「いなか」で暮らしてみたいなら、体験してみればー

今月もちゃんと書くよ!

今年も暑い夏がやってきたねー もう7月も終盤ですよ!

早いねー 2013年も半分おわってるよーー

 

一般社団法人いなかパイプはね、6月が決算だからね

7月は、年度初めなんですよ、実は。

3期が終わり、4期目に突入します。

 

赤字覚悟で投資!と思ってやってきた事業たちよ、

どうか、今期は花開いて「黒字」となって帰って来てくれ~~~

と祈りつつ、赤字を見て見ぬフリしつつ(汗

今期も勢いにのって、がんばりまーっす!

 

いなかパイプスタッフ研修

 7月頭に「いなかパイプスタッフ研修」をやって、やる気になってます!

 

 

さて、今月は、夏!ということで、夏休みも近い学生さんからの

問合せが増加中なインターンシップのお仕事のことを書きたいと思います。

ここで言う「インターンシップ」と言っても、学生さんだけのものではございません!

参加している年齢層から言うならば、20代後半から30代前半の層の参加者が多いんです。

というのも、「いなか」での「お仕事体験」に加え、「生活体験」もセットだから。

 

いなかビジネス教えちゃる!インターンシップのチラシ

いなかビジネス教えちゃる!インターンシップのチラシ

 

 

いなかファンを全国に増やすインターンシップ

 

 四万十川流域では、2010年からインターンシップ事業が本格的に始まりました。

 流域の事業者が集まり話す中で、「自分たちが築いてきたノウハウを受け継いでいく人財を育てていく必要がある」ということが共有され、何か取組みを始めたいと話されていたころに、国の事業の公募がかかったのでした。結果、国の事業の一貫で、株式会社四万十ドラマという地域商社が取り組み、その事務局担当を僕が担いました。このインターンシップは、四万十川流域の事業者の下で1ヶ月間住み込みで仕事を手伝う研修プログラムでした。

 

 1ヶ月もの間、しかもこんな田舎に、本当に人が来るのか?と自信なく始めた事業ではありましたが、これまで約3年間で20代~30代の若者を中心とした182名が参加し、その中から25名が現在も高知に暮らしているという現象が起こっています。

 研修生を受け入れた事業者の中には、研修に来た若者を研修終了後、職員として雇ったり、こんなに研修生が来るなら、畑の面積を増やそうかと、事業拡大する農家さんが現れたりと、地域に若者がいるという状態をつくると、地域内の事業展開や仕事が生まれることが分かりました。

 また、東京での商談会へ行くときに、東京にいる研修修了生をアルバイトに雇い、地域の商品PRをさせるようなことも行っていました。聞くと、東京で知らないアルバイトを雇うよりも、地域のことをある程度理解している研修修了生にやってもらった方が商品が売れるということでした。

 

地域密着型インターンシップチラシ

2010年度から2年間実施した地域密着型インターンシップのチラシ

 

 このインターンシップを行う地域側の価値は、移住・定住につながるということだけではなく、1ヶ月もの間、この地域に暮らした経験がある人が、全国に散らばっている状態がつくれる。そういう地域とつながりを持った人財のストックができるということにあると思っています。

 つまり、この取組みは、全国に「四万十ファン」「いなかファン」を増やす取組みであり、このファンのストックを地域側がどのように利用するか次第で、その価値が大きく変わってくるのです。

 

 

インターンシップ事業の自立に向けて

 

 2010年度-2011年度は、内閣府の事業の一貫として実施し、2012年度は、高知県の事業として実施することができました。そして、2013年度は、いなかパイプの自主事業として運営しはじめています。

 研修生受入事業者も、周辺地域の方々も、研修修了生も「続けていくべきだ」と言って頂ける事業になったことから、いなかパイプとしても、行政事業でなくなったとしても継続していける事業モデルにしていこうと、去年から有料にして実施し始めています。

 

 こういう事業は、地域活性化に向けて、雇用創出や移住促進など行政としても力を入れていきたいテーマであることもあって、行政事業として多くは行われている。だから、ほぼ無料で研修が受けられたり、給料をもらいながら研修を受けられるなんていう事業もあったりして、研修を受ける人がお金を出さなくてよい場合の方が多くなっています。

 

 全国的に見ても、そんな競合とも言える「無料」研修プログラムが多い中、

「有料でやっていけるのか?!」「有料でも人を呼べるのか?!」

と突っ込まれることがありますが (特に、行政の人々から・・・)

現状の答えとしては、

「只今、実験中!やれるかやれんか、やってみているところです」

と答えているかな。

 

 でも、参加者も「いいね!」、受け入れ側も「いいね!」と言っているんだったら

そこに対価を払うでしょう! 対価が払われないんだったら、それは必要ないということだ!

