今日に感謝し、未来を待ち望む。島暮らしで実感する『日常』という幸せ。
『幸せ』ってどんなときに感じるだろうか。
お金がいっぱいあるとき?
欲しいものが手に入ったとき?
高級料理を食べているとき?
憧れの歌手のライブを聴きに行き、身も心もホクホクしているとき・・・?
厳原にある漁火公園。
漁火公園には無料の足湯があります。足湯をしながらおばあちゃんたちと楽しくおしゃべりしてごきげんな松野D。
朝起きた時、息をしている。
猫がいつも通り起こしに来てくれる。
寒くてお布団からなかなか抜け出せない。
コーヒーが美味しい。
仕事場には仲間たちいて、ミーティングタイム。
締め切りは間近!今日もやることがたくさんあるなぁ。
夜は送別会だから鍋にするらしい。準備はどうしようかな。
あ〜寒くなったな。寒いのはやだな〜
今年で10歳のマオにゃん。いつまでも元気でいてね。
今日も何事もない1日。何でもない日を愛おしく思うことって、今まで一度もなかったかもしれない。
11月の終わり。小学校での消しゴムはんこ教室に向かう途中の山道で軽トラックと正面衝突。向かってくる軽トラを避けきれず、ハンドルを切るもその先は崖で停止するしか方法がなかった。急ブレーキをかけたが時遅く、軽トラが目の前にあった。一瞬で衝突し、エアバックが作動して目の前は煙だらけになった。
なんとか外へ出て、すぐさま軽トラに向かう。幸い相手の方の無事を確認することができた。振り返ると愛車が大破していた。息もできないほどショックだった。
事故直後の愛車。それでも意外と冷静に状況を撮影していた。
後ろを走っていた車の方がすぐ駆けつけてくれ、助けていただいた。しばらくすると警察と救急車が現場に来て、事故後の処理もスムーズに終わった。エアバックの衝撃にもかかわらず私は無傷だったので、現場でだれも怪我をした人がおらず、大破した車を移動して終了。
しかし、今日は小学校の消しゴムはんこ教室。ここからはるか遠い距離にある小学校。私はそこに行く足を失ってしまった。子供達が大勢楽しみに待ってくれているのに。どうしたらいいのだろう。
途方にくれて立ち尽くしていると、後ろを走っていた車の運転手さんとお友達さんたちが、帰り道だしその周辺まで行くので送っていきますよ、と提案してくださった。助けてもらった上にさらに送迎までお願いしてしまうとは…と思ったが、ご好意に甘えさせていただき、時間通りに小学校に着くことができた。
雨にもかかわらず36名の方が参加してくださった。
そして、はんこ教室は無事に開催することができた。参加した子供たちがとても嬉しそうに消しゴムはんこの制作をしている。親御さんたちや先生方にも喜んでいただけて、子供たちの「楽しかったー!」という言葉と笑顔がとても心に響いた。
ヤマネコ、かすまき、ホシカリ、対州馬。対馬のはんこをたのしそうに彫る子供たち。とっても上手!!
帰りは、唯一の休日に釣りに行っていたマネージャーが迎えにきてくれた。今日に限って超いい感じで釣れていたのに文句も言わず「無事でよかったね」と言ってくれた。こういう時に頼りになる仲間がいることに本当にほっとしてしまってなんか泣きそうだった。
対馬の風景はいつも心が癒されます。
今日、私は生かされたのだ。そして人の縁とあたたかさに助けられた。私が無傷で済んだほどに愛車がすべての衝撃を受け止めてくれた。対馬で島おこし協働隊として働くため免許をとったので、この愛車が人生初めて購入した車であり、約4年間ほぼ毎日運転をしていた。中古車だったが、一目で気にいってしまい、「ぽーちゃん」と名前をつけて周りの目も気にせず(笑)家族同然にかわいがっていた。朝は「今日もよろしくね」といってなでなで。帰宅後は「今日もおつかれさま、ありがとね」といってなでなで。
洗車してピカピカのぽーちゃん。
ぽーちゃんと対馬島内いろんなところに行った。
毎日の通勤はもちろん、両親を連れて島内を案内したり、学生さんを送迎したり、本当いつもいつも私と一緒にいてくれた。カラオケボックスになることもあれば、とてつもなく泣きたい時はぽーちゃんに乗ってる時が一番素直に泣けたっけ。
ぽーちゃん消しゴムはんこ
ぽーちゃんがあまりに可愛すぎてティッシュカバーを自作。
ある日突然大事なものを失うことがあるけれど、こうして毎日の思い出を作っていてよかったなと思った。今日、なにもないこと。「日常」は「特別」なのだ。今日に感謝するという意味を対馬に来てからとても強く感じるようになった。そして、今日一緒にいてくれる人たちと過ごす時間も幸せを感じる時だ。
学生さんの送別会に松野作ツシマヤマネコ鍋!大根おろしでつくりました。おすそ分けのクエのアラ、白菜、しいたけ、ゴボウ、鶏つみれ、お豆腐で絶品鍋のできあがり。
学生さんの送別会のたこ焼きパーティー。
いい感じにまとまり感がないw(笑)。事務局長からの都会土産ドーナツをめぐり、じゃんけん大会がはじまるところ。
ドーナツは最高の幸せだ!
夢を叶えたい。MITにいて、この島で、これから先、自分はどうなりたいか。36歳になった今、どんな目標を掲げなくてはいけないか。そのために今、何をしなければならないか。5年後10年後の人生計画。夢の預言書を作る。
松野由起子ものづくりLabo. この島で画家という仕事ができる幸せ。
そんな風に躍起になって目標を定め、「夢に向かってGO!!」と言うことも大事だけれど、行き急ぐと、反対に心はどんどん焦ってしまう。どうして願ったのに叶わないのだろう、ってね。
「夢」は、信じて待ち望む。
今は真っ暗なトンネルの中にいるかもしれないが、その暗さに絶望せず耐えて耐えて歩いていけばいつか夜明けがやってくる。
月明かりと漁火。
そう、焦らないこと。そして、今、生きているっていうだけで幸せだということ。日常が何事もなく過ぎるという奇跡。2014年は実にドラマチックだったけれど、このまま静かに年が明けてほしいものです。
フォトグラファー吉野が撮影してくれたポートレイト。明日こそ死んじゃうかもしれないからいつも笑顔でいよう。
来る2015年。どんな年になるでしょう。今日も何事もなく過ごせてありがとう。明日もまた素敵な1日でありますように。対馬で感じる日常は、いつも奇跡でいっぱいです。
専務理事川口が顎を骨折した際に、元気づけようと夏に撮った集合写真。
【MITニュース!】
MITの通販が始まりました!ここでしか買えないオリジナル商品、オーダー商品など、今後も商品アイテムを増やしていきます。2015年はオリジナルグッズの開発も頑張ります!どうぞよろしくお願いいたします!
MIT通販サイト