信州北アルプス ー国際芸術祭開催されますー
- 執筆者 たつみかずき
- 所 属LODEC Japan合同会社
2017/06/02
爽やかな乾いた風吹く、長野県北アルプス山麓地域よりこんにちは。「地域と人を繋ぐ」を生業とするLODEC Japan合同会社のたつみです。
いなかマガジン2回目の記事となります。今回は、6月4日から私たちが拠点にしている、長野県大町市で町を挙げて開催される「北アルプス国際芸術祭2017」についてと、芸術祭と地域の関わりについてを書かせていただきます。
北アルプス国際芸術祭って??
「大地の芸術祭」「瀬戸内芸術祭」と言うと、聞いたことある!とか行ったことある!!とか、そういう方も多いかと思います。
地域そのものをフィールドにし、自然の特性・地域資源を、作品の展示場所・作品そのものとして、それらをとおし地域を様々な角度から見て、触れて、知る。そのような地域の芸術祭が、最近では日本中で展開されていますが、この北アルプス国際芸術祭もそれらと同様の芸術祭です。
大町市内を5エリアに分け、36組の作家が世界中から集まり、作品を制作・展示します。総合ディレクターに「大地の芸術祭」「瀬戸内芸術祭」を手がけた北川フラム氏を招き、今回が初めての開催となります。
町は芸術祭の開催ムード!!
私は大町市街地の信濃大町駅前のシェアハウスを運営しながら暮らしています。4月から駅前には芸術祭のインフォメーションセンターができ、制作のボランティアはサポーターの方々や、作家さんが多く出入りしています。
市街地エリアには8つの作品が展示される為、この4月から徐々に駅前の人通りが増え、活気が出てきました。至る所に芸術祭のポスターと、テーマカラーの水色のバナーがはためいて、完成間近な作品の制作過程をあちらこちらで見ることができるのです。
町はお祭り前夜のように、なんだか浮き足立って賑やか雰囲気が漂います。地域の人たちも、これから始まる大きなお祭りに協力したり、混じったりと、開催を目前にして芸術祭がどんどん身近に感じられるようになりました。
いまとなっては芸術祭の歓迎ムードが漂いますが、振り返ると芸術祭の開催に至るには様々なことがありました。
地域を二分する芸術祭
初めての開催に際して、1年ちょっと前の大町市はまさに「喧々がくがく」。地域を二分するんじゃないか!!と言うほどの賛否両論が起こりました。
北アルプスを有する大自然が、芸術祭のフィールドになります。
「この大自然に現代アートなんて必要ない!!」
このような地域の芸術祭は、どこの地域でも賛否両論が起こるのだそうです。
私自身も他地域の芸術祭に足を運んでは、頭の中がはてなでいっぱいになる作品をいくつかみた記憶が少なからずありました。
「『芸術』と云う高尚な世界観なんてわからないわ〜〜。」
そう考える方は、私と同じく少ないのです。
当時私は、芸術祭の名称すら決まっていない立ち上げの段階で、民間人でありながら事務局!!というポジションを与えられ、地域の賛否両論の渦中に投げ込まれ、、それはもう、揉まれる揉まれる!!
ヒートアップするこの芸術祭問題に右往左往する!!なんていう経験をしたのでした。
地域にとっての芸術祭って??
それから1年とちょっと。様々な経緯を経て、開催が目前となる今日この頃。地域では様々な変化が起こっています。
作品は大規模なものが多く、到底作家さんだけの力では作り上げることが難しいのです。その為、制作補助・資材提供・物件や施設の貸し出しなどなど、地域との関わりが必須となります。
あれだけ地域を二分する程の賛否両論が起こっていたはずの地域は、実際に作家さんが入ってくると、徐々に協力的になっていったのです。
「正直、芸術なんてよくわからん!!」
私も含めて、地域の方々の多くはそう考えているようです。
それでも、「なんだか楽しそうじゃん♪」そういう純粋な目線でいいのかな〜。なんて、最近は思っています。
「ここに作品があることで、よりこの景色をのんびりと楽しむことができる。そうなればいいなと思います。」
一人の作家さんがそんなことを話してくれました。
そこに作品があるからこそ、日常的な景色をまじまじと見つめることができる。いつもは当たり前に通り過ぎる景色を、少し違った角度から見ることができる。そうすれば、地域は新たに「地域」を再発見するんじゃないか!!と。
レッツジョイン♪芸術祭
とまぁ、少々真面目なことをツラツラと書いてはみましたが、結論的に言いたいことは
「レッツジョイン♪芸術祭」
「レッツジョイン♪北アルプス」
と、いうことです。笑
参加の仕方は様々です。絶賛募集中!!のボランティアサポーターになるもよし。パスポートチケットを購入して大自然の作品を周るもよし。旅すがらにお祭り気分を味わうもよし。
これを機に、北アルプス山麓の世界に足を踏み入れればいいじゃない!
ちなみに、ぼくたちが暮らすシェアハウスがサポーター宿舎になっているので、ボランティアサポーターになった暁にはこうやってぼくたちとワイワイと一晩を過ごすことができますよ。
これからなんてことない地方都市の大町市が、芸術祭を通してどのように変わっていくのか。ドキドキとワクワクでニヤニヤしてしまう未来が、きっとそこには、あるのです!!
芸術祭関係のあれこれ
■北アルプス国際芸術祭HP
■芸術祭最寄りのゲストハウス ゲストハウスカナメ