いなかの窓口にて ~動機:ガムシャラな一か月~
2013/06/03
- 執筆者 岩崎年浩
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
こんにちは、
求人記事で名乗っているんだから、記事書かないと!と思いながら、
何を書こうかと思っているうちに随分日にちが経ったいなかパイプの岩崎です。
最近、事務所から10分も移動したらこんな散歩ができる事に気づき、
改めてすごい環境にいるな~、なんて思っています。
事務所から10分位を歩いたらこんな道
事務所を見下ろせばこんな感じです。
写真中央に見える赤い屋根の建物が「シェアオフィス161」
裏山から、季節によって違う鳥の鳴き声が聞こえてくるのが良いところ。
ちょっと窓を覗けば四万十川、夏が近づけば昼休みに山に散歩ではなくて川へ、
なんて過ごし方ができるかも・・、
さて、今回は僕が仕事で感じたことを、
求人記事で書いた内容よりも具体的に、というか実例で書いてみます。
インターンシップ窓口の立場から、
まずは参加者の動機に注目しながらお伝えしようと思います。
いなかパイプで取り組んでいる、
の参加者に共通するのは、
『「いなか」で一か月間、働きながら暮らす!』 という事だけだったりします。
もちろん、場合によっては共同利用の宿舎があったり、
同時期に同じ研修先で働く事があったりしますが、
全体で共通するモノは多くはありません。
その一か月という期間で、
どんな仕事に携わり、どんな暮らし方をし、
何を試して、何を得ることを目標にするのか。
これは参加者と一緒になって考えます。
きっかけや動機を確認しつつ、話をして掘り下げたりなどして
研修内容を一緒に考えていきコーディネートします。
中には、「こんな動機で参加していいですか?」
なんて方もいらっしゃいますが、
まずは相談してみて下さい。というのが僕の意見ですね。
「いなか」について知らない・分からない、
という人へ向けてのプログラムでもありますから、
参加していいか分からない位の動機がきっかけでもいい!
と、個人的には思っています。
以前には、
「とにかく、ガムシャラに頑張る一か月を過ごしたいんです!
研修先の仕事に関しての興味は、きっと求められているより少ないですが、
とにかく、必死に頑張る運動部時代の夏に過ごしたような一か月にしたいんです!」
という動機で参加した人がいます。
「なぜ、そんな過ごし方を求めているんだと思いますか?」
と確認するところから始まり、したい事とその理由から、研修に求めている事を掘り出していきます。
そんなやりとりの中で、
出会ってみてほしい人や、やってみたら良さそうな仕事、
体験してみてほしい暮らしが浮かんでくるので、選択肢として提案します。
できる事なら、ここには時間をかけさせて頂きたいのが個人的な思いです。
そして、
応募者から聞き取った希望を元に、研修先との打ち合わせを始めます。
研修先から受入れ意志の確認が取れたら、参加者へ最終確認の連絡。
応募者へ具体的な作業内容など伝え、了承を得られたら研修参加が決まります。
“大学時代、哲学や自己啓発の本などを読んでいく中で、
社会に対して、知識ばかりが増えてしまい、
自分の実力とはそぐわないモノの見方をするようになり、
就職活動で、自分の居場所を見つけられなかった
そんな自分を吹っ切る為にも、
余計な事を考えずガムシャラに過ごす期間を創りたい!“
と言っていた彼と、研修が始まる初日、研修先へ向かう車の中、
「本当に自分みたいな人が、参加していいんでしょうか?」
と何度か確認され、
自己紹介のアドバイスなどしながら移動したのをよく覚えています。
研修先までの海沿いの道
彼は、本人の動機と、研修先の作業や想いが通じ、
天日塩を製造している事業所で研修をすることになったのですが
研修先・地域にとって初の研修生だったことと、
事前に「3日もったら大したもん」という情報だったので、
さすがに不安もあり、初日は自分も残って一緒に作業に加わっていきました。
夏場のビニールハウスは外から見ても熱そう
中では、サウナ用の湿温計の温度が振り切れてました。
毎時間同じ作業の繰り返し、と言われている作業の最初の一時間で、
肩で息をしながら、
「大丈夫です、 はい、 だいじょうぶっす」
と言っているのを見た時は、
“うーん、これは一か月もたないかも”
なんて思わされましたが、彼の一か月後に期待し応援メッセージを残し帰りました。
余談ですが、
この時、僕は片手にギプスをしていたのですが、
帰る頃には汗を吸いすぎてフニャフニャになっていました。
これは大分作業が慣れた頃の写真
連絡を取り合いあいながら無事を確認し、
中間で面談し、元気な様子にほっとしながら、日々が過ぎ、
ガムシャラな一か月が終わる頃、
世間に対して申し訳無さがあるような、緊張した表情だったこの研修生が、
研修に関わってくれた皆さんが集まってくれた前で、
「本当にありがとうございます!楽しかったです!!」と伝えた後、
辛い研修内容だったことを知っている皆さんから、
「こっちこそ楽しかったよ、ありがとう!!」
と返事をもらっていたのですが、
それを堂々と笑顔で受け止めるインターン生が、随分と格好よく見えました。
地域の送迎会にて
きっと自分の過ごし方に悔いがなかったのだな~と思わされた瞬間です。
そして、このタイミングでこんな過ごし方をできたこの土地が、
彼にとって、どれだけ大事な土地になるかな~と楽しみです。
集まってくれた皆さんと研修参加者の記念撮影
こんなに分かりやすい事例は中々無いのですが、
インターンシップに関わってくれる皆さんが、
それぞれに感謝し合えるような時間を創るお手伝いをする事が、
自分の仕事だと思っています。
そして、研修生と研修先の関係が続いているといいな~と思いながら、
今来ている問合せや動機に、どんな機会を提供できるだろ~と考え、
また、新しい出会いを繋ごうと頑張ります。