お上りさん、ついでにあっちこっち~②経験こそ学び編~
2014/10/13
『お上りさん、ついでにあっちこっち~来た波に乗ろう編~』の続編。
話の流れが分からない方は前篇からどうぞ☆
東京出張のついでに友人宅に泊まった翌朝、友人と朝食を食べながら前日同様の熱い議論を交わし、駅まで送って貰って別れた。この日は、以前福田百貨店で自主上映会を行ったドキュメンタリー映画『さぁのはらへいこう』の監督さんと、初めてお会いする予定になっていた。自主上映会の際のやり取りを通じて、とても波長の合いそうな方だったのでいずれお会いしてみたいなと思っていてところ、今回東京に出る機会に恵まれたので、お会いすることが出来た。
この日は一日一緒に行動し、上野界隈を散策しながら、映画の裏話やお互いのことなどを話し交流を深めた。出来れば今年中に2回目の上映会をまた開催したいなと思っているので、これからもいろいろと関わって行けたらと思う。波に乗って会うことが出来たこの出会いも、きっと何かにつながるのだろうと漠然と感じてしまう。
晩は鎌倉にある鎌倉ゲストハウスという宿に泊まった。
もともとゲストハウスというものにそんなに興味はなかったのだけれど、かつおゲストハウスの女将とお友達になった縁で、何となくゲストハウスというものを意識するようになった。しかも、古民家を活用したゲストハウスだったので、何か福田百貨店の参考になることもあるんじゃないかと思って、泊まってみることにした。人生初ゲストハウスである。立派な古民家で、囲炉裏を囲んで話の出来るアットホームな雰囲気のゲストハウスだった。
チラシやショップカードを置いているコーナーに、かつおゲストハウスのパンフも発見したので、一応ご報告しておきます前田さん!
さて翌日、午前中は時間の余裕を取っていたので、鎌倉の街を散策した。とりあえずかの有名なあのお方を表敬訪問した。
正直な所そんなに興味はなかったのだけれど、世間一般で有名なものがどの程度のものか、一度自分の目で見ておくことは大事かなと思って、開館間もない朝8時過ぎから鎌倉の大仏様を訪れた。天気は雨だし平日だし、僕の他にお客さんは、大仏さんの頭の上のハトしかいなかった。
大仏様に別れをつげて鎌倉の街を歩いていると、お洒落なカフェがあった。これも勉強と意気込んで、一番高いモーニングのセットを頼んでみた。普段だったら絶対にそんな高いのは頼まないのだけど、今回は福田百貨店の他、自分の活動への勉強モードに入っているので、清水の舞台から飛び降りるつもりで頼んでみた。(いや、たかがモーニングで清水の舞台は言い過ぎでしょ!)
建物の外観や内装、店内の雰囲気などはそれはそれはオシャレなお店で、「鎌倉スゲー!」って尊敬しまくってしまった。本当は写真を載せたいのだけれど、ただ、ちょっと否定的なことを書いちゃうのでここは写真を自粛。
パンと一緒にオシャレな容器に入って出てきたはちみつが、あまり良くないはちみつだったので、思わずガッカリ。。。高い値段を取っている料理でも、所詮はオシャレな見た目だけなんだな~と感じて良い勉強にはなった。たぶん以前の自分であれば、はちみつの味の違いなんて分からなかったから、それで十分満足していたのだと思うけれど、混ぜ物なしの本物のはちみつを福田百貨店で扱い始めてから、本当に美味しいはちみつの味を知ってしまったので、見た目だけのマガイモノが分かるようになってしまった。オシャレをまとったマガイモノほど滑稽なものはないな~と思った鎌倉の朝であり、高いと思ったモーニングも、授業料としてはむしろ安かったのかもしれない。
鎌倉の街はオシャレな建物が多かった。スターバックスですらこのオシャレデザインだ。
建築フィールドミュジアムといっても過言ではないくらい、一般の住宅も含めて、和洋新旧オシャレな建物が入り混じった街並みで、建築士の僕としては違う目線で楽しめた。
紅茶専門店のかわいらしい看板
たまにはこうやって街で評価されているものに触れて勉強するのも、やはり大事だなと思った。やはり色んな刺激を与えてくれる。ただし勉強といっても、それをそっくり真似るという意味ではない。“都会で評価されているものをただ単純に田舎に持って来る”という物の考え方はあまり好きではない。そこを目指すのは違う気がする。月並みだけど、田舎には田舎のやり方があるはずだ。ただし、都会で何が評価されているのかを知っていることは、田舎で何かをする上でも良い参考にはなるだろう。人が評価するもののエッセンスを学ぶという感じだろうか。
