この夏、あなたは対馬で過ごしているかも!!?
人生何があるかわかりません。私も、まさか対馬に移住して6年目を迎えようとは。
思い立ったが吉日。頭であーでもない、こーでもないって色々と考えちゃって身動き取れなくなることって多いけど、勢いって大事だと思う今日この頃。
久しぶりの釣りで大物ゲット!チカメキントキ。
さて、今日は、対馬での熱い夏イベントの告知をさせていただきます。対馬市島おこし実践塾は、今年でなんと第7回目を迎えました。
この集合写真を撮るのが毎年恒例になりました。
今年度は、入門編と専門編にわけて開催します。入門編については別の記事でご紹介します。ここでは専門編について紹介させてください。
専門編って、何についての専門なのか??
当然、地域づくりの専門編と思いますが、対馬市はちょっとひねっています。「生物多様性保全」についてのプログラムになっています。
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生物多様性保全って一部の生き物好きのマニアが博士とかになって狭い分野を極めるものでしょ?地域づくりと関係ないじゃん!
って思ったそこのあなた!安心してください。パンツはいて・・・じゃなかった。あなたの期待に応えるプログラムですから。
これからの地方の地域づくりにおいて、生物多様性保全はすごく重要な真の部分になると確信しています。
田んぼでツシマヤマネコが見られるかも??
先日は、絶滅危惧種のクロヘラツラサギが飛来しました!
生物多様性保全について明るくない人は、この実践塾に参加することで、そのことをよく理解できるようになるでしょう。
ヒントを少し上げると、日本の生産力をささせる農林水産業って、全て生き物にまつわる話ですよね。水って誰がきれいにしてくれて飲めるようになっていると思います??ミツバチっていなくなったら農業がどうなると思います??
私たちの住む地域社会、というより地球レベルで見ても、私たちは生物多様性の上に成り立っているのです。資源だけでなく、文化や技術も、宗教も、教育も。全て生物多様性が根底にあるんです。
例えば、里地里山では、耕作放棄地が増えることによって、森林生態系が劣化し、水田の涵養や防災対策も脆弱になり、地区の土砂災害のリスクも高まっています。
健全な生態系がなくなってしまうことで、昔から享受してきた自然の恵み(山菜やはちみつ等)も少なくなっています。ミツバチがいなくなれば、花粉を媒体することができなくなり、果実が結実しなくなります。手で受粉することはすごく大変です。また、シカ・イノシシが増えており、生態系への被害も深刻で、人家のすぐそばまでくるので危険です。
里海に目を向けると、海は巨大な食料庫です。対馬では、ヒジキやアオノリなどで現金収入を得てきました。ところが、最近は、磯焼けが深刻で海藻類がほとんどなくなってしまいました。その代わりに、海岸には至る所に漂着ゴミがあり、景観が非常に悪くなっています。そればかりか、プラスチックが劣化して細かくなった“マイクロプラスチック”を小さな生物が取り込み、それを食べた大きな魚の体内に入り込み、ついには、それを食べる人にも影響があるかもしれない・・・などなど。
人口減少が進み、地方行政に財力がなくなったときに、インフラをどうやって維持させるのしょうか?
ヒントは生物多様性保全にあるのです。例えば、森の生態系を回復させられれば、天然のダム機能が戻り、水も浄化され、井戸の水も上水施設がなくても飲めるようになります。
地方創生を語る上で、すごく大事な切り口となる生物多様性や生態系保全。
今年の島おこし実践塾では、そういったテーマで、4泊5日でみっちりと地方創生を考える機会を提供します。詳細なスケジュールは対馬市のウェブサイトにある募集要項をご参照いただくとして、簡単な紹介を。
【1日目】オリエンテーションおよび基礎講義
「課題先進地域」と言われる対馬が抱えている課題について整理し、実践塾で行うプログラムのねらいやそれぞれの連関性を概観します。また、対馬の生物多様性の重要性と危機などについて話を聞くことで、課題先進地である対馬において、生物多様性を切り口とした持続可能な地域づくりについて話題提供します。
座学で生物多様性と地域づくりを学びます
【2日目】海の生物多様性と漁業振興
東シナ海と日本海を結ぶ対馬海峡の真ん中に浮かぶ対馬周辺の海域は、全国でも有数の好漁場です。水産業は対馬の基幹産業だが、魚価の低迷、後継者不足、資源量減少と、多くの課題を抱えています。また、漂着ゴミによる環境破壊(漂着ゴミの2割は日本、8割は外国)、国境付近での外国船との衝突等、国際的な問題にも対処していかなければなりません。
