移住ドラフト会議
2018/01/30
秋はドラフトの季節!
年も明けて、古い話になりますが、「超高校級」と言われた早稲田実業の清宮選手獲得をめぐって盛り上がりを見せたプロ野球ドラフト会議。
地方移住業界?では11月25、26日に都内で開催された「みんなの移住ドラフト会議2017」もアツく盛り上がりました。
関西方面ではテレビの情報番組でも特集されたそうなので、facebookなどのSNSのほか、テレビや新聞でご覧になった方もいるかもしれません。
「移住計画」ってなに?!
この「みんなの移住ドラフト会議」は、私たち岩手移住計画も末席に名を連ねている「みんなの移住計画」ネットワークが主催したものです。
そもそも「移住計画」ってご存知でしょうか?
現在、どうやら全国各地に17の移住計画があるそうで、2012年に誕生した「京都移住計画」を皮切りに、福岡、奈良など、若干、「西高東低」なかんじで展開しています。
ちなみに私たち「岩手移住計画」は、2014年に京都移住計画の田村さんを訪問したのをきっかけに、同年秋に誕生しました。
これまで、とくに他地域との交流はありませんでしたが、1年ほど前だったか、「みんなの移住計画」のFacebookページができるなど、なんとなく他地域の移住計画の活動も入ってくるようになりました。
そんななか、「2016、17年と鹿児島で開催した『移住ドラフト会議』の全国版をやろう!」という声が上がり、満を持して秋に実現したのでした。
わたし自身は鹿児島での「移住ドラフト会議」をたまたま新聞で読んで知っていたのですが、鹿児島に移住した人たちが自分のスキルや経験を発表し、それを聞いた地元企業が指名するような、移住希望者と地元企業をマッチングするけっこう真面目な求人イベントなのかな、と思っていました。
「壮大なコント」の幕開け
ところが。全国の移住計画メンバーがネット上で打ち合わせをした際に、主要メンバーから重ね重ね言われたのは、
「移住ドラフトは壮大なコントだ!」
ということ。
移住させたり、どこか特定の企業に就職させたり、ということを目指すのではなく、この移住ドラフト会議という場をとおして、指名候補(移住や多拠点居住を考えている人たち)はそれまで知らなかった地域とつながることができる。「球団側」として参加する私たちもそれまでかかわったことのない地域のひとたちと出会うきっかけになる。
そんな出会いを提供するのが移住ドラフト会議なのです。
私たち「岩手移住計画」は、岩手にUターンした若きイケメン南部鉄器職人・田山貴紘さん率いる「南部鉄器青年団」とともに球団を結成することになりました。(球団の詳細については長くなるので、次回のマガジンに譲ります)
他地域からは京都の「美山エコツーリズム推進協議会」といった何をやっているのかわかりやすい団体から熊本県菊池市の「アサッテの未来」、沖縄市の「コザマシンガンズ」など名前だけでは何をしているのか謎の団体まで、12球団が揃い、会場の前側に陣取りました。
ホンモノさながらドラフト会議
華々しい開会宣言のあと、巨大なスクリーンを使って各球団が紹介される様子はまさに、ホンモノのドラフト会議さながら。いやがおうでもテンションが上がりました。
そして、「いざ指名」となるわけですが、いったい何をもとにどの候補を選ぶのか……。
じつは前日に「前夜祭」と称して、各ドラフト候補が3分間で自身の経歴や特技をPRする機会が用意されていました。球団側はそのプレゼンをもとに指名する候補を選定する、というわけ。なかなか周到に仕組まれているのです。
ある程度、社会経験、人生経験を武器にしてドラフトに挑む候補が多いのかと思いきや、20代女性の候補がたくさん! これにはびっくりしました。ライターやデザイナーなど「どこでも仕事できます!」という手に職系の女子が多く、みんな明るさとサバイバル能力を備えた方々ばかり。
かたや、男性は40代くらいですでに起業経験がある方、コンサルとして活躍してきた方などが多かった印象でした。
指名はけっこう集中するものかと思いましたが、各球団で目の付けどころがちがうようで、思ったほどには指名が重複しなかったのも印象的でしたが、後半の4位指名くらいになると、まだ指名されていない候補が少ないこともあり、5球団重複、といった見せ場もありました。
終了後には、さっそく各球団と候補者がお酒やお茶を飲みに行ったり、Facebookのグループページでやりとりが始まったり、年末年始にも、球団側を訪ねた候補者もいたようです。
ここ数年、「移住」「UIターン」が注目されてきましたが、これからは「移住」だけではなく、「多拠点」な暮らしを求める人たちが増えるに違いないと確信したドラフト会議でした。