よそ行きではない、八幡宮の秋祭り

2013/11/06

いなかパイプの三瀬です。

今、こちらでは各地区で順番にお祭りが催される、秋祭りシーズンです。

 

高知のお祭り、と言えば「よさこい」祭りが有名ですが、それだけじゃない!

ニュースにならないようなお祭りが「こじゃんと」今も四万十町には残っています。

合併前の資料では、人口三千人程の旧十和村内では、年間で大小220余りの祭りが行われていたとか。

 

私が住む地区でも、戸数80戸・人口200人程の集落ですが、ほぼ毎月、何かのお祭りが行われています。

 

今回は、地区でもっともにぎやかな、秋祭りの様子について、一部始終ご紹介します。

 

祭り当日の早朝、当番になっている組(地区を3つに分けた単位)によって準備が始まっていた。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 神輿 霧

 

朝もやが神秘的な神社。 掃き清められた場に、凛とした空気が漂う。

 

いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 神輿 霧

 

お神輿の準備。装飾品が納められている木箱には、明治23年と書かれていたが、

信じられない位、保存状態が良い。

 

いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 神輿

 

前日に手づくりで結われたしめ縄が、鳥居と神社に掛けられる。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 しめ縄

 

神社の横で、神主さんが、紙を切る。切った紙は、白色と黒い紫色のセットになっているもの、

白色だけのものがある。白色と紫色の紙は、明と暗を表すという。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 盛り付け 昼膳

 

神官、地区の役員、神社の総代さん、当番「組」の担当者に昼の膳運ばれる。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 盛り付け 昼膳

 

一番驚いたのは、調理から盛り付け、段取りまでを男性が中心に行ったこと。

かつてはすべて男性が担当したという。四万十の男性が料理に詳しい理由がわかる。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 盛り付け

 

神事が執り行われる。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 花飛び踊り 踊り手 子ども

 

そうこうするうちに、「花飛び踊り」の踊り手である、地区の幼児、小中学生が学校を早退して集まってくる。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 花飛び踊り 踊り手 子ども

 

ひょうきんなお面を付けたお賽銭箱担ぎとジャンケンに興じる子。

どこかで聞きなれた、おんちゃんの声、「誰?」「誰?」と仮面を外そうとする子どもたち・・・。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 子ども じゃんけん

 

露払い、魔除けの竹を持った鼻高天狗に続いて、お神輿と牛鬼を担いだ一行が八幡宮を出発。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 牛鬼 行列 神輿

 

神輿は、太鼓の叩き手が唄い、続いて神輿の担ぎ手がつづきを唄う。歌詞は、12番まである。

節が長唄のよう。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 牛鬼 行列 神輿

 

牛鬼は、西日本に伝わる妖怪。愛媛県宇和島市を中心に祭りの山車として登場する。

竹で編んだ型に布をかぶせたもので、首の部分が伸縮できる構造になっている。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 牛鬼 行列 

 

牛鬼が家に顔だけ入れる。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 牛鬼 行列 

 

賽銭担ぎが、あとからお賽銭をねだる。

 

いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 賽銭担ぎ

 

一行は30分ほど歩き、八幡宮に戻る。

 

次に、花飛び踊り。若者が少ないために踊り手には大人も交じるが、かつては、子どたちだけで

踊られていたという。踊り手がおらず、踊りが絶えた地区もあるという。

 

まず、場切りと呼ばれる2人の踊り手が、荒縄で囲った四方の中で舞が始まる。 そして…切る。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 場切り 真剣

 

二重の円になり、内側と外側の踊り手とペアになった動作が中心となる。手持ちの舞具を変えつつ、30分ほどの舞が奉納された。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 舞 太鼓

 

続いて、男の子の相撲大会。3人だけなので総当たり戦。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 子ども 相撲

 

 祭りのフィナーレは、餅まき。老若男女ハッスル!

 

いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 餅まき

 

宴会のご馳走。

祭りは、食事会に移る。そこでも当番は裏方。

食事時間は、1時間半と決まっているそうで、さり気なく、時間が来ると皆帰っていく。

それが終わり、一息ついてから、当番の反省会という名の宴会がはじまる。

 

 いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 皿鉢

 

 最後には、余った食材が競売にかけられる。ただ同然でたくさんの野菜を頂く。

戦利品たち。

 

いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 戦利品

 

片付けも、男性が主体なのが、こちら流ですね。

 

いなか 秋祭り 地方祭 古城 四万十 八幡宮 片付け

 

当番が終わる頃には、あたりは真っ暗。お疲れさまでした。

 

大人になって、こうした地域の祭りに関わることがなかった私には、とても新鮮な経験でした。

こうした、よそ行きではない祭りは、習わしを通して、遠い昔と今を繋ぎ、また人の記憶といなかを繋ぐ、パイプのようですね。

 

 

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