信州北アルプス ~ここで暮らし始めてから雨が好きになりました~
- 執筆者 たつみかずき
- 所 属LODEC Japan合同会社
2017/07/17
梅雨空が堂々とそびえるお山を隠している長野県北アルプス山麓地域よりこんにちは。「地域と人を繋ぐ」を生業とするLODEC Japan合同会社のたつみです。
いなかマガジン3回目の記事となります。今回は、この時期に延々と降り続く「雨」をテーマに記事を書かせていただきます。
雨がずっと嫌いだった
「雨かよ!!嗚呼、また中止になるかなぁ、、」
21歳の頃、ぼくは京都の町中で暮らしていて、大学中退後に企画したイベント団体を個人事業申請し、イベント屋?みたいな生業創りにせっせと勤しんでおりました。
社会経験のない当時のぼくは(今もほとんどないに等しいんだけど、、)右も左もわからぬまま「稼ぐ」ということを直視し(と言っても家があったので親のスネをかじるに甘んじていた)、湿度の高い盆地の町を汗を垂れ流しながら走り回っておりました。
その頃、ひょんなことから使わせていただけることになった円山公園野外音楽堂という祇園の外れの野外ステージで、野外音楽イベント&フリーマーケット!!なんてことを企画していたんですね。
その頃まで意識していなかったんですが、ぼくはどうやら“雨男”らしく、企画したフリーマーケット8回の内半分が雨で中止となる!!なんていうミラクルを巻き起こしていました。
「天に見放される、、」
なんて言葉がとてもしっくりとくる、“青年実業家(笑)”人生は、そんなところから始まりました。
その雨男っぷりは未だに健在で、数少ない休日や、別地域への遠征時には大概「雨」がつきまといます。まぁ、実際は雨に対するネガティブさがそう思わせているだけかもしれませんが、「思い出はいつも、雨」なのであります。
そしてぼくはとてもとても「湿気」というものを憎んでおりまして!! たつみかずきを殺すなら高温多湿な部屋に放置しておけばいい。という程に湿気を感じる空間が強く苦手なのです。そんなことから「雨」は、大嫌い!!で、且つ憂鬱な時間だったのです。
なんて雨が似合う景色なんだろう
縁側の向こうに雨が線となって降り堕ちて、トタンの屋根をトントンと鳴らす。湖には無数の波紋が、できて広がってぶつかって、またできて。向こうの山からは水蒸気が群生し、雲を創る。
「雨も、悪くないな。」
縁側から眺める雨の世界は、なんだか綺麗で。たくさんのあれこれを洗い流してくれうようでした。
まぁ、そんな情緒的で哀愁漂うような文面がとても雨の景色には似合ってしまうのです。笑
町中で暮らしている頃、
「雨はどこに還っていくのだろう?」
なんて考えていたことがあります。
なんとなく町で降る雨は窮屈そう。バスや電車の中で、水滴を拭いきれない傘は邪魔者でした。人が吐き出す水蒸気で湿るガラスはなんだか鬱陶しいものでした。
お山に降り注いだ雨は、約30年かけて地上へと湧き出るそうです。北アルプス山麓はどこも水道水が「美味しい」と言いますが、お山に降り注いだ雨は地中に潜ってから濾過されながらも様々な物質を吸収するのだそうです。
「北アルプスのおいしい水道水」
私はこの地域の水道水に敬意を払い、こう呼んでいます。
雨が降り、土に還り、地上へと湧き出て、それらは人や動物の飲み水に。植物や作物の養分に。水蒸気から生まれた雲が重たくなってまた雨となり。そんな循環の美しさをなぜだかこの自然の中では身近に感じることができるのです。
やまない雨はない
さっきまで雨が降っていた世界に太陽が差し込んで。深緑のモノトーンだった緑色を一瞬でカラフルに変えていく。その時に吸い込む空気はなんとも言えない「緑の匂い」がするんです。
全てを覆う雪が溶けて福寿草が咲くように。雲に閉ざされたお山も、いつかはその堂々たる姿を見せてくれるのです。寒さの中でこそ知る、暖かさ。
ここで暮らし始めてから、雨が好きになりました。
なんだか、雨のことを書いていると必要以上にエモーショナルでノスタルジーで湿度の高い文章となってしまいました。笑 まとめとして、何が言いたいかと、
「北アルプス山麓、めっちゃいいとこ!!」
という、いつもの結論になってしまいます。笑
雨さえも美しく情緒を纏い。晴れた日はお山と星空があなたを包みます。あなたの知らない日本の世界へ。
つまりは、旅にしおいで♪ってことですよ^^
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長野県北アルプス山麓地域の人
たつみかずき