機会がないこと。また、受け入れたいと思っていても、その機会があったとしても、その存在・情報が、その情報を求めている「田舎に関心がある層の人たち」に届いていない、というだけの話。つまり、これが地域の課題の一つだと捉えたわけです。
では、情報を届けるために、どうしたらよいか。
お金が潤沢にあったならば、バンバンお金を使ってやれれば、できることは経験済み。
そんなお金がなくなってしまった僕たちはどうできるのか・・・
四国内で同じような取り組みをやっている仲間と話していても、抱えている課題は、やはり集客。Webサイトをつくっても参加者が来ない。みんな同じ悩みを持っていた。
どうやったらいいのか?どういうサイトをつくったらいいのか?
考えた結果、インターンシップしたい人や体験プログラムなどに参加したい人は、自分で勝手に探してでも見てくれるわけなので、その一歩手前になるような人たちをターゲットとして、コンテンツをつくり、そこに来た人が、こちら側が見てほしいページを見て、アクセスしてもらえるように裾野を広げられるようにしよう、と考えた。
で、そのターゲットとなるような人たちは、どんなコンテンツなら見てもらえるのか。
その答えは「わからない」。何がアンテナに引っかかるかなんて、もはやわからない。ので、ありとあらゆる角度から雑多な情報をできるだけ提供してみて、アンテナにひっかかったならラッキーという具合で考えるしかない。
そこで考えたのは、みんなで情報発信しよう!ということ。雑多な情報を集めて配信なんて、僕らだけでは到底無理!だけれども、よく考えろよ~ 僕らには、友達・仲間が30人くらいはおる、ということは、1人の人が、月1回記事を書くとして、30人いれば毎日新しい情報を発信できるやんかー!!
ということで、できたのが、メインコンテンツの「いなかマガジン」のコーナーなのです。
パイプウェブ制作のときにつくった図
「いなか」と「とかい」をつなぐパイプウェブ とは
かくして、「いなかマガジン」を中心として、サイト作りがスタートしました。
四国を中心として連携している会社・団体やインターンシップ修了生など、サイトの趣旨に賛同してもらえる仲間を募って、みんなで自分たちの日常を記事にして、毎日アップする。1社での取組みでは、拡散力が弱いし、限界もあるので、田舎で暮らす者みんなで、よってたかって情報発信して「いなか」の存在アピールしていこう!そうして、自分たちの仕事や活動のアピールにつなげられたらええやんかー、と。
東京とか都会から発信されるメディアのようにはいかないけれど、プロのライターのようにはいかないけれど、僕らが唯一自慢できることは「この田舎に暮らしている」ということ。これを「強み」と捉えて、やってやろうじゃないですか~、とはじめたわけです。
サイトづくりも最終段階。サイトの名前をつけるに当たって、もう1悩み。
本当は「いなかパイプ」という名前もロゴも使いたくなかった。
このサイトは、一般社団法人いなかパイプのためだけのサイトではなく、関わる人たちみんなのサイトにしたかったから。ポータルサイトのような役割を果たしたい。そう思ったときに、サイトの名前が「いなかパイプ」だと、どうしても私物化しているような感覚になって、たくさんの人を巻き込みにくいのではないか、と思ったから。
けれど、結局、「いなかパイプ」となったのは、「お前らがやってることは『いなかパイプ』だろ」というデザイナー・迫田さんの一言があり、「まぁ、そうなんですけどね~」ということで世の中へのわかりやすさを優先させて「いなかパイプ」という団体名と同じサイト名となったわけです。
2012年7月にサイトがオープンし、僕らのネット上でのチャレンジが始まったのでした。
「いなか」と「とかい」のパイプウェブ トップ画像
レオ的こだわり
余談ですが、パイプウェブをつくるにあたってレオ的こだわりが、2つありました。
1つ目は、都道府県・市町村のカテゴリをつくらないということ。2つ目は、「人」を伝えるということ。
1つ目については、地域系のこの手のサイトは、探しやすさとか、分類しやすさで、地域区分がされるのが常だと思うのですが、この分け方は誰のための分け方か。田舎に来たい人の多くは、何県でもどの市町村でも特にこだわりがなく、住みやすさとか、他の条件で選んでいるわけで、行政区分の分類をつくる優先順位は低いと思いました。また、行政機関が、移住促進を行っていく上で、「うちの県に来てください」「うちの市町村に来てください」と言って競っているのも違うな~といつも思っていたので、ちょっとこだわりたかったのでした。
2つ目については、たとえば同じ県で、同じ地区で、農業という同じ仕事をやっている人で、分類すると、すべて同じになるような人でも、ひとり一人やはり異なる「人」で、ひとり一人独特の個性を持っていて、面白い・カッコイイ人なわけです。この人のカッコよさ、この人自身をどーにか、こーにか、うまく伝えて、違いを伝え、インターンシップならばどっち人の下で働きたいと思うか決めてほしいなーと思うから、その人自身をうまく伝えられるようにしたいと思ったのでした。
こんなレオ的こだわりを制作メンバーにぶつけ、つくってもらったサイトなのでしたー!
いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ 受け入れ事業者のみなさま
パイプウェブへの外からの反応
アクセス数が順調に伸び、月平均1万人の訪問者が見に来てくださるようになりはじめた頃、問い合わせが増え、 出張に行った先で、名刺交換したら「いなかマガジン読んでます!」と言ってくださる人が現れたり、記事を書いた農家さんへ「しょうがを買いたいですー」と問い合わせがあったり、「田舎にUターンしたいんだけれど・・・」と長文の相談が届いたり、いろいろな外からの反応が出てき始めました。
フェイスブックページで1000いいね!になったときの画像
さらに驚いたのは、昨年年末に、このパイプウェブを見て、雑誌の編集者の方の問合せが2件立て続けにあり、その編集者の方が、実は高知県出身だったりして「いつも読んでます!」と共感してくれて、いなかパイプに問い合わせをしてくれたのでした。なんかうれしいですよね、届けたかった人に情報が届いた感じ。存在に気づいてもらえた感じ。パイプウェブもその機能を果たし始めてきた?!浸透してきた?!と思えるようになってきています。
紹介されたのが、この雑誌。
苦手な執筆活動!メチャメチャがんばりました!超大作!!
「いなかパイプ」の活動紹介を~と言われたけど、これがまた何を書くべきか、大変だった~締切りも遅刻したけど、なんとかできあがったのでした。
もう1つは、なんとファッション雑誌!
こちらは、インタビューだったのでよかったですが、ネクストワークスタイルの事例として紹介して頂きました。
「やってみる」「動く」という情報発信がある
「情報発信」なんてよく言われることで、もうすでにあっちこっちで行われていることでもある。都会のメディアにはかなわないし、マスメディアには及ばない。僕らができることなんて高が知れていて、こういう取り組みをしても続かないことが多い。
そんなことは百も承知で、こうやってこんなチャレンジができたのも、
スタッフや友達、仲間がいたからやろうと思えたし、今日までできてきている。
本当に感謝感謝だ!
やってみたら、手ごたえを感じられ、次の課題も見えてきて、次のアクションも見えてくる。そして、僕らでもできることがあるかもしれん!とちょっと自信がついてくる。こうやって、やって、続けていくことが大事だなーと改めて思う。
もう1つ、わかったことは、当たり前のことでもあるけど、Webサイトだけでなく、日々の「やってみる」「動く」ということ自体が「情報発信」になっているということ。
何のアクションもなければ、誰も注目しないし、気づかれない。
けれど、イベントをやるとか、人に会いに行くとか、新しいプロジェクトをやってみるとか
何かしら動くことで、新しい人との出会いがあり、自分たちの存在がアピールできる。
そうすることも「情報発信」につながっている。
「情報発信したい!」と思うならば、止まっていてはダメで、動き続けないといけない。地道なことかもしれないが、この地道な積み重ねが「情報発信力」を大きくしていくんだろうなぁーと思う。
Webサイトをつくったからと、そこに甘んじてはダメで
地道な努力が必要なんだよね。わかってますよ。
今年度もがんばりますよ!そして、新しいことにも手を出していきますよ!
そして、もっと情報発信力をつけていってやるぜ!
そうやって、一人で盛り上がり、自分の首を絞めていくのでした。
これが僕の仕事の性とでもいいますか。。。