鹿皮の「なめし」に挑戦!『四万十革部』

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執筆者山脇佳子
所 属OLDe オルデ

2013/06/12

この時期「早くも今年が半分おわる~」と、毎年言っているような気がする。

 

フリーランスの活動を再開して2ヶ月ちょっと。

 

それもあって、例年よりも濃い半年だったように感じます。

 

気づけば、4月に作った名刺100枚が残り24枚に。

 

2ヶ月ちょっとの間で76名の人に出会ってるわけで、

 

1日1日の濃さは、人との接触の多さとも言えるかもしれません。

 

仕事場は自宅なんですが、4月5月は家を空けがちで、

 

集中したデスクワークをすることが出来ませんでした。

 

6月はじっくり腰を据えて、活動しようと思っています。

 

 

 パソコンに蟻がたかる

▲蟻に仕事を邪魔されたり。。。ムカデが足元をはってたり。。。(T0T;)
家に居てもある意味刺激的です。

 

 

 

ここでの暮らしは、

 

近くにコンビニがある訳でもないし、

 

お風呂を入るにも薪で焚かなきゃいけないし、

 

暮らすために、いろんな小さいことに時間がかかります。

 

 薪風呂の焚口

▲薪風呂の焚口。この火に癒されますが、毎日のこととなるとちょっとしんどい時も。

 

 

 

でもその小さいことを大切にしたいから田舎暮らしをしている訳で、

 

それをダラダラやってるから作業時間が結果的に後回しにされ、

 

気づけばもう12時!なんて事がしょっちゅうなんです。

 

時間管理はほんと永遠の課題です。これは田舎だけの話ではありませんが

 

暮らすところが変わっても、癖はそう簡単に変わるものではないことを実感してます。

 

 

もちろん自宅が仕事場であることがいいこともあります。

 

毎食ご飯を作って食べられるということがありがたいし、

 

家庭菜園の畑から野菜を獲ってサラダにして食べることを贅沢に感じます。

 

 

 

 引っこ抜いてしまったジャガイモの種

▲家庭菜園も3年目。雑草と間違えて引いてしまったジャガイモ・・・(T~T)オーノー

 

 

 

さて、5月にこんな活動もスタートさせました。

 

「四万十革部」(しまんとかわぶ)。

 

 

簡単に説明すると、

 

四万十で獲れる鹿の皮をなめして、革を作ろう~という挑戦をしています。

 

うまくいけば製品化もできるかもしれない!?

 

田舎の手仕事にもなるかもしれない!?

 

そんな夢、期待が膨らむばかりです。

 

 

 

革は天然の素材であること、自然にまた還ることができる、

 

丈夫で、10年20年、補修をしながら使い続けることができるもの革の良さです。

 

使い込むことで、馴染んできて愛着のあるモノに変化していく、

 

大切に手入れをしたり、ちゃんと使ってあげることで「応えてくれる」、

 

「いきてる」モノという感じが、私は好きです。

 

 

 

 自分で作った名刺ケース。これは牛革です。

▲自分で作った名刺ケース。これは牛革。

 

 

 

ただ、いくら長く使えるとはいっても、革自体が高価で、

 

趣味でレザークラフトをやっていても、ほかの手芸に比べると

 

気軽さは無いなぁという気がしていました。

 

 

 

そういえば、私の住んでいる地域では、よく鹿を獲っていて

 

私もときどき鹿肉をもらい食べています。

 

その鹿の皮はどうしているんだろう?譲ってはもらえないものかな?

 

そう思って、近所の猟師さんに聞いてみたら、

 

通常、鹿の皮は捨てているとのこと。(正確には畑の肥やしにしているそうです。)

 

 

それを聞いて、私の「捨てるなんてもったいない」魂に火がついてしまいました。

 

また、「四万十川」で「四万十革」が手に入る!

