鰹が旬!お酒も!!

2016/06/08

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執筆者 川村かおり
所 属有限会社 西岡酒造店

 

 中土佐町久礼は、言わずと知れたカツオの一本釣りの町ですが、今はまさに初ガツオの季節です。前職場の大正町市場もこのゴールデンウィークはすごい人出でしたし、カツオも値のあがった日もあったようですが、先日は一匹500円で魚屋に並んでいたのでつい、買ってしまいました。

 東京にいるころは魚を丸ごと一匹買うなんて、捌けないからあり得ないことでしたけど、今じゃマイ包丁片手に見事?に節にしています。上手か下手かはおいておいて、自分で食べるのだからいいんです。

 マイ包丁は、市場で魚と一緒に刃物も売っている漁師のおかみさんからいただいた、切れ味抜群の包丁。まな板は銀杏の木で作られた、杜氏お手製のものです。これらは私の宝物の中の二つ。

 

切れ味抜群の包丁

 

 さて酒蔵では仕込のないこの時期、私は営業を必死こいて勉強しています。特別なイベントがなければ、土日が休みとなったのも何年ぶり?という感じ。時間にも余裕ができた今は、けっこう自分の時間として休日は有意義に過ごしています。 ヨガとか英語とか。

 営業は、高知の観光地として有名な酒飲みの聖地、ひろめ市場でうちの酒蔵のお酒を試飲販売したり、ゴールデンウィークは高知大丸での試飲販売なども。

 

試飲販売

 

 副杜氏であるボスは酒造りだけでなく、営業もストイックでした。目標売上を決めたら達成するまで帰れないという厳しさ。 かといってお客様への売り方は決して強引ではなく。連休中ほぼ毎日売っているうちに、お酒の話などしたがる副杜氏目当てのお客様までいらっしゃるほど。

 

「お酒の味の説明よりも、こういう人間が作っているということを、知ってもらって安心してもらうことが大事」

 

だそうです。

 でも初日はなんだか私、硬くなってしまって。だって今までの試飲販売って、場所的にもざっくばらんなお酒飲むのが好きな人がいっぱいいるところとか、解放感あふれる田舎の道の駅とかだったものだから、デパートで白いシャツをきてお酒を勧めるなんて・・・と緊張してしまってました。

 それとちゃんとした売り子の仕事なんてしたことなかったので、何もしてないときは常に手はお客様に見えるよう、前に組むとか、そんな基本的なことも全く知らなくて、セールスについてはホントに今回の試飲販売は目からうろこでした。

 大丸での二日目の朝、すごーく気が重かったけれど、一人旅ふうな女性にちょっと勇気をだして声をかけてみました。そしたら東京から来ていた方で、なんだか話がはずみ、お酒も買ってくれて

 

「お酒のこと全く知らなかったから、いろいろ聞けてよかった」

 

と言ってもらったらなんだか私もうれしくなって。朝まで籠っていた殻を割れた気がしました。

 うちのお酒を8種類くらい持って行っていたのですけど、同じ蔵で作ったのにどれも味は全然違う。それを私にはうまく説明できないから、今はまだボスの受け売りだけど、ひとつだけわかるお酒があって。酒蔵に入るずーっと前に、四万十町十和の道の駅で買った『山間米』。

 

山間米

 

 それまで日本酒は好きだけど、特にこだわって飲むこともなく、どんなお酒も普通に飲んでいるだけだったのが、日本酒ってこんなにおいしいんだ!と思ったのを覚えています。 一人で2合ほど飲んでも次の日に全く残ってなくって。なので、そんな思い出とか、山間米ってこんなお酒なんですよってことを私なりに説明してたら、買ってくれる人が結構いたので驚きました。

 ボスにも「やっぱり自分の好きな酒(を売るの)は強いな」って。他のお酒に比べると山間米はどちらかというと女性向、さっぱりとした後味で、辛口好きの人にはちょっとパンチが足りないです。なので全員にはさすがにうけませんでした。 特に辛口がお好きな男性の方には。そういうことも勉強になった連休でした。

 連休がすんだら次は、町民総出のカツオ祭り!数日前から町内の人が協力してニンニクの皮をはいだり、カツオを使った惣菜の仕込をしたり、鰹を節にしたりと大忙しです。

 

カツオ祭り

 

 前日までは天気もすごく良くて、当日お酒販売に立ったら日焼けするだろうなと日焼け止め万全に整えていきましたが、当日は曇り空でちょっと残念。 でも熱気や活気がすごかったので、逆にすごしやすい一日になりました。

 少し雨も降ったけど大したこともなく、一本釣りゲームやところてんの早食いなど催し物も盛り上がって、お客様もすごく楽しんでいるようでした。

 じつは私、カツオ祭りに直接かかわるのは高知に来て10年目にして初めて!地域の仕事をしていたのに大正町では大正町に縛り付け、イベント会場へは出られず、ど久礼もん時代は事務所対応や商店街対応で、やはり事務所近辺から出られずじまいでした。でも今年からは、西岡酒造としてお酒販売に立つことになり、こんなに直に活気を感じられてすごく楽しかったです!

 

鏡割り

 

かつお祭り

 

カツオ祭りスタッフ

 

 たくさんの人の力で何かを盛り上げるって、本当に楽しさ何百倍、成功したときの嬉しさ何千倍なんですね!!また来年もめいっぱいがんばりたいと思いました。

 

 

 

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