と割り切っていこうと思っています。

 

 でも、でも、やってみるとね、実際、対価を払って参加したい!と言ってくれる人が

ちゃんといるんですよ!うれしい話!!

まだ、そんなにたくさんにはなっていないけれど、

ゆっくり、ゆっくり、増えていっている。

都会のように、パッと、バーンと、はいかんけれど

田舎らしく、じわじわ、ゆっくり。

このスピードでも、持ちこたえられたならば、やっていけるということになるだろう!

と、只今チャレンジ中。

 

 佐々倉玲於のバカ写真

ササクラレオののんきなバカ写真

 

 

田舎の安売りはせんぞ!

 

 田舎の人は、よく「うちの地域にはなんにもない」といいます。

 そういう場合、何でもモノがそろっている便利な都会と比べて、便利なモノはなく「なんにもない」という表現になっている気がする。

 だけれども、自然環境はすばらしく、空気も水もきれいで、海山川と豊かな地域産物があったりして、食う物には困らない。さらに、農業、漁業、林業などなど自然のものをお金に変換する技術をもった人々がいて、その技術を昔からしっかり受け継いでいる。

 こんなヒトやモノの資源が豊富で、なんでもある地域は、都会にはないでしょう!と言いたい。だから、田舎の人は、もっと自信を持っていいと思う。そして、安く買い叩かれるのではなく、高く売っていっていいと思っている。

 

 農産物など、あんなに手間隙かかっているのに、安く買い叩かれ、挙句の果てに、「農業では食っていけない」とか言われ、農業する人が少なくなって・・・ 地域産業がなくなっていく悪循環。 石油産油国が強いように、資源を持っている地域がもっと強くあっていいのに、なんで?!と僕はよく思う。

 でもまぁ、田舎の人も悪いところもあって、庭先にタダ同然でできちゃうもんだから、手間隙も考えず、安い価格で売っちゃっていたり。おばちゃんたちグループで、一生懸命、時間もかかって作られている加工品も、田舎での流通価格が安いもんだから、都会で売るにしても、流通コストを考えず安い価格設定にしていたりして、売れれば売れるほど赤字になる、なんてことも起こったりして。田舎の人は、なんでも安売りしがちだったりもして。。。(最近では、しっかりしたビジネス上手な田舎の人も増えてきていますけどね~)

 

田舎の畑の様子

 四万十川のほとりにある畑の様子。特に意味はありません。イメージ写真です~

 

 そんなことを言っている僕も、わかってはいるものの、まだまだ自信を持ててないもんだから、このインターンシッププログラムを有料でやることにはかなりの勇気がいった。

 

 でも、思っていたことは「こんなに豊かな田舎を、絶対安売りせんぞ!」ということ。

 

 こんな田舎に来てくれるだけでありがたい、という気持ちがあるもんだから、交通費もかかっているし、無料で体験していってー と言ってしまいたいところだけれど、受け入れた側は、時間をとって教えたり、手間隙かかっている。参加した側も、勉強になったーと言っているわけだから、体験が学ぶ機会になっている。 プログラムをコーディネートしている事務局も、参加者が来る前から、募集広報から始まって、受付業務、受け入れ事業者との調整、参加者が来てから帰るまで、気にかけてあげながら、時に人生相談にのったりもしながら、動いている。

 こんだけの人間が動いて、手間隙かかっているのに、「無料」ってことはおかしい! と思うし、僕らも霞を食って生きているわけではないので、事務局という仕事は、誰かからお金をもらわないと、無料ではそもそもやっていけない。

 

 というわけで、有料プログラムとしてやりはじめている。

 

 

コーディネート事務局として、僕らがやること

 

ここで、僕らがどんな流れで研修生を受け入れているのかご紹介したいと思います。

 

▼Step1 現場研修先を決める

 

 29泊30日の大半をしめる、現場研修先がないとすべてがはじまりません。ので、現場研修先となってくれる事業者を探すわけですが、現在のところ、新規の場合は、これまで受入れをしたことがある事業者さんや地域の行政職員の方からの紹介が多いです。

 問合せがあれば、出かけていって、どういう想いで研修生を受け入れたいと思っているか伺いながら、インターンシップの考え方をこちらかもお伝えさせてもらい、プログラムの中身を理解して頂きます。

 

 

▼Step2 広報物作成

 

 受入れが決まったら、募集告知のためのインタビューを行います。それを記事にしてネットに掲載します。

 このインターンシップは、「何をしたいか」というよりも、「誰の下で働きたいと思うか」「誰に弟子入りしたいか」みたいなところで判断してほしいなと思っています。そんな人の魅力が伝わるようにと心がけ、素人ながらスタッフが記事を書いています。

 

いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ インタビュー記事

いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ インタビュー記事 の一コマ

 

 

▼Step3 参加希望者とやりとり

 

