海苔のソダテカタ~ノリノリナイト編~

2017/06/29

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執筆者 鈴木陽子
所 属

 やってきました、海苔シリーズ! 楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか!?(そんな方いるのでしょうか!?いたらとっても嬉しいです。笑)

海苔のソダテカタ~赤ちゃん海苔編~
海苔のソダテカタ~ちょっとおおきくなったよ編~

と来て、次は「こんなに大きくなったよ編」かと思いきや、「ノリノリナイト編」。

 なんじゃそれという方のためにご説明しましょう。
 石巻ではここ数年、海苔や牡蠣など海産物の生産者が消費者と直接繋がる機会を作ろうという動きが活発化しています。震災の影響で販路が減少してしまったから新たな販路を拡大したいという目的ももちろんありますが、漁師さんたちは知って欲しいと思っているんです。
 海苔が、牡蠣が、どうやって育てられているのか。それを知ってから食べる海産物の味は、それまで感じていた味とは大きく違うものになるから。知る前よりもきっと、大切に食べたくなるから。

 そんな想いから「ノリノリナイト」は企画されました。2015年11月に初開催されて今年で2回目。
 石巻の若手海苔漁師さん5人が海苔養殖について熱ーく語り、お客さんは海苔料理の数々をいただきながら漁師さんの熱い話に耳を傾け時々突っ込むというオモシロいイベントです。

 

主催の海苔漁師さん

 

 窓際に座っている5人が、主催の海苔漁師さんたちです。平均年齢35歳くらいでしょうか。
 実はこの日は、早朝に福島県沖でマグニチュード7.4の地震が起きた日。石巻市も何年かぶりに津波警報が発令されたため、午後になって警報が解除されるまでは町中に緊迫した空気が漂っていました。
 漁師さんたちは大きな津波に備えて船を沖へ出したり、警報が解除されてからは漁場の様子を確認したりとかなり神経をすり減らす一日だったため、この5人も実はちょっとお疲れの様子。でも、みんなでマイクを回しながらお得意のチームワークで会場を沸かせます。

 

スライドを使って

 

 スライドを使って、海苔養殖について漁師さんが詳しくレクチャー。このスライドは、以前「海苔のソダテカタ~赤ちゃん海苔編~」でお見せしたことがある、海苔の赤ちゃんを顕微鏡で見たところです。
 夏場、この海苔の赤ちゃんを網に付着させ、秋になるとその網を海へ張りにいき、それからは毎日漁場まで様子を見に行ったり網を洗いに行ったり。赤ちゃんが育ってきたら、近くの漁場へ網をお引越させて、成長具合を見ながらいよいよ刈取開始!
 海の状況によっては真冬の真夜中、極寒の海へ刈り取りに行くこともあって……そんな話を目の前にいる漁師さんたちから直接聞いていると、お客さんの誰かがボソッと一言、

「半端な仕事じゃねんだなぁ。」

その後も一般的には知られていない海苔の話が次々に出てきます。
 収穫された海苔は、機械を使って板海苔にされ漁協に出荷されると、海苔の質によって等級がつけられていくのですが、その数なんと330等級!
 そんな微小な差、どうやって甲乙つけるのか素人からすると不思議になってしまいますが、特に大きな判断基準は「色」のようです。黒々としたものはいい品質、赤みがあるものはあまりよくないのだそう。それにしても、330通りの品質を見分ける人、すごいなぁ…

 そして等級が一つ違う毎に一枚1円の差が出るのだそうです。海苔漁師さんはワンシーズンでだいたい500万枚の海苔を作るので、単純に計算すると1等級の差で売上が500万円も変わってくることになります。
 一番上の等級と一番下の等級の人を比較すると……恐ろしいのであとはみなさん各自で計算してみてください…。まぁワンシーズンの中でも出荷する度に等級が検査されるので、シーズン通して同じ等級ということは少ないようですが。
 ちなみに海苔養殖は、養殖業の中でも設備投資や維持費にとてもお金がかかる漁種です。水道代だけで一日100万円かかることもあるのだとか…ひぇーーー(汗)

 

 さてさて、シビアなだけではなくこの辺りで美味しい海苔料理のご紹介をしましょう♪♪

 

美味しい海苔料理

 

 刻んだ海苔をバタークリームとあわせてバケットに塗ったもの、海苔とチーズをくるくる巻いてミニトマトと一緒に串にさしたもの、生海苔サラダに生海苔スープ!特に生海苔のサラダは、海苔の産地以外では滅多に食べられないのではないでしょうか?
 水分を絞った生海苔は、ふわふわするようなしゃくしゃくするような不思議な食感です。

 

生海苔サラダ

 

 生海苔サラダ。一枚一枚は透き通ってぴらぴらした感じです。

 それからこちらは海苔ピザ♪♪

 

海苔ピザ

 

 海苔とチーズは愛称バッチリ!

 こんな風に、海苔養殖についてお勉強するだけではなくて、海苔の新しい食べ方提案もしているのが素敵です。
 そして今回の主催漁師さんそれぞれが商品として販売している海苔の試食もありました。

 

海苔の試食

 

 この漁師さんたちは、唐辛子やオリーブ、青粉といった独自の味をつけた海苔を販売しています。
 手の込んだ料理だけでなく、おやつとしても手軽に食べてもらいたい。でも品質は落とさず本格レベルにこだわっていて、海苔の厚さも5人それぞれが最適だと思う厚さにこだわっているのでみんな少しずつ違うんです。海苔の風味とパリッとした食感に、ついつい手をのばしてしまいます。やめられないとまらないっ♪♪
 さて、これだけ海苔の話と写真を見ていたら、みなさんそろそろ海苔が食べたくて仕方がなくなって来ませんか?そんな時はぜひ、石巻産をよろしくお願い致します♪♪

■そんな海苔漁師さんも受入をしてくれている7日間からの漁村留学「イマ、ココ プロジェクト。」詳細・お問い合わせはこちらからっ

■ノリノリナイトに会場と料理を提供してくれた「ロングビーチハウス」もよろしくお願いします♪

 

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