夏だ!まつりだ!「赤坂さんさ」だ!

2015/07/28

 

 先日、岩手では異常とも思える38.4℃を記録した岩手県釜石市在住の手塚です。わたしは釜石市の復興支援員「釜石リージョナルコーディネーター(通称釜援隊)の一員として、市内の釜石地方森林組合で働いています。並行して「岩手へのUIターンを考えている人の背中を押したい!」という思いで、おもに盛岡在住の仲間たちと「岩手移住計画」 という活動をしています。

 …なのですが、今回は、いよいよ東北に祭りシーズン到来!ということで、釜援隊でも岩手移住計画でもなく、「赤坂さんさ」という盛岡さんさ踊りを通じた岩手と首都圏との交流の活動についてご紹介します。

 

赤坂さんさ

2015年3月の「赤坂さんさ」新年会 赤坂見附駅徒歩5分の「Tregion」にて

 

 

8月1~4日は「盛岡さんさ踊り」

 

 東北の祭りというと、仙台の七夕や青森のねぶたが、思い浮かぶかもしれませんが、盛岡ではまつりといえばさんさ踊りです。(あくまで「盛岡で」なので、釜石では釜石まつり、花巻では花巻まつり、など各地に夏祭り、秋祭りがあります)。盛岡出身者は小学校の運動会などで披露するそうで、盛岡出身のわたしの友人たちもだいたい一通り踊れます。6月ごろになると、市内中心部では夕方になるとさんさの太鼓の音がどこからともなく聞こえるようになり、「もうすぐ夏なんだなあ」と実感します。

 もとは、江戸時代から盛岡市近隣の地域の各集落にはオリジナルのさんさ踊りがあり、今も「三本柳さんさ」「山岸さんさ」などが地域で継承されていますが、それら「伝統さんさ」はみんなくるくる回りながら舞ったり、斜めの動きがあったりと、動きが激しくて見るからに難しい……。なので、毎年8月1~4日に実施されている「盛岡さんさ踊り」は、各地の伝統さんさの要素を単純化した「統合さんさ」という振付で踊る団体と伝統さんさのハイレベル団体の両方がパレードに参加します。「統合さんさ」を踊るのは、県庁や盛岡市役所、銀行や百貨店、鉄道会社などの職場のチームや大学、専門学校、社会人のさんさ愛好サークルなどさまざまです。

 

盛岡さんさ踊り

昨年のパレードの様子。スマホで撮っているのでブレブレですが……

 

 

「赤坂さんさ」発足!

 

 私と盛岡さんさ踊りの出会いは2001年夏にさかのぼります。前職(新聞記者)の入社と同時に盛岡に赴任し、夏の風物詩として「盛岡さんさ踊り」を取材し、さんさ踊りのシンボルである太鼓をつくっている職人さんにもお話を伺ったのを機に憧れるようになりました。とはいえ、連日、早くて22時くらいまでは仕事をしていたので、本格的に練習することはできず、盛岡に4年間住んでいたうち、1度参加しただけでした。

 そして、次日は流れ、ひょんなことから2013年、当時東京に住んでいたにもかかわらず、盛岡さんさ踊りのパレードに出演することになりました。正確にいうと「東京でさんさ踊りを練習して、本番に出よう!」という活動を始めることになりました。

 活動名は「赤坂さんさ」 。じつは初年度は「千代田さんさ」だったのですが、諸般の事情で、2年目から「赤坂さんさ」になりそれが定着しました。「赤坂」の由来は、というと、「赤坂さんさ」の新年会などイベントの会場として利用しているTregion(トレジオン)という浜焼きバルの経営者が、初年度からいっしょにやっている仲間だからです。

 

赤坂さんさ

言いだしっぺとなった3人

 

 左のめんこい女子は、東京出身で震災後は復興支援のNPOで活動しているえりっち。右のはにかみ男子は盛岡出身で現在は東京在住ながらもしょっちゅう岩手に出没しているおしょすっちです。(「おしょす」というのは岩手弁で、「恥ずかしい」。照れ屋さんということです)。そして真ん中が私てづっちです。さんさネームとしてメンバーは「○○っち」呼び合っています。

 おしょすっちがFacebookに、「さんさ踊りを通じて東京と岩手とで交流したいよね」というような書き込みをしているのを見たえりっち、てづっちが、実はその時点でそんなに親しかったわけでもないのに意気投合し、本番まで4か月弱というタイミングだったにもかかわらず、実現にこぎつけました。いま思うとすごいバイタリティーです。

 

 

「岩手つながり」を総動員

 

  「なんとしても実現しよう!」という勢いだけはあったものの、3人ともさんさ踊りはちょっと練習したことがある程度で、とても他人様に教えられるレベルではなく……。ちょうど、私が取材で「全日本郷土芸能協会」という団体で被災地の郷土芸能の支援をしている県内出身の男性男性(一関市出身の鹿子踊りの担い手「しかっち」)と知り合った直後だったため、あつかましくも相談したところ、心あたりとして「岩手銀河プラザを応援する女子会 anecco.」 という岩手出身のこれまためんこい女子のグループを紹介してもらい、お願いすることに。

 現在は、anecco.メンバーに加えて、昨年のさんさ踊り本番で知り合った東京在住者も先生役として練習に参加してくれるようになりました。元「ミスさんさ」の方も練習に顔を出してくれたり、とさんさを通じてつながりが広まっています。(私自身は去年から岩手に住んでいるので、東京での練習にはほとんど参加していませんが)

 

さんさ踊り

今年の練習の様子

 

 

今年も20人で、行くぞ盛岡!

 

 えりっち中心に今年も5月から練習を重ねてきたメンバーたち。4日間あるパレードのうち初日1日(土)に出演します。50人そろわないと単独のチームとしては参加できないため、「盛岡青年会議所」さんの連の一部としての参加です。

 踊ること自体が楽しいのはももちろんですが、現地で本番に出ることで、岩手の人々との新たな出会いがあったり、岩手の魅力を再発見したりできるのも魅力です。さて、今年はどんな出会いが待っているのか、本番が待ち遠しいです。

 

さんさポーズ

去年の本番直前。恒例のさんさポーズ

 

 

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