都市の目線と田舎の目線

2013/09/27

 

田舎に住んでいると、

世の中の流れから主流から外れているなと思うときがある。

だって、

スマホなんて御槇の人口の5%くらいしか持っていないし、

タブレットなんて誰も持っていない。

 

 ガラケー

 僕もいまだにガラケー。

 

 

でも、

だからと言って特に不便なわけでもない。

 

田舎でいろいろイベントを企画したり、

お店を運営していると、

何が面白いとか、

何が評価されるかという、

価値判断の基準が、

田舎の人と都会の人で、

結構違うので悩むときがある。

 

 

 

今回は少しコラムっぽく、

「世の中の流れ」と、

「身の回りの現実」との、

「違いを感じるなぁ~」という話を、書いてみようと思う。

 

 

 

僕が以前大阪=都会に住んでいた時は、

世の中というのは、

新聞やテレビが報じるように動いていると思っていた。

マスメディアが報じる情報をそのまま受け取っていた。

 

しかし、

田舎に身を置いてみると、

自分がマスメディアを通して得ていた情報というのは、

どうやら世の中を偏った見方で見ているのだ、

ということに気が付いた。

 

これは、

マスメディアが偏見や嘘を報じているという意味ではない。

たぶん、

「情報を発するマスメディアも実態を把握できていない」

もしくは、

「“都市部の目線”で捉えた情報として発信されている」

という意味だ。

 

そもそもよく考えてみると、

テレビ局も、新聞社も、雑誌社も、

大手マスメディアは“都会”にあり

地方のメディアも、地方の中の“都市部”で活動している。

 

つまり、

世の中に発信されているほとんどの情報というのは、

自ずと「都市の目線」で見た情報が発信されているということだ。

都市部以外で起こっていることが、

“当事者の目線”で伝えられているわけではない。

 

 都会の目線

 

 

これはマスメディアが悪いという話ではなく、

情報を発信する側の人は概ね都市部にいて、

その都市という環境を背景として、

物事が語られているということだ。

逆に、

今の僕が都市部の目線で物事を発信するのはまず無理だ。

想像することは出来ても、

都市部で起こっていることを実感として捉えて書くことは出来ない。

 

実際、

世の中の多くの人は、

都会や都市部に住んでいる。

東京・神奈川・大阪・愛知・千葉の、

人口上位5県で日本の人口の3分の1を超える。

 

だから、

日本の大多数の人にとっては、

都市の目線から発せられる情報の方が理解しやすいし、

違和感なく共感できるだろう。

「当り前の考え方」や「世の中の主流」が、

都市の目線となってしまうのは致し方ないわけで、

当然と言えば当然なのだ。

 

都市部で起こっていることが、

日本全国で共通して起こっているスタンダードな話題として報じられ、

都市部の判断基準に則り田舎の情報も発信される。

 

 

 

大阪に住んでいた時に、

マスメディアが発する情報を見ていて違和感を感じなかったのは、

“情報を流す”マスメディアと、

“情報を受け取る”自分が、

同じ環境・同じ立ち位置・同じ目線で、

世の中を見ていたからだろう。

 

しかし、

田舎に身を置いてみて、

どうも中央メディアが発する情報や、

雑誌などで発せられる情報が、

自分が今いる環境の現状と、

かい離しているのを感じるのである。

 

 御槙の様子

 

 

世の中の『人口』の大部分は、

都市に集まっているから、

日本人にとっての主流の考え方が、

“都市目線”になるのはある意味自然だ。

 

しかし、

世の中で『起こっていること』の大部分は、

都会以外の地方で起こっていることの方が多いだろう。

なぜなら、

都会よりもそれ以外の部分の方が、

割合にして多いのだから。

 

よって、

マスメディアが報じる世の中の主流とは、

あくまで、

「都市部=情報を発信できる属性にある人たち」

にとっての主流であり、

「地方・田舎=情報の発信がままならない人たち」

が生きている世の中の主流とは、

微妙に違っていると思うのだ。

 

そして、

「都市の主流」と「田舎の主流」のどちらが、

日本で起きていることの「本当の主流」なのか、

単純に人口の多い少ないだけで語ることが出来ないケースが、

多々あるのだ。

 

 

 

一時期テレビや新聞では、

保育所の待機児童の問題を頻繁に報道していた。

日本社会全体の問題であるかのような伝え方だった。

 

しかし、

全くその実感がなかった。

それもそのはずである。

ネットで調べてみたら、

愛媛県の待機児童数は39人だそうだ。

しかも待機児童がいるのは松山市だけであって、

他の市町村は0である。

むしろ、

定員不足や廃園してしまう保育所の方が、

愛媛県にとっては問題であろう。

 

 御槙保育園

御槇保育園は廃園になっています。

 

 

全国を見てみても、

待機児童100人未満の都道府県が26と、

全体の半数以上である。

待機児童が1000人を越えるようなところは、

9都府県しかない。

つまり、

あれだけワーワー騒いでいた待機児童の問題も、

世の中の本当の主流ではないのだ。

 

しかし、

不思議なことに、

テレビや新聞で連日報じられていると、

あれが世の中の主流であり、

日本中でくまなく起こっている大問題のように感じでしまう。

 

 

 

田舎に住んでいると、

身の回りで起こっている問題や現象と、

テレビや新聞で報じられている内容が、

かい離している場合が多々あるのだ。

 

それは社会問題だけに限らず、

流行にしたってそうだ。

 

109もなければ、

東急ハンズもない。

うるさい程CMで流れていたLTEだって、

松山市内や各市の中心部くらいしか対応しておらず、

全くもって関係ない。

日本全国のLTE対応マップを見ても、

圧倒的に使えない所の方が多い。

使えるのは都市部だけである。

 

世の中に発信されている情報の多くは、

都市部が基準であり、

都市部の人にとってのみ身近な情報なのだ。

 

 

 

田舎を題材にしたテレビ番組だってそうだろう。

扱い方が、

田舎から見た田舎ではなく、

都会から見た田舎なのだ。

 

都会にないものを田舎に見つけ、

それを都市部目線で評価している。

 

都会も田舎もお互いにないものねだりをする。

田舎育ちの人は都会に憧れるし、

都会育ちの人は田舎に憧れる。

 

だから、

都会目線で報じられる田舎の情報というのは、

美化されやすいし誇張されやすい。

僕も、都会育ちで田舎に憧れていた。

 

そして、実際に田舎に身を置いて思うのは、

田舎に対して持っていた『幻想』というものが、

結構あったということ。

 

というか、

やはり田舎には田舎の、良い所と悪い所があるし、

都会には都会の、悪い所もあれば良い所もあるということが、

いろんな面で感じることが出来た。

 

 

 

これはきっと、

文字で読むと「そりゃそうだ。当り前だろう。」

と誰もが言うのだろうけど、

本当のところは体感しないと分からないと思う。

(※だからと言って田舎暮らしが嫌になったかというと、全然そういうわけではない。)

 

 

先ほども述べたが、

都会も田舎もお互いにないものねだりをする。

 

だから、

マスメディア(都会目線)で報じられている田舎情報は、

都市部の人が見ると納得しやすいのだが、

田舎の人からすると何か違和感があるのだ。

 

世の中で起こっていることの本質をつかもうと思うならば、

実際に田舎に身を置いて、

都会の中央メディアでは伝えきれていない実状を、

肌身を持って体感することは、

とても重要だと思う。

 

 

 

長々と書いたけれど今日の話をまとめると、

世の中はマスメディアでは知ることの出来ないことがいっぱいあるんだよ!

っていうお話でした(´ω`)

 

 

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