 ネットを通じて、参加希望の問合せが来たら、やりとりスタートです。

 まず、メールで応募用紙を送り、記入してもらいます。記入された応募用紙が送り返されてきたら、それを元にスタッフが電話面談。

 参加希望者がなぜこの研修に参加したいと思ったのか、研修に参加して学びたいことや得たいことが何か、海・山・川のうちならどこがよいか、仕事を手伝うなら1次産業・2次産業・3次産業どんな仕事をやってみたいか、いろいろ聞き出します。

  そんなやりとりの中で、スタッフは、それだったらこの現場研修先に行ったらいい!というのが見えてきて、参加希望者へ提案ができるようになります。

 

 

▼Step4 現場研修先との調整

 

 参加者の希望が固まれば、現場研修先との調整を行います。

 参加希望者との面談からきいたことを現場研修先に伝え、その参加希望者を受け入れたいと思ってもらえるか検討してもらいます。そして、そもそもその日程で受入れが可能か、研修先の宿舎がその時期確保できるかなど、受け入れるにあたっての周辺事項を調整します。

 

 

▼Step5 参加者が高知にやって来て、初日研修

 

 事務的な細かな調整を経て、参加者が高知にやってきます。

 初日は、オリエンテーション的な座学の研修を行います。 インターンシップに対する考え方をお伝えして、参加者自身の現在の状態から、1ヶ月どういう状態になっていたいか、どう変っていたいかという各個人の目標を「Before⇔After」で考えてもらったり。参加者が多い場合は、グループワークをやったりして、楽しく進めていきます。

 翌日には、現場研修先に送り届け、後は、受け入れ事業者にお任せし、現場研修がスタートします。

 

 いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ 初日研修

いなかビジネス教えちゃる!インターンシップの初日研修の様子

 

 

▼Step6 1週間から10日経ったごろの中間研修

 

 研修中は、毎日に日報を書いてもらって、自分自身が体験したことや学んだことを参加者自身が振り返り、現場研修先や事務局とやりとりします。そんな日々のやりとりをしながら、1週間から10日くらいたったころに、中間研修を行います。

 ここでは、研修スタートから今日までを振替って、研修がうまくいっているのかどうか確認します。さらに、いなかビジネス教えちゃる!ツアーと日程ができるだけ重なるようにして、他の地域のいなかビジネスを見学し、「いなかビジネスの多様性」みたいなことを感じ取ってもらえるように行います。

 

いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ 中間研修

 いなかビジネス教えちゃる!ツアー参加者と いなかビジネス教えちゃる!インターンシップの参加者

 

▼Step7 30日目の修了研修 

 

 初日研修では、どこか暗くどんよりしていた雰囲気があった参加研修生も、この頃には、参加研修生の顔つきが変っていて、何か自分なりの答えを見つけたような顔になっています。

 修了研修では、1ヶ月間を振り返り、自分が何を感じ、何を得たのか、客観的に見つめていく作業を行います。そして、他の参加者とも、自分の学びを共有して、深め合います。 最後は、これからに向けて、自分なりの宣言をしてもらい、修了証を授与し、終わりになります。

 

 いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ 修了研修

いなかビジネス教えちゃる!インターンシップの修了研修の様子

 

 

とまぁ、ちょっと書き疲れたので、こんな感じで止めますが、

僕らの仕事はこういう感じで繰り返されていきます。

 

 

田舎で暮らしてみたいなら、体験してみればー

 

 「将来は田舎で暮らしたい・・・」とか、「地域活性化に携わるような仕事をしたい・・・」とか、ぼんやりと、漠然としたイメージを持って、参加を希望される方が多いこの研修。 普通の研修は「目的をしっかり持って!」なんて言われるけれど、この研修はそれぐらいぼんやりでもいいかなと僕は思っています。

  だって、イメージが湧かないから体験してみたいわけで、目的をしっかり持てるくらい、イメージができるなら、体験なんて必要ないわけで。

 

 移住するとか、田舎に暮らすとか、都会の人からすると、そーとーな覚悟がいることだと思います。でも、覚悟を決める前には、事前の情報収集はとても大切だと思います。その情報収集が、インターネットだけだとたぶん本当のことはわからない。やはり、何度もその地域に足を運んで、肌感覚で情報を得ていかないと。

  そういう意味で、こういう研修プログラムや体験プログラム、ツアーなど、全国各地で開催されているので、頭で考えるだけじゃなく、体験してみて、判断してほしいなーと思います。

 

 田舎からの情報発信は少ないかもしれないけれど、田舎で暮らしたい、働きたい!という人を、受け入れたい!と思っている田舎は、どんどん増えています。そういうところへ、どんどん飛び込んでみて、その地域をつながりをつくっていってほしいと思います。

 

 高知県については、高知県も相談窓口を持っているし、僕たちも少しはお役に立てると思うのでぜひぜひ気軽に相談してください!

 

 

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