春の風物詩、メカブ!!
2018/05/11
- 執筆者 鈴木陽子
- 所 属一般社団法人 ピースボートセンターいしのまき
「メカブメカブメカブ~♪♪ メカブーをーたべーると~♪♪」
いつの間にやら季節は春。春といえば、桜、お花見、入学式。そして忘れちゃいけないのが……メカブです!
石巻の春といえば、やっぱりワカメとメカブ♪ 今回は漁師さん直伝、簡単美味しいメカブ料理をご紹介します♪
まずはみなさん、メカブの真の姿をご存知ですか? スーパーなどでパッキングされて売られているメカブは、緑色で千切りになっていたり、こまかーく刻まれた状態のものが一般的ですよね。
でも、海から上がったばかりのメカブは全く違う姿をしているんです。
それがコチラ。
右手前に写っている、茶色いうにゃうにゃしているものが、水揚げしたばかりのメカブです。
「ちゃ、茶色い!」
そう。生のメカブは茶色なんです。
わかめも同じですが、生の時は茶色く、お湯に入れるとあっという間にきれいな緑色に変わるんです。
もうひとつあまり知られていない事実ですが、メカブとわかめは海の中では一本に繋がっています。わかめの根元の部分にできるのが、メカブなんですよ。
石巻では、お湯に通すと化学変化のようにサァッと綺麗な緑色になるのが楽しい「わかめしゃぶしゃぶ」「メカブしゃぶしゃぶ」という食べ方もあるんです!
さて、上の写真は、メカブの「みみそぎ」と呼ばれる作業をしているところです。右手に持っているフォークのような道具で、茎とビロビロの部分を切り離し、メカブとして出荷されるのはビロビロの部分のみ。
茎の部分もしゃきしゃきして美味しいんですけどね。浜の家庭では薄くスライスしてしょうが醤油と絡めたり、煮物にしたりして食べられていますが、浜の外へはほとんど出荷されていません。
こんな感じです。分かりやすい写真が用意できなくてごめんなさい…
メカブの収穫時期である3月4月になると、石巻の漁村ではこんな風に家族単位でみみそぎをする風景があちらこちらに見られます。
さぁ、そろそろ本題です。
漁師さん直伝、簡単美味しいメカブ料理ー!!
パチパチパチ。
メカブといえば細かく刻んでご飯にかけるのが定番だと思いますが、今日ご紹介するのは「メカブ汁」!!
作り方はいたってシンプル。
1.まず、とれたての生メカブを千切りします。
これが、とれたてのメカブをみみそぎした状態のものです。
2.千切りしたメカブと、輪切りした長ネギを生のままお椀の中へ。
3.鍋に具を何も入れていない味噌汁を用意。
4.熱々の具なし味噌汁を、生のメカブと長ネギが入ったお椀へ注ぎ込みます。
5.あっという間に、ハイ! 出来上がり~!
味噌に隠れて見えないのが残念ですが(味噌汁が透き通ってから撮ればよかった…)、熱々の味噌汁をかけられたメカブは一気に綺麗な緑色に。
私も今までメカブ汁を作ったことはありましたが、一度鍋で煮立てていました。必要最低限しか加熱しないこの作り方なら、歯ごたえがしっかり残るし、メカブの風味が汁に溶け出さずメカブ自体に閉じ込められているので、メカブを噛んだ瞬間に、口の中にメカブの新鮮な香りがふわっと漂うんです。
このメカブ汁の作り方を教えてくれたのは、7日間からの漁村留学「イマ、ココ プロジェクト。」の受入漁師でもあるこの方、石森裕治さんです。
石森さんはじめ、石森さんが住んでいる牡鹿半島の鹿立浜(すだちはま)やその隣の福貴浦(ふっきうら)の漁師さんたちは、もともと牡蠣の養殖業を営んでいましたが、東日本大震災をきっかけに、牡蠣だけでなくわかめの養殖を始めました。
当初は、牡蠣よりも格段に早く大きくなるわかめを育てることで、震災後少しでも早く現金収入を得るための苦肉の策でしたが、震災から7年、すっかりわかめとメカブ漁が定着した今では、牡蠣だけしか育てていなかった震災前よりも収入が増え、あの時は大変な状況だったけど思い切ってわかめ養殖を始めてよかったと漁師さんたちは口々に話しています。
さて、石森さん直伝のメカブ汁を作ったこの日の朝ごはんは、メカブ汁とメカブかけご飯♪
前日に取れたばかりのメカブを細かく刻んでご飯にかけて… 見てくださいこの新鮮な緑色!
ここにかつお節を乗せて醤油をたらして…なんて贅沢!
こんな贅沢をできちゃうから、石巻での生活はたまりません♪
今回ご紹介したメカブ汁、美味しいのでぜひ皆さんにも作ってみていただきたいのですが、ネックなのは生メカブを入手しないといけないというところ。最近はネットなどでお取り寄せもできますし(その際はぜひ石巻産でお願いします!)、なんといっても浜に来ちゃえば朝どれのメカブをその日のうちに食べられますからね!
そんな贅沢を味わいたいそこのあなたは、7日間からできる漁村留学「イマ、ココ プロジェクト。」がおススメですよ♪
そういえば以前、石巻の春の風物詩として「小女子漁」についても紹介させていただきました。夕方5時ごろ海へ出発して、夜通し魚を追って船を動かし続け、朝5時ごろ戻ってくる小女子漁。
とれたての小女子はとってもきれいなんですよ。よければこちらも読んでみてください。『春の風物詩、小女子漁!!』
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!