今回江ノ電にも乗ってみた。「よく名前は聞くけど、実際どんな良さがあるのかな?」と思って乗ってみた。海から住宅街から商店街までいろんな要素がギュッと詰まった良い雰囲気があった。まさに箱庭的感覚のミニチュア感のある路線だ。景色を見ながら乗っているだけで楽しめる感じだと思った。
とある駅前でアニマルセラピーの啓もう活動が行われていた。このワンちゃんを見ているだけで、心からホッとする安心感があり、見ているだけでジワっと涙ぐんでしまいそうになった。そんな体験は初めてだ。写真ではなかなか伝わらないかもしれないけれど、動物の癒しの力は凄いなと、偶然出会ったワンちゃんに強烈に思わされた。
ところで、ここまで書き進めたものの、改めて見返してもただの鎌倉観光旅行記事ではないかとヒヤヒヤする。本当にいなかパイプに載せて良かったのだろうか(笑)。
そんなこんな午前中はいろいろと観光半分・勉強半分で時間をすごし、そしてついにこの日のメインの予定を迎える。いや、今回の旅行のメインのひとつと言っても良いだろう。(一応一番のメインは四国暮らしフェアだ。)それは、湘南にあるサドベリースクールという学校を見学に行く事だ。学校といっても正規の学校ではないので、分かりやすく言うとフリースクールだ。ただし、一般にフリースクールというと、ややネガティブな印象がある場合が多いけれど、それとは少し違って、より望ましい教育の方法を模索して出来た学校と行った方が良いと思う。別名デモクラティックスクールとも言われている。
元々はアメリカが発祥のスクールで、学生が意欲的に授業に取り組んでいない状況を問題視した大学教授たちが、本当に望ましい学びの場とはどのような物かをゼロベースで検討し作り上げて出来たのがサドベリーバレースクールという学校だ。「自分の好きなことを学ぶ」「カリキュラムなし・テストなし」「子供の尊重」「学校の運営はミーティングで話し合って決める」「年齢ミックス」といった特徴がある。簡単に言えば、全て自由でやりたいことが出来る代わりに、その結果の責任は自分で追い、学校の運営は生徒たち自身がコミュニティで話し合って全ての事を進める学校、という感じだろうか。
なお、この程度の表面上の紹介をするだけでは、「自由にやって勉強大丈夫なの?」とか「協調性が身に付かなそう」とか、幾らでも突っ込みどころがあるような感じに見えてしまうのだけど、本やWEBサイトなどを見てちゃんと仕組みとコンセプトを理解すれば、かなりの可能性を秘めた学校形態だと思う。本質的はとても単純だけれど、突き詰めればかなり奥が深いので、もし教育について少しでも興味のある方は、食わず嫌い的にあしらわずに、一度デモクラティックスクールについて勉強してみることをオススメしたい。これからの時代、自分らしく生きて行く力を身に着ける学校として、デモクラティックスクールの形態は、間違いなく1つの原型になるのではないかと思う。[デモクラティックスクールの総合情報サイト]。
見学して感じたことや、スタッフの方と意見交換して感じたことなど本当はとてもいろいろ語りたいことがあるのだけれど、自分がそれをまだ公の場で語れるほど経験や実績もないので、今はまだこの記事で自分の考えを細かく述べるのは控えておこうと思う。ただ近場で興味のある人は福田百貨店まで個別に話を聞きに来てもらったら、お話出来ることはあるのでぜひどうぞ。デモクラティックスクールに関しては、まだ知らない人も多いだろうし、きっと誰かの役に立つ情報だと思うので、発信しておきたいと思う。
そんな感じでこの日はとても充実した1日を過ごした。そしてこの日は鎌倉に戻って、亀時間というゲストハウスに泊まった。
ここも同じく古民家を活用したゲストハウスで、内装などはとてもオシャレだった。ただゲストハウスと言っても、1泊目のゲストハウスとは全然雰囲気が違って、いろいろ泊まり比べてみるのは面白いなと思った。やはり何事も経験することで学びになるものだ。
以上、続編に続く!(え!まだ続くんかい!?)