密かなる縄文ブーム

2016/07/06

 

 「縄文」という言葉は私の生活の中で、これまで出てくることはなかったし、関係ないと思ってました。そんな私が、「縄文」に引き込まれていってしまった話を今回はします。

 

 今年の春に「縄文」をテーマにアートプロジェクトを展開する話と、私の暮らす町で30年ほど前に発掘・修復された土器を展示するという企画があがり、その両プロジェクトに私も携わることになり、急に「縄文」というキーワードを口にする様になりました。プロジェクトに関わる以上、縄文に対する知識を深める必要。しかし、私の縄文に対する知識なんてまさに中学生レベル!土器くらいしかイメージが湧かなければ、知識もなにも無い状態。慌ててまずは縄文関連の本を読みはじめました。

 縄文の知識をつけていくと、考え方というか常に頭の中が縄文に埋め尽くされ、

 

「これは縄文時代の名残なんじゃないか」

「これも縄文ルーツ!?」

 

などなど、想像・・いや、妄想が止まらなくなります。

 中学生の頃にこんな風に楽しく興味を持って勉強できていたら、何か変わっていたかもしれませんね。

 

竪穴式住居と私

竪穴式住居と私。もちろん縄文の暮らしについて妄想にふけっています。

 

 

 そんな風に縄文のことばかり考えていたある日、車を運転中にラジオから「縄文スープは~」という会話が流れてきたので、「縄文スープ??何ソレ、すごく気になる!!!!」と思わず音量を上げてみると・・ 「あっ!!!」なるほどね、そうだよね(笑)

 ラジオから流れていたのは、「縄文スープ」ではなく、正しくは「常温スープ」でした(笑) 私の思考が縄文に偏りすぎて、完全に空耳でした・・。

 

 そんな縄文ムーブメントがじわじわと来ている西会津町(私だけかも?)で、先日おもしろいワークショップが開かれました。

 “土クッ器―つくろー!”という名のワークショップ。「縄文土器風のクッキーをつくる」という何ともユニークなワークショップ!みんなで楽しく縄文に触れるワークショップです。

 

縄文に触れるワークショップ

 

 まだ縄文を知らない小さな子どもたちも含めた15名ほどのメンバーが集まり、まずは、縄文土器展の会場で西会津町で出土された土器や土偶を鑑賞して、土クッ器―にどんな柄をつけようかな~?と構想しながらスケッチします。

 

土器スケッチ

 

 不思議に感じたのは、スケッチを開始した途端に子どもも大人もすぐに集中し、黙々と土器スケッチをはじめました。その光景と静けさにびっくり!みんな知らず知らずに本物の土器を前にその迫力と縄文パワーに引き込まれていたのかも。

 小さな子どもたちは生まれてはじめて縄文土器を目にしたわけですが、どんなことを感じていたのかな。こんなに集中して土器の柄をスケッチしたのは、大人もはじめての経験だったはず。

 

 さてさて、スケッチの後は土クッ器―の生地づくり。グループごとに作ります。

 今回は、小麦粉・そば粉・お砂糖・アーモンドプードルの他に、卵やバターも使ったので材料は縄文とは異なり、現在の縄文人向けでした!あとはナッツも少し使いましたよ。

 生地がをこねこねしていきます。この行程は縄文土器の粘土づくりを連想させる行程。生地ができたら、生地を伸ばして想い想いの紋様を付けていきます。

 

土クッ器―の生地づくり

 

 ヒロロや竹を使って縄文人になった気分で紋様を付けていくのですが、この日は気温も高く、クッキー生地が思った以上に柔らかいのでなかなか上手く紋様が付かない。難しい!

 私はせっかくスケッチしたにも関わらず、その時の気分で紋様を付けてしまいました。頭で考えてというよりは、即興で。手が動くままに(笑) 適当な形で土クッ器―を形成すると、

 

「これって前方後円墳っぽくない?」

「それじゃあ縄文じゃなくて、古墳時代になっちゃうじゃーん!」

 

なんて、オモシロイ会話をしながらそれぞれが好きな形で、好きな柄を描いていきました。

 紋様を付けたら、オーブンで焼き上げます。

 焼き上がりで焦げてしまっている部分も、本物の土器が火で焦げ付いた様に見えるし、リアリティがかえって増してみえる(笑) 想い想いの「土クッ器―」や「土偶っ器―」も個性的でおもしろーい!

