休校舎に子どもがやってきた!!その2
2018/05/21
- 執筆者 小原宙子
- 所 属鹿児島県西之表市地域おこし協力隊
鹿児島県の離島、種子島にある立山小学校は、現在休校。
でも、子どもの通わなくなった小学校で今日はなにやら子どもの声。そう!ふるさとまなび~隊のみんなが遊びに来てくれたのです!!
さてさて、いっぱい遊んで、いっぱい笑って。今日はのこぎりも弓矢も手裏剣も扱った刺激いっぱい(笑)の日。
子どもたちもお手伝いしてくれて、体育館の中もきれいになりました。先生たちにお礼を言って。
次に向かったのは、立山公民館。学校の向かいにある、こちらはクーラーもきくし、大きなテレビもあります。ここで、よかよめじょう(美人)たちが、何やら用意してくれているものがあるようです。
じゃじゃーん!
川にいる、大きくて長い手を持った手長エビの、ダクマ。さくさくのから揚げと、味のしみこんだ煮付けの2種類。
さらに、とれたての夏の甘い野菜代表、とうもろこしも差し入れがありました!
さらにさらに、去年の探検ウォークラリーの時、「おおきんなぁ」の呪文を言えた人がもらえたごほうび「芋もち」が今年もありました。アンケートの中にも、また食べたいの声がたくさんきかれたこちら。
「あ、あった!」
の声もきかれました。
皆で手を合わせていただきます。
子どもたちが体育館でお父さん・お兄さん先生に習いながらにぎやかに遊んでいる間、こちらの公民館では地域のお母さん・お姉さんたちが集まって、おいしい準備をすすめてくださっていました。
最初はダクマエビのから揚げだけの予定だったところ、さすがえずか(仕事のできる)お姉さんたち、たくさんあるダクマを見て、煮物と両方あったら子どもたちが楽しんで、喜んでくれるのではないかと考えて下さったご様子。
ダクマ上手先生に習いながら、ひとつひとつ丁寧な手仕事でダクマのぬめりをとっていきます。
水質がとても良い、水のきれいな立山校区。とはいえ、やはり川にはたくさんの生き物が棲んでおりミネラルもたくさん含んでいるのです。ぬめりと共に匂いもとっていきます。こうしたちょっとしたひと手間が美味しさの秘訣なんですね。
また、同じように作っているようでもちょっとしたことでお家それぞれのおいしさが違ってきて、面白いところでもあります。
夏の味、川エビダクマ。からっとあがったから揚げと、九州の甘味の煮物。どちらも子どもが喜びそうな一品です。
農家さんが直接持ってきて下さったとうもろこしも、ゆでたらきれいな黄色で華をそえています。こうした差し入れも島の楽しいところのひとつ。
秋を過ぎればこれが安納芋に、夏の暑いときにはこちらでよく見かけるヨーグルッペというドリンクの場合もよくある気がします。
芋餅上手先生が、今回は焼きバージョンの安納芋餅と紫芋餅もつくってきてくださいました。みんなで盛り付けて、できあがり。
さぁ、子どもたちはどうかな?
「おいしー!はじめて食べたー!」
という声も無事にきかれました。男の子も女の子も次々に手を伸ばしていきます。みんな笑顔。どのテーブルもから揚げからなくなっていきます。なぜかというと、
「これどうやって食べるんですか?」
煮付けは殻付だったので、最初食べ方がわからなかったよう。殻をがりがり食べる人もいるのですが、やっぱりつるんとむいて食べると食べやすかったよう。
「待って!まだ食べてる!!」
最後のスパートとばかりに殻を一生懸命むいていた子も、おなかいっぱいになったよう。
食べた後のお片づけも積極的でとっても感心です。食べたものは、ゴミはゴミ箱にお皿もお姉さんたちに渡して、机もたたんでくれ、あっという間に片付けも終了。
この日は七夕に近かったと言うこともあり、一人一枚ずつ短冊が配られました。
サッカー選手になりたい子、石油玉になりたい人、家族やおじいちゃんおばあちゃんの健康を願う、そんな中に1度か2度目と思うのですが、立山校区の人たちが、元気で健康でありますように。というものもありました。
島には大学がありません。高校卒業、もしくはその前から島の親元を離れる子も少なくありません。だからこそ、折に触れ親のお誕生日におめでとうやいつもありがとうを贈っている姿も見かけます。
もしかしたら、小学生のみんなも、そんなおにいちゃんおねえちゃん、それを見守る家族の視線を感じて育っているのかもしれませんね。皆とっても可愛く、優しい子たちでした。
ごちそうさまをした後は、恒例のハイタッチです。公民館の外、バスまでの道に並んだ大人の人たちと笑顔でハイタッチして、バスに乗り込んでいきます。
両手でハイタッチする子、恥ずかしそうな子、かと思えば、元気いっぱいジャンプをしながらのハイタッチやスピードスターの片手ハイタッチもあります。
バスに乗ったあとも、外の人たちも中の人たちも大きく手を振り合います。楽しかったね。またおいでね。
夏の思い出。
今度はこの子たちが大きくなったときに、その子どもたちも一緒に遊びに来てくれたらいいですね。