30過ぎてからのインターンシップ
2017/04/06
- 執筆者 寺嶋紀人
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
いなかマガジン読者のみなさま、はじめまして。私は最近一般社団法人いなかパイプに入りました寺嶋紀人と申します。
出身は千葉県で高知に来る前は東京で暮らしておりました。約半年前「ソトコト」という雑誌を読んでいた彼女が突然、「岩手か高知に行こうかと思うんだけど」というところから始まります。
私は都会の人の多さにずっと息苦しさを感じていたので、心のどこかに自然に囲まれた中で暮らしてみたいなぁという思いがありました。「日本は広いのに何もこんな狭いところに密集しなくても…」なんて。
で、免許も持っていない彼女が「いなかパイプ」へ1ヶ月インターンに高知へ行き、結果「いなかパイプに入ります」となり、先に四万十へ旅立ちました。
「うーん、じゃあいい機会だから田舎へ行ってみよう」と思い、私も行くことに決めたのです。
「車が高知にない」ということもあり、実家から車で行くことに。
何をやるかは全然決めていなかったので、いなかパイプで1ヶ月インターンをしながら考えることにしました。大学へも行かず、就職活動もしなかった私ですからこんな形で「人生初のインターン」になることに。
まず、最初にお世話になったインターン先は「道の駅四万十とおわ」。なんといっても田舎に来て最初に戸惑うことは人付合いだと思います。私の場合、この土地に縁もゆかりもないのですから尚更です。
道の駅では地元の方々が働いていたり生産者の方が毎日野菜を届けていたり。また週に1度とおわ食堂で四万十のおばちゃん達が「おかみさん市」という郷土料理バイキングを開いていたりするのです。
そんな中にいると、道端で再び会ったときに「この間の兄ちゃんやね」といった具合に自然と顔が広くなるように思えました。
「こんな何にもないところにワザワザよくきたねぇ」と会う人会う人に言われる日々。
田舎への移住で気になることの一つに「人付合いがメンドクサイんでしょ」という声がありますが、私が感じた印象としては、
都会 … あまり他人に関心がない。なんでかって言うとすれ違う人のコトなんてあまり見ない。
田舎 … 知らない人がいると「誰だコイツ」と言わんばかりに顔をじっと見てくる。
田舎で感じるのはすれ違う人すれ違う人、大体人の顔をじーーっと見てくること。最初は「じっと見てきて何だかイヤだなぁ」と思ってましたが、顔見知りになってくると車などですれ違う時に手を上げて挨拶など交わすようになってきます。
一方都会では知らない人とすれ違ってもそんなコトはあまりなかったなと思うようになりました(人口の数が単純に違うからと言われればそれまでですが)。これもよく耳にしますが、「都会は人と深く関わらなくて生きていける部分が楽だよねぇ」というコミュニケーション論。
どうでしょうか。どっちが良い悪いではありません。ただ、知らない人がいたら「誰だろう」と感じて見る、もしくは警戒するのは自然なんじゃないかなと思うんです。で、知っている顔だったら「ようっ」という感じで。
私はまだまだ実践は出来ていません。しかし、都会では大事な部分にフタをして「楽だよねぇ」と言ってきてしまったんじゃないかなと、田舎に来て思うようになりました。
そして1ヶ月のインターンの後半は「桐島畑」に農業体験へ。
これまた「人生初の農業」です。移住すると人生初づくしですよ! まず一番最初に驚いたのは畑の中に入ったときのコトでした。
何というかまるで海の中に入ったような感覚でした。外から海を眺めているのと、海中に入ったときの景色が全然違うようなそんな感じです。
四万十は山に囲まれた自然豊かなところですが、更にその中の一部に潜っていった感覚になり私は感動を覚えました。
桐島畑では、朝の野菜の収穫や出荷。またショウガ掘り、ジンジャーシロップ作りなどを経験しました。山や川など自然をボーっと眺めているのも好きだけども、実際に土を触ったり、クワを使って掘り起こして作物を収穫する喜びを味わうのもまた、別の形で自然を感じることの一つでした。
特に桐島さんは無農薬栽培で野菜を育てているためか作物ひとつひとつの大きさや形が違い、個性がハッキリしているような感じがします。スーパーで見ている野菜しか知らないなんて勿体無い。この畑のものを実際に見てもらいたいなぁなんて思うのでした。
こうして1ヶ月におよぶ「いなかビジネス教えちゃる!インターンシップ」は修了しました。まだ自分がハッキリと何かをしたい! と悟ったわけではありません。しかし、「どんな仕事」の「仕事」よりも、「どんなふうに」のほうが見えてきたような気がしています。
私は現在いなかパイプで仕事をしながら「NPO法人RIVER」という活動にも参加しております。そのRIVERでゴールデンウィークに「自然の学校」というイベントが開催されます。この自然の学校では、四万十の1次産業の体験として一番茶の茶摘体験や、清流四万十川をダイレクトに味わうカヌーツーリングを行う予定です。
インターンで「実際にやってみる」ということが大切だなと感じました。ぜひ皆さんにも実際の自然を体験していただきたいと思います。四万十でお待ちしております!