 

土クッ器―

 

「現代の縄文人もなかなかやるなー!」なんて想いながら、鑑賞をしばし楽しみます。

 

 縄文土器風のクッキーづくりって意外と、全国のいろんな場所でワークショップも行われていると思うんですが、他とは違う「土クッ器―つくろ!」の面白いところは、なんといっても土器割りができる!!!というところじゃないでしょうか。

 「土器割り??」そう、土クッ器―が冷めたら、木槌で叩いて割ってしまうんです(笑) オモシロイでしょ?? 土クッ器―にヒビが入ったり、割れたり。破片はまるで土器片の様でよりホンモノっぽい!

 普段は、食べ物でふざけたり、遊んだりすると先生やお母さん、お父さんから「食べ物で遊んじゃだめでしょー!」って注意を受けたり・怒られてしまうけど、このワークショップでは特別に「思いっきり叩いて割っていいよー!!」と子どもたちに伝えると嬉しそうに、木槌でトントン叩いて土クッ器―を割っていきます!

 

土クッ器―割り

 

土クッ器―が割れるたびに大人たちからは、「わぁー!!」と歓声があがるし、子どもたちも得意げです(笑)

 

 割った土クッ器―はそのまま食べちゃいます!!!

 お味はというと・・サクサクしてるもの、カントリー○―ム風(?)にしっとりした食感のものどれも美味しく個性的でした。子どもから大人まで一緒に楽しめちゃうワークショップでとてもよかったです。

 

 さて、そんな楽しいワークショップが開催舞台は、“西会津国際芸術村”です。こちらを会場に、6/25~9/4まで「西会津・縄文土器展」と「縄文の音の森展」が開催されています。

 西会津町から出土され、復元した土器や土偶約30点を展示。展示台はなんと地域おこし協力隊に5月から着任したばかりの間瀬隊員が監修!ものづくり担当の彼がデザイン・制作した展示台です。制作や色塗りは江田隊員や私も手伝いました!

 展示を観に来てくださる方は、ぜひ土器や土偶だけじゃなくて協力隊がコラボして創りあげた“展示台”にもご注目くださいね!!!(笑)

 縄文土器の展示は360°(?)あらゆる角度から鑑賞することができますし、土器の展示の他には、縄文ストアが設置されています!

 

縄文ストア

 

 オリジナル縄文Tシャツや縄目柄のテープ、ポストカードなどグッズ販売しています。

 私の分身(クラフト粘土で作ったハート型土偶ちゃん)が縄文ストアで毎日、店番しています。そちらも合わせてご覧ください。

 

 縄文ってほんとに謎だらけ。偉い学者の先生たちにだって「縄文の全て」はわからない。言い切れないことがとても多くて、だからこそ面白いのかもしれないし、自由に想像できる部分がある。

 縄文時代から現在まで続いている暮らしの営みも残っている。(例えば、会津には漆文化、胡桃や栃の実の食文化もいまだに残っている) そういう我々の暮らしとつながる部分を知ることで、私は縄文に対してすごく興味が湧いてます。

 

西会津の縄文

 

 今後は、縄文文化や土器を含め考古学研究されている町民の方に「西会津の縄文」について掘り下げて話を伺うことで西会津町の縄文についてまずは知り、縄文を絡めたおもしろい企画につなげていきたいです!

 

◎余談にはなりますが・・

 

私の縄文オススメ情報は、「縄文ZINE」というフリーペーパー!

 

縄文ZINE

 

「都会の縄文人のためのマガジン」というキャッチコピーと、「私を狩りに連れてって!」「貝塚で待ち合わせ」「土偶絵描き歌」など気になる見出しにどうしても読みたくなり、問い合わせしてみたところ・・・ 個人向けに郵送はしてもらえないが、設置場所があれば無料で郵送していただけると知る。

 

「それなら西会津にも置いちゃおう!!!」

 

という訳で、西会津国際芸術村に縄文ZINEを設置していただくことに。

東北のみなさーん!福島のみなさーん!

西会津町で手に入りますよ!縄文ZINE!!(笑)

 

 

 

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