田舎でカフェをはじめるということ①
2016/09/07
東京から四万十町の十和に引っ越し、お店を始めてから3年半くらい経ちました。
お店というのは、【カゴノオト】というCafeです。夫と2人でお店をしています。様々な試行錯誤を繰り返しながら、日々やっています。
引っ越してからお店を持つことにするまでをすこしまとめてみます。
引っ越してからすぐは出店のみをしていました。お店をもたずに。高知には、各所でたくさんのイベントがあります。イベントがあればそこへ出店に行く。そして、次のイベントへ向けてまた準備。その繰り返しです。出店は前日に仕込みと車への積み込み、当日の出店、次の日の片付けとゆうに3日は必要です。
最初は、少しずつ、作ったものを売っていました。それがだんだん出来ることが増えていきます。出店屋台がまるで本格的なお店のようなセットになるよう、作りこんでいきました。
すべて、軽自動車のハコバンにつめていきます。本格的な出店になるため出店設営だけでも3時間くらいかかりました。
出店に行くといろんな人と知り合うことができ、とてもとても楽しいのです。ほんとにこの時期の出店でいろんな人と知り合えました。今もそのつながりは、心強いと感じます。
しかし、出店を続けているとやはり、拠点となる場が必要と感じてきました。出店だけでは、広がりがなく、どこでもアウェイなのです。そして、体力的にとてもしんどいのですね。
どこかに場所を借りることにしました。しかし、ヨソからきたものになかなかお店としての場所をホイホイかしてくれることはありません。しかも、この四万十町の十和というところには、不動産屋がありません。すべて、人に聞いて貸してもらえるか交渉しなければならないのです。当然ですよね。ヨソから来たどんな人かわからない人に家をやすやすと貸すというのは、とてもむずかしいことです。
空いているお家はたくさんあります。でも盆や正月に帰るからとか、荷物がおいてあるからということでなかなか貸してくれるまでには至りません。それでも頑張って探して、7軒くらい断られていると、自分たちの住む集落の人が
「あそこが空いてるから聞いちょいてあげる」
といって、貸してくれるかを聞いてくれました。それが、いまのお店の隣のおうちです。結局そこは、お米の冷蔵庫置き場になっているし、母が貸したがらないからということで断られてしまいます。
「この隣のお家もっ知ちょる人のところだから、聞いちょく」
と、また別の人に聞いてくれることになりました。聞いてくださった答えは
「貸すつもりはなかったけど、会ってみてくれると言ってる。あとは、直接連絡とってみて」
というものでした。早速、大家さんに連絡をとり、会ってくださることになりました。私たちは、やりたいことをまとめ、まるでプレゼンのような形で大家さんとお話をしました。
大家さんは、飲食店を高知市内でやっていることや音楽が好きなどということもあって、また、『ヨソからきたもんを応援してあげよう』という気持ちもあったでしょう。『ここに住まない』という条件で貸してもらうことになりました。
場所はJR予土線の土佐昭和駅というところから歩いて3分ほど。メイン道路の国道381号線沿いです。
大家さんがここで生まれ育ち、大人になってこの町を出て行ってご両親がここに住んでいたけれど、亡くなって空き家になっていました。そのご両親は毛糸屋さんと化粧品屋さんをやっていたそうです。
ここがお店だったフロア
今のお店の入り口のフロアが当時のお店で奥は、住居でした。私たちは、その住居だったところを自分たちで改装してお店にしていきました。
大家さんの希望で、また元のまま返して欲しいのであまり手を入れないでほしいということもあり、すべて取り外しができるように改装していきました。
床はヘニョヘニョだったので、すべて貼り直しましたが、あとは、すぐ取り外しができます。
移住の友達にも手伝ってもらいながら、少しずつ改装して、3ヶ月後にカゴノオトをオープンすることができました。
今のお店の外観
お店は週3日あいています。ランチはパスタ、カレー、ごはんセットなど週替わりです。
焼き菓子はたくさんの種類を焼いています。お店でも買えるし、様々なところへ卸しています。
カゴノオト
高知県高岡郡四万十町昭和650
営業日 木・金・土 11:00~16:00
東京の暮らしで考えたこと。そして、四万十へ引っ越したこと。いまやっているカゴノオトのお店のこと。1冊の冊子にまとめました。
わくる -暮らし方と働き方- 小清水緑
500円+税 送料120円
問い合わせ:info☆waker.net(☆を@に)