 

そんな言葉遊び的にも面白いな~と思い、

 

鹿皮を使ってみたいと思うようになりました。

 

 

 

とはいっても、なめした経験もなければ、

 

鹿革を触ったこともない私。

 

まずは、情報収集から。

 

まず探したのは、「なめし」ができる人

 

「なめし」とは、本来動物の皮は剥いだだけでは腐ってしまったり、固くなってしまったりするので、

 

それを使いやすいようにする為に、いろんな方法を使って加工する工程のことをいいます。

 

 

【出典】革の基礎知識:鞣し(なめし)とは【革製品ガイド】

http://i-leather.net/kisochishiki/nameshi.html

 

 

 

昔の猟師さんは、よくたぬきの皮を腰巻にしていた、ということを聞き、

 

私の住んでいる地区で山師をしていた方に聞いてみたり、猟師さんに聞いてみましたが、

 

高齢化により、人に教えるのは難しいということでした。

 

また他の猟師さんに聞いても、なめしについてはよく分らんとのこと。

 

昔の家には動物の剥製がよく玄関や床の間に飾ってありましたが、

 

今はそれを作れる人も数人しかいないとのことでした。

 

またお金を払って、業者になめしをお願いした、という話も聞きました。

 

 

 

なめしができる人を探すのに苦労していたら、

 

たまたま友人宅で集まって飲んでいるときにそれを話したら、

 

身近にいた友人ようちゃんが「おれ、たぬきなめしたことあるよ」とあっさり言うではないですか!

 

 

 なめしたタヌキの毛皮

▲ようちゃん宅で毛皮になったたたぬき発見!

 

 

こんな身近になめせる人がいたことに、ビックリ!

 

聞けば、ようちゃんは、

 

車に引かれてしまったたぬきを捌き、なめしたそうで、

 

なめし方はインターネットで調べ、たぬきの脳みそをつかってなめしたそうだ。。。

 

脳みそでなめす。。。

 

急になめしのハードルが上がってしまいました。。。脳みそ。。。あわわわ。

 

私にできるんだろうか?!と、

 

一瞬ひるみそうになりましたが、とにかくやってみよう!と

 

半ば勢いで、なめしに挑戦することにしました。

 

 

 

 

4月某日。鹿皮をもらうようお願いしてあった猟師さんから電話がかかってきて

 

「でっかいのが罠にかかっとったぞ、取りに来いや」。

 

さっそく鹿皮を手にいれることができました。

 

 

 

 鹿皮をくれた地元猟師さん

▲地元の猟師さん。1頭の鹿の皮は意外にもこの袋に入るぐらいの量でした。

 

 

鹿は冬だけ獲れるものかとおもっていましたが、

 

春や夏でも月に10数頭は獲れるそうです。

 

 鹿の頭がところせましと置かれている納屋

▲猟師さんちの納屋には、鹿の角が所狭しと置かれていました。

 

 

私が住んでいる地域の山では近年鹿やイノシシの獣が増えすぎて、

 

それらは「害獣」として扱われています。

 

それもここ10数年の間にいっきに増えたそうです。

 

 

鹿は本来山にあるどんぐりなどの木の実を食べるのですが、

 

山に木の実がなくなった(原因は鹿が増えすぎたのか、山が荒れたからとか理由は定かではありません)ことで、

 

鹿が人里まで危険を冒してまで下りてきて、

 

田んぼや畑に入り、米や野菜を食べてしまうのです。

 

その対策として、鹿を捕まえ、その耳を切り落とし役場もっていくと

 

駆除費として1万円が支払われるのだそうです。

 

 

で、耳以外の部分はというと、猟師さんが捌き、食用として鹿肉を食べます。

 

私も何度かそのお肉をいただいたことがありますが、イノシシほどは癖がなくて、

 

特に「背身(せみ)」の部分は、柔らかくペロッと食べられちゃいます。

 

 鹿の背身肉

▲鹿肉の背身(せみ)の一部

 

 

勢いで始めた四万十革部ですが、

 

思わぬところで、いろんな勉強をさせられます。

 

鹿の生体や、山のこと、自然のこと、

 

私の知らないことがまだまだ沢山で、

 

革をなめすまでに、いろんな人に教えてもらい、

 

学ぶこと、この過程がとても重要だなと感じはじめました。

 

 

 

 

頂いた鹿皮で、さっそくなめしにチャレンジです。

 

 

鹿皮を手にいれました。

この皮が一体どうなるのか?!四万十革部の活動レポートは次回も続きます。

 

 

 

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