出前!プロに習うパン講座② 食パン編
2018/09/11
- 執筆者 小原宙子
- 所 属鹿児島県西之表市地域おこし協力隊
かくして、大好評をおさめたロールパン講座であった!
そして時は流れ、安納芋の時期も終盤を迎え、オウギ(サトウキビ)が始まるころ。西風が強まり、種子島の冬の到来を知らせるころのことであった。
夏の打ち上げで、次のお話が出ていたのを良いことに、第2回目のパン講座のお知らせを打診してみると…。
「では、今度は食パンなんてどうですか??それから、ケーキのグラサージュとかもやっちゃいますかー?!」
「いいですね!!」
なんてすばらしいアイディア!おりしも時期はクリスマスも見えてきたころ。クリスマスケーキのデコレーションなんてすてきな響き!なんという女子力でしょう。
かくして立山の女子たちにご連絡したところ、皆さんも楽しみにされている様子。
今回は、少し大きめの型を使っての講座だったため、事前に立山小学校の給食室に来てくださり、発酵済みのパンを焼いての試作も行われました。
部屋の中に良い匂いが広がります…。 取り出す瞬間のわくわくも料理の良いところですよね。
そして見てみたところ、あれ!端がちょっとだけこげている。
サイズなども確認し、これはこれで美味しいものの、本番では型を変えて焼いてみることに。
ふんわり焼きたてパンは、外がカリッと。どうして出来たてってこんなにおいしいのでしょうかねー。業界ではもうあまり使われないという、しずる感が出てますね!
当日もまた、会場設営から協力して下さった先生のおかげさまで、準備はささっと終了。よーし、あとは本番をまつばか、り…?!
ここで、番外編。
はたっとポケットの中にあるはずの鍵が…? 時間は18時をまわり、暗くなっています。 えー。記憶を辿って、参加者の地域の方たちにお声がけし、ちょっとした大捜索会に(^^;) 親切なみなさんが全力で探して下さったものの見つからず、あばや(種子弁:あらま)!
※最後にお店屋さんの駐車場で無事その日のうちに発見されました。
本当に良かった。皆さんありがとうございました!!島の方たちは、本当に親切です。本当に親切ですよ…。
そんな中、下準備も終わり。肝心のパン講座へ!
今回は、前回と同じく
●食パンの材料を混ぜ合わせ1次発酵へ
●前日から準備しておいた生地を使って成型
●パンを焼いている間にケーキのグラサージュ(生クリームで表目をきれいにする)
●できあがりパンとケーキの試食会 (5.翌日お母さんたちが仕込んで下さったパンを、地域の高齢者の方たちへクリスマスプレゼントの配食パンに) という仕立て。
皆さん手際よく材料を混ぜ、あっという間に1次発酵です。
自分の作ったパンって可愛らしく見えますよね。なんとなく愛着がわいたのもあってか、明日のパンもどうなったか見せてねというお声もでました。
さて、お次の成型。
生地の成型前に、ガス抜きの作業です。みなさん、どんどん机に打ちつけていきます。が、これが結構ハード。いい運動になります。
そしていよいよ成型!前回はここでまんまるい形を作りましたが、今回はまた少し違います。
今度はちょっと楕円形の形なのですが、押し広げながら波のようにまた中央により集めながら一箇所に継ぎ目を集めていきます。実践あるのみ!
先生も優しくフォロー。こうしてケースバイケースで教えてもらえるのも、少人数講座の良いところですね。三つの班ごとにそれぞれ個性のあるケースができあがりました!
だんご三兄弟ならぬ、食パン3姉妹といった感じでしょうか。色白のよかよめじょう(美人)たちです。
そしてそして、季節のお楽しみ。ケーキのグラサージュを行って、ショートケーキを作っていきます。
上手な等分の仕方や、普通の包丁で柔らかいケーキ生地を上手に切る方法も教えていただきました。
ナイフは、立てて切った方がきれいにきれるそう!!
本番のグラサージュはというと…。
さすが、先生はプロ! 見ているとくるくるーっとたくさん盛られた生クリームがなめらかな表面のコーティングへと変化しています。
見ている分には簡単そうなのですが。やってみると、あれー?ケーキを巻き込んで生地が出てきてしまったり。
最初はコツをつかむまでやってみて、結果は上手なできばえ! さすがプロのケーキ…。上品な甘さでお味もばっちりでした。
焼きたてのパンも良い色に焼きあがりました。
これこれ!こげもなく良い塩梅です。いつもの写真タイムを経て、みなさんで口に入れると。
「おいしー!」
ふんわり柔らかな食パンに先生も頷かれていました。いろいろな班のパンをわけあいっこ。笑顔でお互いを見合います。
みんなで集まって、一緒に作って、おいしく食べるってやっぱり幸せですね。
先生はこのあと、私の鍵探しに付き合って下さり。無事の発見も一緒に喜んでくださいました。本当に、島の方は優しいですね!(感涙)
そしてその日から私は鍵に鈴をつけ、大きな鍵ポーチを持ち歩くようになりました。
この美味しさを参加していない皆さんにも食べていただきたい! 快諾してくださったお母さんたちと、大協力くださっている先生たちのおかげさまで、食パンクリスマスサンタ配食大作戦が進行していくのでした。