神様とご先祖さまと

2014/07/21

 

 梅雨も感じつつ晴れ間には、やっぱり夏だなーと思わせる日差しの強さと暑さにやられそうな川村です。みなさまも間近にせまった夏を実感してませんか?

 最近、歴史小説を読むことにはまっています。至福のときは、仕事がおわってシャワー入って、アイスコーヒー飲みながらソファにねころんで扇風機にあたりながらそれを読むこと。あぁ、仕事したくない!(えっ?)

 

 さてさて。「夏」というと「祭り」っていうのも一般的なイメージだと思いますが。先日、自分が住んでいる地域の常会へ初めて参加しました(今までは夫か義母が出ていました)。議題は地域の小さなお祭りについて。

 

 私が住んでいるところは「大坂」と呼ばれているところでして。このマガジンでも何度か紹介させていただきましたが、大坂の桜並木は町内でも名所の一つとなっています。桜並木を中心とした通り沿いに、いくつかその土地の神様がおり、祠もあります。

 

神様

 

祠

 

 だいたいお彼岸、お盆、といった頃になると、その祠で周辺の人だけで行う小さな神事があります。ほとんどが旧暦で行われるので、その年によって日時もずれるんですけど。(大きな松明が練り歩く、有名な土佐の三大祭の一つ、久礼八幡宮大祭も旧暦の9月15日です)

 小さな祠ですが、ちゃんと神主さんも町内にいて、お祭りの準備(お供え物、宴席の用意)をするのは常会のメンバーが当番でやっています。祠のお祭りをするときは、必ず「ぶくばらい」といって、みんなで小さな宴会をします。これはやらないといけない決まり?らしいです。

 

 祠には成り立ちというか、どういった神様がいらっしゃるのかとか、いわれがきっとあるのでしょうけど、それを知っている人は果たして常会にいるのかいないのか。歴史小説に今、はまっているだけに、戦国時代とか、ひょっとしたらもっとずーっと昔から伝わることかもしれなくてとなるともう、先祖代々語られているものがあるんじゃないかと。なんだか調べてみたい衝動に駆られてしまいます。

 

と、思っていたら!

 

自分が語られました。 そのお話をします。

 

 夫がサーフショップをする前は。一家で農業を営んでいたそうです。 お米、花、自分ん家で食べる分の少しのお野菜、などなど。なので広ーい農作地が家からちょっと行ったところにあります。その農作地のすぐ横っちょに小さな祠がありまして。 これを「川村神社?」とかいいます。昔、このあたりに落ち延びてきたお侍さんが、結局この場所で息絶えてしまい、それをお祀りして、川村の一族で代々守っているそうな。

 

 義母がまだ若かりし頃。たくさんの人にまじって農作業をしていると、見ず知らずの人が突然、遠くから手招きをしたんだそうです。

 

「ん?私?」

 

周りをきょろきょろして誰に手招きしているのかと、義母は目を泳がせていると

 

「あんた、あんた!」

 

と義母のことだったらしい。

 

「なんだろう?まったく知らない人なのに」

 

するとその見ず知らずの人が言うのには

 

「どこそこの山(近所)へ行きなさい。そこに風雨にさらされた大きな石がある。今、川村で祀っているものには何も憑いていない。昔、ここまで落ち延びてきて命つきたお侍さんは、その石に宿ってある。それをあなたが一人で運んで降ろして来ないといけない。これはあなたの使命だ」

 

 農作業している人は周りにたーくさんいたのにその中から遠くの自分に指名!義母は鳥肌がたってしまって、これは大変だということですぐにその人の言う山に行き風雨にさらされているそれらしい石を見つけ、山を下りることにしました。石はとても重たくて、やっとの思いで義母はそれを背負って降りてきたのだそうです。

 

で。

 

「このお祀りは旧暦の○月○日に毎年やっていて川村一族というのは、どこそこのだれだれとだれだれで、私ももうあと何年かわからないので、あとはもうあんたに託すから・・・」

 

え?えーーーっ?

 

お祀り方法は、常会にある神様の小さなお祭りと一緒だと。メンバーが一族なだけ。

 

 ということで、なんか嫁として代々受け継がれるものがとうとう私にも来たのかーって感じですが。その土地にずーっと住んで代が変わるっていうのは、東京にいたら体感できなかったかな、と思ったり。いえ、きっと東京にも昔からそこへ住んでて、代々継がれているものがきっとあるのでしょうけど。うちは父母の代から東京へ出てきた一家だったので、そこらへんはやはり皆無だったし。

 

しかし。

 

 私が高知へくるときも、嫁ぎ先では不思議な予言があったそうな。当時、夫も花づくりで体を壊し、心身ともに弱っており。ちょっとずつ元気を取り戻しつつあるものの、急に、農業をやめてサーフショップをしたいと言いだし。義母はどうしたものかとかなり悩んだそうです。すると義母の、信心深い友人から、ちょっと普通の人とは違う、とある人物を紹介されたそうな。

 

 その人がある日、お家を見に義母のところへやってきました。母息子2人だけで暮らすこの家、跡継ぎもなく、ましてこの年になってサーフショップをしようと言う。義母の悩みはとても深刻で、もう望みも何もないですわ・・・とその人へ愚痴をポツリ。

 

するとその人が

 

「サーフショップはやらせたほうがいい。そうすると、東からお嫁さんがきます。赤ちゃんの声も聞こえます。」

 

 義母は、あんまりあり得そうにない話で、ついつい大笑いしてしまったらしい。彼女の”か”の字もなく、こんな田舎で出会いもなく、それが結婚、赤ちゃん??サーフショップしたら? ありえなーい、うそやーん(義母の気持ちを今風に代弁してみました)

 

 まーったくその話を信じず、けど、息子が元気になるならと店をやることはとりあえず許し。そうして開店して数か月後、私がサーフィンしに高知へきたことがきっかけで今の夫と出会い、トントン拍子で嫁にきて赤ちゃんも生まれ。義母はそれからというもの、何か心配ごとがあるとその人に相談するようになりました。世の中、不思議なこともあるものですね-。

 

と、この話には続きも。

 

 私がいざ嫁いできてからもときどき、この予言をしてくれた人は家に寄ってくれました。一緒にお墓参りすると、ご先祖さまのだれだれさんが、生まれてくる子は自分に似ていると言っているよ、なんて教えてくれたり。すごーい、そんなことがわかるんだーとびっくりしました。そういうことが見える、わかる、というので、どんな人かというと、めっちゃ明るくて楽しくて、おもしろい方。いつも漫画家のような服装をしてて、ライダーズ手袋?っていうのかな、皮の指先が出てる手袋をして車を運転していました。

 

私には成人した息子もいるのですが、その長男とも会ったことがあって。

 

「この子は結婚が早いね、24,5くらいかな」

 

と言われました。

私がおばあちゃんになる日も、もしかしたらそう遠くないのかも?

いや、それはちょっとうれしくありません。 ちょっとじゃなくて、かなり。

 

 

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