実践塾では、水産資源の持続可能な利用を目指し、漁業や直販活動、担い手の育成等に取り組んでいる一本釣り漁師から話を聞き、持続可能な水産業や海洋の環境保全について考えます。
船釣りで真鯛ゲットした昨年の塾生
【3日目】里の生物多様性と農業振興
山がちな対馬では、営農や焼畑、炭焼きなどの人の営みによって作り出された環境に、たくさんの里地里山の生物が生息しています。絶滅危惧種であるツシマヤマネコもそのひとつです。しかし農業人口の減少や農家の高齢化、近年では増えすぎたイノシシやシカの被害などにより、離農者が後をたたず、耕作放棄地が拡大しています。人の手が入らなくなったことによる生物多様性の劣化は、全国的にも大きな課題です。
実践塾では、農地が育む生態系の構造とその保全の重要性を学び、里地里山の生物多様性保全と持続的な農業のあり方について考えます。対馬の田畑に生息する生き物とその多様性を実感し、農業と自然の関わりについて学びます。今後の農業の進む道として、大規模化、効率化、生産性向上と生物多様性をどのように折り合いをつけていくべきなのか。日本の農業は何を目指すべきなのかについて考えます。
農業体験の様子〜水路を作っています〜
【4日目】山の生物多様性と林業振興
対馬の約90%は森林です。今後10年間、伐採林齢を迎える森林が約7割を占めるため、積極的かつ計画的な利用の促進が望まれます。しかし、作業道が未整備な場所や地形的に作業効率の悪い場所が多くあることや、輸送費や伐採後の植樹の手間等で採算が合わないこと、さらには人財不足等から、伐採が十分に進まない状況にあります。さらに、最近ではシカやイノシシの個体数が増え、林床の植物を食い尽くしてしまうため、伐採した後の植生の回復も難しい状況です。こういった状況の中、絶滅危惧種であるツシマヤマネコやツシマウラボシシジミなどの保全活動や、有害鳥獣対策などの活動が展開されています。
実践塾では、獣害問題対策の講義やしいたけ栽培体験や森の植物調査などを通じて、山の産業と生物多様性のつながりについて学びます。里山の担い手を確保するためには何をすべきかをグループワークで議論します。
原木しいたけのホダ場内の植物調査の様子
原木しいたけ栽培体験
【5日目】森里海の環境と生業の維持のために ~政策提言~
最終日は、学んだことをふまえて、島外の視点から政策提言を考えてもらい、森・里・海の関係者を招き、塾生による政策提言プレゼンテーションを行います。
エンタくんを使ったグループワークの様子
住民や行政職員に対する発表会
文章だけではなかなかピンとこないと思います。ですから、是非対馬市主催の島おこし実践塾に参加してください。
たった5泊なのに最後はみんな家族みたいに。
滞在先は、対馬のおうち。孫のように接してくれる地元の方のおもてなしに涙
塾生の間でその後も連絡を取り合うくらい濃密な交流
生物多様性に詳しくない人でも大歓迎です。むしろ、詳しくない人に学んで欲しいなあ。社会人も大歓迎なので、地域おこし協力隊や集落支援員の皆さんも是非ご参加ください!!
興味を持っていただいた方は、対馬市のウェブサイトをご覧ください。申込もウェブサイトからできます。
島おこし実践塾-専門編
【開催日程】
平成30年8月31日(金)~9月4日(火) 4泊5日
(入門編も別日程で開催します:平成30年8月20日(月)~8月22日(水)2泊3日)
【対象】
大学生、短期大学生、専門学校生、大学院生、社会人等
【定員】
30名
【開催地】
対馬市上県町志多留・田ノ浜・伊奈地区
【必要経費】
参加費:12,000円 (食費・交流会費・保険料)
※社会人参加者は 30,000 円(宿泊・食事・交流会費・保険料)
交通費:対馬までは参加者負担。対馬島内は無料(バスでの移動となります)
【宿泊】
民泊(民家へのホームステイ)
【募集期間】
7月27日まで
【応募方法】
自己PRや参加希望理由など以下の申込フォームより入力の上、別紙 「島おこし実践塾」参加申込書・同意書に記入し、以下の宛先までご応募下さい。選考の上、受付から2週間以内に参加の可否をご連絡いたします。定員に達し次第、募集を締め切ります。
▼申込フォーム
https://pro.form-mailer.jp/fms/8f63077398760
【お問合せ先】
一般社団法人MIT 吉野 元
hajimeyoshino@mit.or.jp (@マークを小文字に変えてメール送信下さい)
電話:090-1179-7613、0920-84-2366
事務所 817-1602 長崎県対馬市上県町佐須奈甲562番地24