柳川暮らしが楽しすぎて困ります ~つなぎにつないでいます!の巻~
2016/08/19
- 執筆者 阿部昭彦
- 所 属柳川市地域おこし協力隊
福岡県の最南部、佐賀県と熊本県に挟まれ、有明海に面した柳川市からこんにちは。柳川市地域おこし協力隊員の阿部です。
と、これまではご挨拶をしていたのですが、最近は肩書きが少々増えました。「NPO団体KATARO PROJECT代表」「KATARO base 32管理人」の2つが加わっています。NPO団体と言っても、現時点では私一人の活動ですが、今後の展開などを見据えて団体を名乗ることにしました。来年度には従業員を雇用する計画です。
前回は農漁家民泊の紹介をしましたが、自分がいま取り組んでいることすべてが「人と人とをつなぐ」ということに帰結するなあと、最近ではあらためて思うようになりました。
なんでこんなに人と人をつなぎたいんだろう??
もともと自分が主役になるような人物ではないからというのが正直なところなのですが、昔から脇役(というか主役を助ける役)が好きだったのも事実です。戦国時代なら武田信玄に仕えた山本勘助、三国志なら劉備玄徳に忠節を尽くした諸葛孔明(これは主役かも)、太陽に吠えろなら山さん、サンダーバードなら4号、V8時代の巨人なら2番セカンド土井などなど。
野球では送りバントが得意だったし、サッカーではサイド(当時はウイング)担当で、クリーンナップやセンターフォワードが点を取るお膳立てをするのが大好きでした。こんな私だから、バンドでもベースを担当して、ボーカルやリードギターが気持ちよくなるような土台をドラムと一緒に作ることに大きな喜びを感じています。
ちょっと話がずれてしまったようですが、KATARO base 32を拠点として私が柳川のまちに仕掛けているのは、まさに「つなぐ」ことなのです。柳川では「仲間に入る=かたる」と言いますが、KATARO base 32は「かたってくれる仲間」が出逢うコラボレーションスペースとして、最近ではいろいろなつながりが生まれ始めています。
一般的に、地域おこし協力隊が活動するには、協力隊と地域の人をつないでくれる人の存在が不可欠なのですが、私の場合はそのつなぐ人に私がなっているという、なんとも不思議な状況。でも、まちづくりの主役はその地域を地元とする人たちなので、その点ではやっていることは間違っていないと言えるのではないでしょうか。
そもそも、このKATARO base 32の誕生も、いろいろな人が出逢うことで現実となりました。商店街の空き店舗で地元高校の文化部発表会をやりたいとおっしゃる方がいて、私がそこに首をつっこんだら、DIYで工事を請け負ってくれるハンマーマンズスタイルの甲木さんと出会い、それと並行する形で、福岡DIYリノベWEEKの吉原さんから、当時、九州大学院で建築を学んでいた前田くんを紹介されました。
また、地域おこし協力隊として柳川市からの協力を取り付けることもでき、私を介する形で甲木さんと前田くんがつながることで、KATARO base 32が生まれました。これはその時の打合せの模様です。「このとき歴史が動いた」という感じですね。笑
生意気にも新聞社の取材を受けることになったときも、偉そうに「人と人つなげたい」と言っていました。どんだけつなげば気が済むんだ、オレ!
柳川(周辺も含めて)の人をつなぐだけでなく、遠くにも足を伸ばして、さらにつないでいます。中野の薬師あいロード商店街で年数回開催している「柳川・大川フェア」も、今ではだいぶリピーターのお客さんが出来ていて、確実に柳川と中野のつながりが生まれてきています。「今度はいつ来るの?」なんて声を掛けられると、最高にハッピーな気持ちになります。
前職の人脈を悪用、いや活用して、卒業生を柳川につなぐことにもチャレンジしています。こちらは現在、大学に通っている教え子たちですが、大学生という目線から、何かできないかといろいろと試行錯誤してくれています。東京の大学だけでなく、九州大学の学生にもいろいろと柳川に関わってもらっています。
こちらはすでに社会人として働いている教え子たちですが、私が柳川でやっているKATARO PROJECTに興味を持って、わざわざ見に来てくれました。農家さんに民泊もしてくれて一緒にBBQで盛り上がって、楽しい時間でした。社員を雇用するときは、このように教え子を東京から呼ぶことができたら嬉しいなと思っています。
まちづくりの勉強をしていると必ず目にするキーワードに「地域資源」があります。柳川の場合は、通常、「うなぎのせいろ蒸し」「さげもん」「海苔」「おにぎえ」などの特産品や行事・風物が挙げられますが、本当の地域資源はそこに暮らす人々なのだと、私は感じています。私が「つなぐ」ことに執着しているのも、モノではなくヒトがもっとも大切だと無意識のうちに感じていたからなのかもしれません。
柳川は、城も港も、上流から流れてくる川もあり、さまざまなヒトやモノをここでつないで成長してきました。いま私がつないでいるモノやヒトも、いつか柳川のDNAの一部となって次の時代につながっていけば、これ以上の幸せはありませんね。
KATARO PROJECT webサイト http://kataroproject.jp/
KATARO base 32 facebookページ https://www.facebook.com/katarobase32/
柳川市地域おこし協力隊facebookページ https://www.facebook.com/yanagawachiikiokoshi/